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エンゲージメントとは?意味や注目の背景、高めるポイントを解説

2020年03月11日更新

採用力強化、離職防止、健康経営など、さまざまな効果が期待できることから、近年注目されているエンゲージメント。人事や経営者の方なら一度は耳にしたことがあるでしょう。しかし「詳しい意味はよくわからない」という方も少なくないはず。そこで今回は、エンゲージメントの定義から注目される背景、高めるメリット、エンゲージメント・サーベイの活用までを詳しく解説します。

目次

・エンゲージメントとは
・エンゲージメントと従業員満足度・ロイヤルティ・モチベーションとの違い
・なぜエンゲージメントが注目されているのか
・エンゲージメント強化はなににつながるか
・エンゲージメントを高めるには

エンゲージメントとは

人事領域におけるエンゲージメントとは

エンゲージメント(engagement)とは、一般的に「約束」「雇用(契約)」「婚約」などを意味する言葉。人事領域では従業員が組織に抱く「愛社精神」「愛着心」「思い入れの強さ」といった意味の「従業員エンゲージメント」と、「熱意をもって仕事に取り組める」「仕事から活力を得ている」といった「ワーク・エンゲージメント」という2つの意味で使われています。

本記事では、ワーク・エンゲージメントと比較してより広義に捉えられる、従業員エンゲージメントについてご説明します。

関連:「ワークエンゲージメントについて」/HR Trend Lab

エンゲージメントと従業員満足度・ロイヤルティ・モチベーションとの違い

エンゲージメントと混同されがちな言葉に、従業員満足度やロイヤルティ、モチベーションがあります。これらの言葉にはどのような違いがあるのでしょうか。

従業員満足度とエンゲージメントの違い

従業員満足度(Employee Satisfaction)は、従業員が仕事の内容や報酬、待遇、職場環境、職場の人間関係などに対してどのくらい満足しているかを示しています。従業員満足度が高い状態だとしても、従業員は必ずしも「組織に貢献したい」という気持ちを持っているわけではありません。より条件のよい企業があれば、そちらへ移ってしまう可能性があります。

一方でエンゲージメントが高い職場の場合、従業員は組織に対する思い入れがあるため、「この企業に貢献したい」という気持ちを持って仕事に取り組んでくれます。

ロイヤルティとエンゲージメントの違い

ロイヤルティ(Loyalty)は、「忠誠」や「忠実」を意味する言葉。人事領域で使われる場合には、従業員の会社に対する忠誠心や忠実度を示します。ロイヤルティとエンゲージメントの違いは組織と従業員の関係性から考えるとわかりやすいでしょう。

ロイヤルティは、年功序列や終身雇用などの制度によって組織に従業員がしたがっているという関係性。ロイヤルティが高い状態では「組織の方針に従う」という考え方が従業員の根底にあり、必ずしも従業員個人の想いと組織の想いが合致しないこともあります。

一方でエンゲージメントは、組織と個人(従業員)の立場が同等の関係性。エンゲージメントが高い状態では、従業員個人の想いと組織の想いが一致しています。

モチベーションとエンゲージメントの違い

モチベーション(Motivation)は「動機付け」「目的意識」を意味する言葉。内発的なものと外発的なものがあり、内発的モチベーションは「好きな仕事に取り組めている」「作業に集中しているとおもしろい」といった、本人の気持ちからわき起こるもの。外発的モチベーションは「他の人から評価される」「高い報酬をもらえる」など、外部からの働きかけで生じるものを指します。  モチベーションは個人のなかで醸成されるため、組織との関連性はありません。

一方でエンゲージメントは「組織への貢献」が前提となります。

なぜエンゲージメントが注目されているのか

いま、なぜ日本でエンゲージメントが注目を集めているのでしょうか。

組織と個人の関係性が変化

かつて日本では、終身雇用や年功序列のように「組織が個人を従える」という関係性が一般的でした。しかし近年では、より個人がキャリアを自律的に設計できるようになり、組織と対等な関係を構築するようになっています。これまで当たり前だった方法では、組織と個人の結びつきを維持することが難しくなっているのです。両者を繋ぐための方法として、エンゲージメントが注目されるようになりました。

