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中堅社員が抱える4つの課題!人事・管理職が知るべき育成のポイント

2026年02月10日更新

ビジネスパーソン

組織の中核を担う中堅社員は、プレイヤーとして成果を出しながら、後輩の育成や上司の補佐といった幅広い役割を求められる存在です。

しかし、期待される役割が増える一方で、キャリアの不透明さやスキル不足、板挟みのストレスなど、さまざまな課題に直面しているケースは少なくありません。

本記事では、中堅社員が直面する4つの課題と、その背景にある構造的な要因を解説します。さらに、人事や管理職が実践できる具体的な支援策を紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

目次 【表示】

今、中堅社員育成に注力すべき理由

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中堅社員の定義は企業によって異なりますが、一般的に入社3~10年目程度の社員を指すことが多く、現場の第一線で活躍しながら後輩の育成や上司のサポートを担う層です。まだ管理職には就いていないものの、将来管理職になることを期待されている次期管理職候補としても位置づけられます。

しかし、この期待に応えられず成長が停滞する中堅社員も少なくありません。組織の活力を維持・向上させるためにも、中堅社員が直面する課題を正しく理解し、計画的な育成をおこなうことが不可欠です。

中堅社員に期待される「3つの役割」

ビジネスパーソン

中堅社員は、部署の中心的な存在として、組織を支える重要なポジションです。

ここでは、中堅社員に期待される3つの主要な役割を解説します。

役割1:上司の補佐と現場の課題解決

管理職である上司の右腕として、現場の具体的な課題を発見し、主体的に解決策を実行していく役割です。上司が示すビジョンを若手社員に伝え、適切にリードしながら、チームを牽引します。

そのため、組織や部署の目的・目標をきちんと理解したうえで、主体性を持って行動することが求められます。ときには上司に対して適切な助言をおこなう必要もあるでしょう。

上司の立場で考え行動に移すことは、マネジメントを担うための訓練となり、将来、管理職になったときの土台となります。

役割2:後輩の支援と自律的な成長の促進

自身の経験やスキル、仕事の進め方を後輩や若手社員に伝える役割も求められます。

中堅社員による後輩の支援は、実際に業務を手伝ったり、代行したりすることだけではありません。最終的に、若手社員が自律的、能動的に業務を遂行できるようになるためにサポートすることが大切です。

役割3:チーム成果の牽引

プレイヤーとしての高いパフォーマンスを維持するだけでなく、チーム全体の成果を最大化することも大切です。中堅社員は、業務遂行の要となる存在であり、経験を積むなかで大規模なプロジェクトや複雑な業務を任されることもあるでしょう。

与えられた業務をこなすことに精一杯な若手時代とは異なり、主体的に業務を推進し、目標達成に向けて、より積極的に取り組む必要があります。個人の目標達成にとどまらず、周囲のメンバーを巻き込み、チームとして目標を達成する牽引力(リーダーシップ)が求められます。

中堅社員が直面する4つの課題

新人、中堅、ベテランのステップイメージ画像

中堅社員には上記のような重要な役割が期待される一方で、実際にはさまざまな課題に直面します。

ここでは、中堅社員が職場で直面する主な課題を4つに分類して解説します。

成長実感の喪失とキャリアの不透明さ

業務には習熟したものの、日々の仕事がルーティン化し、新たな挑戦や成長の実感を得にくくなる状態です。

同時に、自身の数年後のキャリアが見えにくくなることで、「この会社で成長し続けられるのか」という不安を抱えることもあります。キャリアが不明瞭なまま日々の業務をこなすだけでは、モチベーションの低下や離職のきっかけにつながってしまいます。

役割の曖昧さと当事者意識の低下

プレイヤーとしての高い成果を求められつつ、後輩指導やチーム運営といった役割も増え、業務過多に陥る状態です。

さまざまな課題に直面し続けるうちに、「会社が環境を整えてくれない」といった受け身の姿勢が強まり、当事者意識が低下する状態に陥ることもあります。そうなれば、組織の中核を担うべき存在としての機能が果たせなくなってしまいます。

スキル不足と学び直しの困難

次のステップに進むために必要なスキルの不足に直面しやすい状態です。

管理職を目指すのであればマネジメントの基礎知識やリーダーシップ、専門分野のプロフェッショナルを目指すのであれば高度な専門スキルなど、それぞれのキャリアパスに応じた能力の習得が求められます。

しかし、新しいスキルを学ぶ必要性を感じつつも、日々の業務に追われて学び直しの時間を確保できないジレンマを抱える方は少なくありません。次のステップに進むために必要な能力開発ができなければ、キャリアアップの道筋が描けず、成長が停滞してしまいます。

上司と若手の板挟み

管理職である上司と、若手・後輩社員との中間に立ち、双方の調整役としてストレスを抱える状態です。上司の意向を現場に浸透させ、同時に若手の意見を吸い上げるという「板挟み」の立場になるケースはよく見られます。

世代間のコミュニケーションギャップや、価値観の違いを調整する役割を担うことは、中堅社員にとって大きな心理的負担となることがあります。

なぜ中堅社員の課題は発生するのか?

