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管理職に必要な能力7選!能力を伸ばすために必要なことも解説

2025年03月12日更新

資料を広げて会議をする様子
部下の管理や業務の進捗管理、予算管理など、管理職に求められる業務・役割は多岐にわたります。そのため、必然的に管理職には多様な能力が求められます。では、具体的にどのような能力が必要なのでしょうか。今回は管理職に必要な7つの能力および能力を伸ばすために必要なことについて解説します。

管理職とは

管理職とは、役職や役割に応じて多様な決裁権を持ち、組織の目標達成のために業務を管理する役職のことです。あわせて、部門やチームに在籍する部下の指導・管理もおこないます。なお、管理職の肩書きは企業によって異なり、一般的には係長や主任、リーダー、課長、部長、マネージャーなどが該当します。

管理職の仕事と果たすべき役割

先述した通り、主な管理職の仕事は業務管理および部下の指導・管理です。また管理職の主な役割は以下の通りです。

【管理職の主な役割】

    ・一般社員に企業理念やビジョン、戦略を浸透させる
    ・部門内での目標を設定する
    ・業務の進捗状況を管理する
    ・部門やチームが抱えるさまざまな課題を解決する
    ・部下の育成およびチームビルディングをおこなう

このように管理職の役割は多様であり、自社や業務に対する深い理解が求められます。

管理職に必要な7つの能力

スキル
先述した通り、管理職の役割は多様です。それに従い、管理職に求められる能力も多岐にわたります。ここでは管理職に必要な能力を7つ解説します。

ヒューマンスキル

ヒューマンスキルとは、ビジネスマナーやコミュニケーション能力など、その人が身につけている仕事をする上で土台となる能力を指します。とくに相手から本音を引き出したり、取引先・関係部署と良好な関係を構築したりする際に機能します。

また同スキルは、管理職の文脈では「部下や上層部に自分の考えを正確に伝える力」「社内外のさまざまなステークホルダーの考えを理解する力」などと言い換えられます。

管理職の文脈においては、社内では上層部や部下、社外では取引先など、利害関係の異なるさまざまなステークホルダーとコミュニケーションを図り、落とし所を探って合意形成をとる必要があるため、とくに同スキルが強く求められる役職といえるでしょう。

テクニカルスキル

テクニカルスキルとは、業務知識や業務関連技術など、仕事の方向性を決定する能力のこと。求められるテクニカルスキルは部門や職種によって異なりますが、管理職については、部下を適切に評価するための知識やチーム内の効率的なリソース配分、目標管理に関する知識などがテクニカルスキルに該当します。

管理職としてより高度な業務にあたる際には、業務レベルの高さに比例して要求されるテクニカルスキルも高度なものになります。

コンセプチュアルスキル

コンセプチュアルスキルとは、複雑な物事の大枠を理解し、本質をとらえる能力を指します。現在は「VUCA時代」と呼ばれる変化の激しい時代と言われ、組織や業界・世界情勢の動向を正確に理解し、判断を下す必要があります。

同スキルはたとえば、市場変化への対応や組織が抱える課題の根本的な解決、部門およびチーム単位でのミッション策定など、重要な意思決定が必要な際に、組織やチームを牽引する立場である管理職にはとくに強く求められる能力になります。

インテグリティ

インテグリティとは、日本語で「誠実」「真摯」「高潔」などと訳され、具体的には高い倫理観を持ったうえで自身の信念や価値観にもとづき、自信を持って行動することを指します。

同能力は、主に欧米企業において管理職や経営層に必要な素質とされており、経営方針や行動規範の1つとして取り上げる企業も数多くあります。なぜなら管理職には組織的な視点を持った行動が求められ、そのためには法令遵守や企業倫理の実践、社会的責任の全う(まっとう)など、誠実・真摯といったインテグリティの概念に含まれる要素を満たす必要があるためです。

そのほか、インテグリティを持った管理職が倫理的指針を示したうえで公平な指導をすることで、部下のモチベーションや生産性向上にも寄与することでしょう。

部下育成力

管理職にとっての部下育成力とは、部下の能力を引き出して成長を促しつつ、組織に貢献できるようサポートする能力を指します。部下育成力と一言でいっても、部下の性格や能力を正確に見抜く力やモチベーションを向上させる力、適切に目標を設定する力など、多様な要素で構成されます。それら個々の力を磨くことが同能力の向上につながるでしょう。

