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リーダーシップとは?定義や理論、とるべき行動

2019年12月25日更新


組織をまとめる立場になると、リーダーシップが要求される場面があります。新しい事業の立ち上げや、組織が停滞している場合はとくに必要とされるのがリーダーシップ。ただ、広く使われている言葉だけに、人によっては受け取り方もさまざまです。ここでは、これまで提唱された数ある定義や理論の中でポピュラーなものを紹介します。自分が求めるリーダーシップ像に合わせてエッセンスを吸収し、リーダーシップを発揮していく上での参考にしてください。

リーダーシップの定義

トレーニングで後天的に身に付くもの

リーダーシップとは指導力、統率力などと表現されることが多く、一般的には組織の中で目標を定め、組織を維持しながら成果を出す能力を意味します。求められるリーダー像はそれぞれの組織で差がある分、さまざまな定義や理論が語られてきました。また近年、リーダーシップについての考え方は、先天的な才能や資質ではなく、トレーニングなどによって後天的に身に付くものという考え方が主流となっています。

ドラッカーが挙げる3つの定義

数あるリーダーシップの定義の中で有名なのは、オーストリアの経営学者、ピーター・ドラッカーによるものです。リーダーシップに必要なのはカリスマ性ではなく人格を高めることといのうのがドラッカーの説。その3つの考え方を紹介しましょう。

1、リーダーシップは仕事
ドラッカーは著書で「資質ではなく仕事」とリーダーシップを著しています。組織の目標や優先順位、基準を定めて維持することを仕事として発揮できるのが、ドラッカーにとってのリーダーシップ。カリスマ性などの人を引き付ける要素も「煽動的資質にすぎない」と強調しています。

2、リーダーシップは責任
また、ドラッカーは「地位や特権ではなく責任とみること」をリーダーシップの要件に挙げています。うまくいかない時も「その失敗を人のせいにしない」。すべての責任を背負う潔さを持つことが、「部下を激励し、前進させ、自らの誇りとする」という理想のリーダーシップにつながるという考え方です。

3、リーダーシップは信頼
ドラッカーは「リーダーに関する唯一の定義」として「『つき従う者』がいるということ」と挙げています。『つき従う者』とは強制されるのではなく、リーダーを信頼して自らの意思で従う人。そして、信頼するということについては「リーダーを好きになることではない。常に同意できることでもない。リーダーのいうことが真意であると確信を持てること」と説明しています。ドラッカーのシンプルな3つの考え方は、多くのビジネスパーソンに支持されているようです。

リーダーシップの理論

論者の数だけ存在する

論者の数だけ存在すると言われるのがリーダーシップの理論。組織の状況に応じて最適なリーダーのあり方は異なるとする「コンセプト理論」や、資質によっての有効性を説いた「条件即応モデル」など、ポピュラーなものもたくさんあります。ここでは日本人が提唱した「PM理論」と、現在活用されることの多い「SL理論」を紹介します。

三隅二不二のPM理論

PM理論は日本の社会学者、三隅二不二(みすみじゅうじ)が提唱したものです。リーダの行動をパフォーマンス(P)とメンテナンス(M)の組み合わせで構成。パフォーマンスは目標設定や計画の立案、部下への適切な指示などによる「目標達成行動」を指し、メンテナンスは組織内の人間関係を良好に保ち、まとまりを維持する「集団維持行動」を表します。アルファベットの大文字、小文字で強さと弱さを表現され組み合わせは4通り。リーダーの行動に関する課題を探る指針として用いられるケースが多いようです。

1、PM
P、Mともに高く維持されている理想の状態です。このリーダーはメンバーに対し目標を明確にしているだけではなく、人間関係にも気を配っていると考えられます。

2、Pm
目標提示や達成への努力には重点を置いていますが、組織内の人間関係にあまり気を配っていないリーダーと言えます。目標をメンバーに意識してもらう機会を増やす努力がいるでしょう。

3、pM
目標よりも集団内の人間関係を重視するリーダー。組織の風通しはよくなりますが、組織として成果を上げる具体的な施策をもっと考える必要がありそうです。

4、pm
パフォーマンス、メンテナンスともに消極的なリーダー。グループ内に存在意義が見出されていない場合が多く組織としても問題。この位置に属するのだけは避けたいところです。