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中堅社員が直面する課題は、個人の能力や意欲の問題だけではなく、企業の構造的な要因から生じることもあります。

具体的には、キャリアパスが不明瞭であったり、組織の期待する役割が曖昧なまま業務を任せていたりすることが、中堅社員の不安や不満を生み出す背景となっています。

これらの課題を放置すれば、組織の中核を担うべき人材の流出や、組織全体の生産性低下につながりかねません。

中堅社員だけに課題解決を委ねるのではなく、管理職や人事が対話を通じて支援する姿勢が重要です。組織全体で中堅社員の成長を支える体制を整えることが、持続的な組織力の向上につながります。

人事・管理職向け!中堅社員の課題を解決する具体的な施策

対策イメージ画像

中堅社員の課題を解決するには、組織全体で支援する体制が不可欠です。ここでは、先に紹介した4つの課題に対応した具体的な施策を解説します。

【中堅社員の課題を解決する施策】

  • ・期待される役割を明確にし、当事者意識を高める
  • ・自己理解を促し、主体的なキャリア形成を支援する
  • ・管理職候補に必要なスキルを習得する機会を提供する
  • ・役職間コミュニケーションを促進し、調整役の負担を減らす

期待される役割を明確にし、当事者意識を高める

成果・業績をけん引する存在であることは前提ですが、中堅社員には上司の補佐・周囲の巻き込み・後輩指導といった役割が求められます。そのため、自身の仕事に対して好業績を出すことだけが役割ではないことを、本人が理解できるよう支援することが大切です。

管理職は、中堅社員に対して「プレイヤーとしての成果」と「チームへの貢献」の両面が期待されていることを明確に伝え、具体的な行動例を示しながら伴走する必要があります。

また、中堅社員向けの研修を実施し、組織における自身の役割を認識してもらうことも重要です。一般的に中堅社員層は研修が希薄になりがちですが、計画的な育成を通じて、期待される役割を果たせるようサポートすることが大切です。

さらに、プロジェクトリーダーの任命など、新しい挑戦の機会も意図的に提供しましょう。業務の全体像を把握し、ステークホルダーを巻き込みながら計画的にプロジェクトを進める経験を通じて、自分自身で業務をコントロールする力が養われ、当事者意識の向上につながります。

自己理解を促し、主体的なキャリア形成を支援する

中堅社員がキャリアや将来を描くためには、まず本人が自分自身を客観視(メタ認知)することが重要です。現時点の自分の状態を客観的に把握できなければ、漠然とした不安から脱却できず、今後の方針や方向性も定まりません。

そのため、これまでのキャリアや経験を振り返り、自身の強みや価値観を見つめ直す「リフレクション」の機会を提供します。自己認識を深めることで、今後のキャリアを主体的に考える(キャリアオーナーシップ)土台を築けます。

また、管理職が中堅社員と定期的に1on1を実施し、キャリアの悩みや将来の展望に真摯に耳を傾けることも重要です。1on1では、単なる業務進捗の確認にとどまらず、「3年後、5年後にどうなりたいか」「今の仕事でなににやりがいを感じているか」といった本質的な問いかけを意識するとよいでしょう。対話を通じて本人の価値観や強みを再確認し、主体的なキャリア形成を支援します。

管理職候補に必要なスキルを習得する機会を提供する

管理職に必要なスキルを習得する前に、論理的思考力やコミュニケーションスキルといった、基本的なビジネススキルがしっかり身についているかを再確認することが重要です。これらの土台が不十分な場合は、研修やワークショップを通じて補強しましょう。

基本的なスキルの土台が整ったうえで、問題解決、コーチング、ファシリテーションといった管理職に必要なスキルの習得を進めます。

ただし、スキルを学ぶだけでは不十分です。実際の業務で発揮できなければ意味がないため、スキルを活かせる実践の場を意図的に用意する必要があります。小規模なプロジェクトのリーダーを任せたり、後輩の育成を担当させたりするなど、管理職になる前の段階から実践経験を積ませることで、スキルの定着と自信の向上を促せます。

組織間コミュニケーションを促進し、調整役の負担を減らす

チーム内で板挟みになりやすい中堅社員に対しては、組織全体で組織間のコミュニケーションを促進する取り組みが必要です。

たとえば、チームビルディングを通じて心理的安全性を高めることが重要です。定期的なチームミーティングの場で、上司・中堅社員・若手が率直に意見交換できる機会を設けましょう。立場に関係なく意見を言いやすい環境を整えることで、中堅社員が調整役として動きやすくなり、板挟みによる精神的負担も軽減されます。

また、管理職自身が、部下との対話スキルを向上させることも欠かせません。一方的な指示ではなく、傾聴や対話を通じて、中堅社員が安心して相談できる関係性を築くことが大切です。

中堅社員の課題は放置せず、成長に変えていくことが大切

ビジネスパーソン

中堅社員が抱える課題は、個人の問題ではなく、組織の持続的成長に関わる重要な経営課題です。放置すれば、組織の活力は失われ、優秀な人材の流出にもつながりかねません。

一方で、課題に適切に向き合い、支援体制を整えることができれば、中堅社員は組織の中核としてさらに大きく成長します。人事や管理職は、中堅社員との対話を通じて、彼らが抱える悩みや不安を理解し、具体的な支援策を講じることが求められます。

企業と中堅社員が一体となって課題に向き合い、持続的な組織力向上を図りましょう。

著者プロフィールHR Trend Lab編集部
タレントマネジメントやエンゲージメントなどの最新トレンドから、組織や人事にまつわる基本知識までマイナビ独自の視点でお届けいたします。
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