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フォロワーシップの発揮でチームの成果を最大化!フォロワーシップの意味や具体的な行動を解説

2023年03月15日更新

企業を取り巻く環境が大きく変化している今、一人のリーダーがリーダーシップを発揮するだけでは変化への対応が難しいという現状があります。そこで注目されているのが、「フォロワーシップ」です。

リーダーや上司をサポートするフォロワーシップがチーム内で発揮されることにより、チームの成果の最大化を望めます。本記事では、フォロワーシップとはなにか、またフォロワーシップを発揮するための方法などについて解説します。

目次 【表示】

フォロワーシップとは

フォロワーシップとは、チームメンバー個人がチームの目的・目標達成のために、積極的に上司やリーダーを支援し、チームのために主張や提言をおこなうことを意味する言葉です。

フォロワーとは、リーダーを主体的・自律的に支援して、チームに貢献するチームメンバーのことを指します。リーダーの指示に沿って業務をおこなうだけでなく、課題に対する当事者意識を持ち、自らリーダーに提言するなど自律的に貢献できる人がフォロワーと定義されています。

フォロワーシップが求められる背景

将来への予測が困難になっているVUCA時代においては、組織・個人ともに柔軟かつ機動的な対応が必要とされています。

そこで重要視されるようになったのがフォロワーシップです。一人のリーダーの存在とリーダーシップだけでは、変化に迅速かつ適切に対応することは難しいでしょう。

また、近年のマネージャー層においては、プレイングマネージャー化が進み、チームのリーダーは自身もプレイヤーとして業務をこなしながら、チームの意思決定や判断もおこなう必要があります。さらに組織がフラット化していることにより、リーダーが管理する業務の幅や対応するチームメンバーの数が増加しており、負担は増す一方です。

フォロワーシップを研究するカーネギーメロン大学のロバート・ケリー教授の著書『The Power of Followership(指導力革命)(1992年)』によると、「チームの成果に対して、リーダーがおよぼす影響は10~20%なのに対し、フォロワーがおよぼす影響は80~90%」にものぼるといいます。

そのため、組織の成果創出においては、チームメンバーがフォロワーとして力を発揮することが重要です。

フォロワーシップの2つの機能と4つのタイプ

フォロワーシップには、2つの機能があり、その発揮度合いによってフォロワーを4つのタイプに分けることができます。まずはフォロワーシップが果たすべき2つの機能について見ていきましょう。

フォロワーシップの2つの機能

フォロワーシップが果たすべき機能には、「上司・リーダーの支援」「主張・提言」の2つがあります。

チームの目標達成のために率先して業務をこなすことに加え、積極的かつ自律的に上司・リーダーの支援をおこなうことは、フォロワーシップに求められている機能の一つです。

それぞれが自分の仕事に責任を持って業務をこなすだけでなく、自ら仕事を見つめ積極的に進めることに加え、上司・リーダーの支援にもつながる周囲への声かけやサポートをおこなうといった主体性がフォロワーには必要です。

もう一つの機能である主張・提言では、チームの目的や方針、あるいは上司やリーダーの行動や考え方に対して、どのようにすればチームがさらによくなるのかを考え、自分の意見を持ち、主張や提言ができる状態であることが求められています。

フォロワーの4つのタイプ

「上司・リーダーの支援」「主張・提言」の2軸の高低によって、フォロワーは「模範状態」「従順状態」「批判状態」「依存状態」の4つのタイプに分けることができます。

模範状態とは、「上司・リーダーの支援」「主張・提言」のどちらも高い状態です。模範状態のフォロワーは上司やリーダーに共感して、メンバー自らがすすんでフォロワーとして行動することを選択している状態を指します。

模範状態にあるフォロワーは、自身で適切に判断し責任をもって仕事に取り組めます。また、上司やリーダー、チームの目標達成に対する貢献意識が高く、チームや業務の改善などについて意見を述べ提案をおこないます。

従順状態とは、「上司・リーダーの支援」が高く、「主張・提言」が低い状態にあります。従順状態のフォロワーは、業務には率先的かつ忠実に取り組み、上司やリーダーが期待する以上の成果を上げられる状態を指します。

従順状態では、協働して成果をあげる意識は強いものの、上司やリーダーに従順であるために自身の意見を述べ提案をおこなうことが少ないのが特徴です。

批判状態とは、「上司・リーダーの支援」が低く、「主張・提言」が高い状態にあります。上司やリーダー、チームに対する協働行動はあまり見られません。批判状態のフォロワーは、業務には責任を持って取り組みながら、上司やリーダーのマネジメントやチームの方針などについて意見を有している状態を指します。

依存状態とは、「上司・リーダーの支援」「主張・提言」のどちらも低い状態にあります。依存状態のフォロワーは、当事者意識が薄く依存的な状態であるため、業務も指示待ちの傾向があります。そのため、依存状態にあるフォロワーからは、率先した協働行動も見られません。

模範状態フォロワーシップの具体的な行動例

これらの4つのタイプのうち、フォロワーシップを適切に発揮して業務に取り組める理想のフォロワーは模範状態のフォロワーです。模範状態フォロワーシップを発揮するための具体的な行動例を紹介します。

1.主体的に業務にあたる
・自らなにをすべきかを考え業務にあたる
・上司やリーダーの意図を汲みとり仕事ができる

2.目的・目標を理解し伝える
・チームの目的・方針・目標を深く理解する
・チームの目的・方針・目標を相手に納得できる言葉で伝え、チーム全体に浸透させる

3.自分自身の意見を述べ、チームに働きかける
・チーム全体に目を向け、課題を把握する
・上司・リーダーに建設的な意見を述べ、提言する
・メンバー一人ひとりの状況を把握する
・他のメンバーに働きかけ、目標達成を促進する

模範状態のフォロワーを増やすためには、チームメンバーの状態をあらためて振り返り、それぞれのメンバーに必要な行動を洗い出します。行動が不足している場合は行動を促し、発言が必要な場合にはコミュニケーションを取りながら発言しやすい環境づくりに取り組みます。

ここで重視したいのが、各メンバーの個性です。それぞれの得意分野を伸ばしながら、チームの成果を最大化できるよう働きかける必要があります。

人事担当者は、現場のリーダーとそのメンバーがこのような状態になるよう、フォロワーシップに関する研修を実施するなどしてフォロワーシップを発揮できる環境づくりに取り組みましょう。

フォロワーシップの発揮で強い組織作りを

組織力・チーム力を向上させ、チームの成果を最大化するためには、各メンバーが上司やリーダーを支援するフォロワーシップを発揮することが重要です。

フォロワーシップを発揮できる組織をつくるためには、メンバーにフォロワーとして期待される役割や行動を認識してもらう必要があります。各メンバーに今の状態が4つのタイプのどれにあてはまるのかを確認・把握してもらい、フォロワーシップを発揮して上司・リーダーを支援してくれるメンバーを増やせる取り組みをおこないましょう。

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