ハーシィとブランチャードによるSL理論

SL理論は米国の行動科学者、ポール・ハーシィと、作家で起業家のケン・ブランチャードが提唱。管理者のリーダーシップとメンバーの成熟度の相関関係をもとにリーダーシップ条件適合論を展開しています。リーダーシップの有効性を示すカテゴリーは4つ。相手によってリーダーシップのスタイルを変化させ、組織の活性化を目指します。

S1;指示型
部下との人間関係の構築よりも、仕事の達成度を優先します。業務を具体的に指示、事細かに監督するタイプは、新入社員などメンバーの成熟度が低い場合に適合するでしょう。

S2;説得型
一方的に指示することはなく、相手を説き伏せ同意を得ながら目標達成を目指します。ある程度の経験を積んだ若手社員に対しては有効なリーダーシップの形でしょう。

S3;参加型
仕事に対する意識よりも、人間関係を重視。意思決定なども部下の意見を参考にする。成熟している中堅社員に対しては適合しやすいでしょう。

S4;委任型
仕事の成果を責任をかねて部下に委ねるタイプ。新入社員や若手に対してなら問題のある姿勢ですが、自立しているベテラン社員には責任感や達成感をもたらす効果も期待できるでしょう。

リーダーがとるべき行動は

アデアによる8つの理論

イギリスのリーダーシップ論の第一人者、ジョン・アデアはリーダーが取るべき具体的な行動を8つ挙げています。リーダーとはなにかではなく、なにをするかに重点が置かれ、シンプルで実用的と幅広い人気がある理論。こちらも参考になるのではないでしょうか。

1、仕事を明確に
チームや個人には仕事の目標をSMARTに示す必要があるとしています。SMARTは具体的=Specific、測定可能=Measurable、達成可能=Achievable、現実的=Realistic、期限付き=Time Constrained、の頭文字です。

2、計画
仕事を計画する時は不測の事態に備えた代替案を用意。そのためにも打ち解けた雰囲気をチーム内につくり、建設的、独創的な方法をともに編み出していくような環境が必要と説いています。

3、説明
仕事にあたるまえに目的や計画を事前に説明。チームに共通の目的意識を持たせて、各メンバーの役割も明確にします。

4、統制
仕事が効率的に進められるように、個々のエネルギーをひとつの方向へ向けるのも大切。メンバーへの効果的な指示や規制ができる能力も必要と説いています。

5、評価
チームの業績や個人を正しく見極めて評価や査定をするように心がけることが大切。成功や失敗に対する改善策を特定する能力も重要としています。

6、動機づけ
リーダー自身が高いモチベーションを持つことが重要。メンバーにも内在的、外在的にモチベーションを維持できるような動機付けをおこなう必要があると説いています。

7、組織化
チームが一貫性を持った組織となるようメンバーを育成。組織の業務や方針転換もフレキシブルに対応できなければならないとしています。

8、模範化
常にメンバーから見られていることを意識。自ら先頭に立って模範を示すのが大切ということです。

リーダーシップとマネジメントは別物

方向性を示すのがリーダーシップ

リーダーシップはマネジメントと混同されがちですが、概念はまったく異なります。マネジメントとは目標の達成に向けての手段の模索や管理が中心となります。対してリーダーシップは目標の達成に向けて自発的に組織のメンバーを導くこと。ビジョンや方向性を示すのがリーダーシップ。現実的な結果を求めるのがマネジメントということになります。

必要とされるタイミングにも違い

リーダーシップとマネジメントは必要とされるタイミングにも違いがあります。リーダーシップは主に新しい事業を始める場合や、組織が停滞している時に最適とされています。とくに組織が機能不全を起こしている場合は、さまざまな障害のある中で改革をおこなわなければならず、従来の体質を壊せるエネルギーも必要。それはリーダーシップの得意とするところです。方向性が定まればその後はマネジメントの出番。現状を正確に把握し、目標の達成や組織の維持へ向け、論理的な行動をおこなっていきます。

求められるリーダーシップを常に模索

組織をまとめるのにリーダーシップは欠かせません。経営者や管理職だけではなく、社員一人ひとりもそれぞれの持ち場で求められるスキルであることを認識するのも重要でしょう。そして時代が急速に変化するなか、理想のリーダーシップも変化していく可能性があります。これまで提唱されてきた定義や理論を参考に、リーダーシップとはなにかを常に模索し続けるのも、組織で指導力や統率力を発揮するエネルギーへつながるかもしれません。

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