モチベーションが下がりやすい環境に

現在、日本のGDP成長率はG8最下位(191カ国中147位)。少子高齢化や実質賃金の低下なども影響し、働く人たちが目標や希望を持ちにくい状況になっています。さらに仕事に対する価値観は多様化。ワークライフバランスを重視する人や欲のない「さとり世代」と呼ばれる人たちも増えてきました。

将来への不安が高まり、働く動機が変化していることにより、モチベーションが下がりやすい環境になったことで、モチベーションプロセスのひとつであるエンゲージメントが注目を集めています。

従来的なマネジメントスタイルにも限界が

雇用形態や個々の価値観が多様化したことで、モチベーションの源泉も人それぞれに多様化しています。その結果、画一性や凝集性を重んじる従来のマネジメントスタイルでは、多様な個人をまとめることが難しくなってきています。さまざまな価値観を持ったメンバーがイキイキと働ける職場環境をつくるために、エンゲージメントが注目されているのです。

エンゲージメント強化はなににつながるか

エンゲージメントを高めるメリット

エンゲージメントを高めることによって、退職による人材流失の抑制や社員のパフォーマンス改善などが期待されます。人材流失を抑えることが出来れば、組織のスキルレベルを保つことができ業務の安定的な遂行が期待できます。社員のパフォーマンス改善はアウトプットの質・量や顧客満足度の向上にも結びつき、業績の向上にもつながるのです。

関連:「なぜエンゲージメントの強化が組織パフォーマンスの向上に繋がるのか」/HR Trend Lab

エンゲージメントが高い職場とは

ではエンゲージメントが高い職場には、どんな特徴があるのでしょうか。

・自分たちの目標やあるべき姿をトップから現場のマネージャー・メンバーまで共感できている。
・自社の価値観(文化や理念、ビジョンなど)をすべての社員が理解し、大切にしている。
(トップダウンの考え方は下まで浸透させ、ボトムアップの意見をきちんと吸い上げる)
・マネジャーとメンバー、メンバーとメンバー間で「対話」がきちんとされている。
・対面・ワークスペースなどで口頭・文面問わず、社内のコミュニケーションが大切にされている。
・会社も従業員も、メンバー1人ひとりの成長を大切にしている。
・実施した施策に対するふり返りを精緻に行っている。

以下、エンゲージメントが高い職場の実例をご紹介します。

■freee株式会社
2019年版日本における「働きがいのある会社」の中規模部門で4位にランクイン。同社は自分たちが大切にすべき行動指針を策定し、その内容に沿った意思決定を行っています。「あえて共有する」という行動指針を例にご説明しましょう。

freeeでは業務連絡のみならず、チームの課題や個人の考えなども社内SNSで共有し合う文化を根付かせることで、社員同士のコミュニケーションが活発に。経験を共有し合うことが社員同士の成長にもつながり、エンゲージメント向上につながっているようです。

関連:「仕事への意欲、人生の楽しさにも 活きる「エンゲージメント」」/HR Trend Lab

関連:「働きがいのある会社のカルチャーはどのように醸成されたのか?」/HR Trend Lab

エンゲージメントを高めるには

エンゲージメントを高めるにはサーベイの活用が効果的

従業員のエンゲージメントを高めるには、エンゲージメント・サーベイの活用が効果的。エンゲージメント・サーベイを活用すれば、従業員が組織や業務に対してどう感じているのか調査できます。従業員の「本音」を知ることで、適切な改善策を講じることができるでしょう。

関連:「エンゲージメント・サーベイとは?」/HR Trend Lab

エンゲージメント・サーベイの選び方

適切な調査をおこなうためには、事前準備・適切なサーベイの選定が欠かせません。自社の目的を達成するためにも、まずは「なぜエンゲージメント・サーベイを実施するのか」や「実施した後にどのような状態になっていたいか」といった要素を事前に決め、その内容に沿ったサーベイを選択するといいでしょう。

関連:「エンゲージメントサーベイの選択眼を養う」/HR Trend Lab

サーベイの活用には実施後のアクションが大切

せっかくエンゲージメント・サーベイを実施しても、調査して終わりでは意味がありません。きちんと分析を行い、分析結果に基づいた施策を実行していくことが大切。その後も、再度サーベイを実施して効果測定を行い、PDCAを回していきましょう。結果的に、組織改善・当初の目的達成につながるはずです。

組織の状態を把握するエンゲージメント・サーベイ
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