また同能力の向上のためには、まずは自身の能力を見える化して、磨くべき能力を把握することから始めてみるのも有効です。部下育成力を高める取り組みをしつつ、部下の考え・能力を理解するための「傾聴」や、業務結果ではなく業務プロセスに対するフィードバックをおこなう「プロセスフィードバック」などを実施して、“管理職自身の部下育成力”および“部下の成長の促進”を両立させましょう。

マネジメント能力

マネジメント能力とは、組織が目標を達成するために、人材や予算、時間などの各種リソースを有効に管理・運営する能力のこと。日本語では「管理能力」と訳されます。管理職に求められるマネジメント能力はさまざまですが、中でも重要なのが「業務マネジメント」および「リスクマネジメント」に関する能力です。

    業務マネジメント:「PDCAサイクルの実行」と「進捗管理」により、組織の目標達成を後押しすること
    リスクマネジメント:リスク(目標達成を阻害する物事が発生する可能性)を予測し、損失の回避・軽減のために最適な対策を講じること

上記2つに関する能力含め、高いマネジメント能力を持つ管理職がいる組織では、組織のパフォーマンスや部下のモチベーションが高い傾向にあります。そのため、生産性の高い組織をつくるうえでマネジメント能力は非常に重要な能力といえるでしょう。

リーダーシップ

リーダーシップとは、一般的には組織の中で目標を定め、組織を維持しながら成果を出す能力を指します。ただ、リーダーシップと一言でいってもさまざまなスタイルがあります。

【リーダーシップのスタイル】

    ビジョン型リーダーシップ:ビジョンを掲げ、そのビジョンを実現するためにメンバーを巻き込みながら物事に取り組むスタイル
    コーチ型リーダーシップ:管理者がメンバーとの1対1の関係を重視し、コーチングをしながら進めていくスタイル
    関係重視型リーダーシップ:メンバー同士の関係性や感情に配慮するスタイル
    民主型リーダーシップ:メンバーから意見・提案を広く集め、合意形成を図りながら仕事を進めていくスタイル
    ペースセッター型リーダーシップ:管理職自身の優れた実務能力によって組織を引っ張り、優れたパフォーマンスを発揮するスタイル
    強制型リーダーシップ:上司から部下に対し強い指示・命令を出す、トップダウン型スタイル

管理職が自身や部下の性格・能力、事業環境などに応じて上記のスタイルを使い分けられれば、組織の目標達成・成果創出に大きく近づけるでしょう。

管理職に必要な能力を伸ばすためには

腕を組んで考えている様子
管理職は「部下とのコミュニケーションがうまくいかない」「組織のマネジメントができない」など、さまざまな課題を解決する度に管理職としての能力を伸ばせます。では、課題を解決するためにはどのような取り組みが有効なのでしょうか。その1つの答えが「管理職教育」です。具体的な教育手法には「研修」や「ブレンディッドラーニング」が挙げられます。

前者の「研修」について、管理職向けの研修内容は非常に多彩です。たとえば、チームとして成果を出すために必要な基礎スキルを学ぶ研修や、ケーススタディを通してリーダーシップや判断力・決断力などのスキルを学ぶ研修などがあります。

また後者の「ブレンディッドラーニング」とは、集合研修やeラーニングなど複数の学習手法を組み合わせた学習手法です。たとえば、管理職研修と業務マネジメントスキルや、リスクマネジメントスキルなどが学べるeラーニングとを組み合わせることで、単発の研修より高い学習効果が期待できます。

このような教育手法をうまく活用することで、管理職は管理職としての能力を加速度的に伸ばせるでしょう。なお、実施している教育が本当に有効に機能しているのか、教育体系の見直し・更新は定期的におこなう必要があります。

管理職の能力を伸ばす取り組みに着手しよう

パソコンをもつビジネスマンの様子
決裁権を持ち、組織の目標達成のために業務を管理する管理職には、「ヒューマンスキル」や「テクニカルスキル」など、さまざまな能力が求められます。いずれの能力も一朝一夕で培えるものではなく、管理職は研修やブレンディッドラーニングで教育を受けつつ、一つ一つの課題を乗り越えて身につけなければなりません。

管理職の能力が向上すれば組織ひいては企業の生産性向上にもつながります。本記事で紹介したポイントを踏まえ、管理職の能力向上に向けた取り組みを進めてみてはいかがでしょうか。

著者プロフィールHR Trend Lab編集部
タレントマネジメントやエンゲージメントなどの最新トレンドから、組織や人事にまつわる基本知識までマイナビ独自の視点でお届けいたします。
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