HR Trend Lab
HR Trend Lab

企業の人材育成に役立つコーチングとは?手法と注意点を解説

2020年11月11日更新

人材開発にはさまざまな手法がありますが、従業員のスキルや能力、立場によって最適な手法は異なります。たとえば、従業員に対して実践的な課題解決力を身につけさせたい場合には、「コーチング」とよばれる方法が有効です。今回の記事では、コーチングとはどのようなものなのか、効果的なコーチングを実践するために覚えておきたいポイントを解説します。

目次

コーチングとは?

コーチングとはどのような人材育成方法なのでしょうか? 「ティーチング」との違いや、コーチングを導入するメリットについても解説します。

トレーニングの対象者の目標達成を手助けする役割

コーチングとは、トレーナーとトレーニーの1対1のコミュニケーションにおいて、主体的に目標達成できるよう支援する人材育成方法です。コーチングをおこなう指導者のことを「トレーナー」、コーチングを受ける当事者のことを「トレーニー」と呼びます。

あくまでも目標達成のために問題解決をするのはトレーニーであり、コーチングをおこなうトレーナーは、質問や提案などを行いながらトレーニーに考えさせ、答えを導き出すことが重要です。

ティーチングとの違い

コーチングと混同されやすい人材育成の手法として「ティーチング」があります。ティーチングとは、知識やノウハウを教えたり、具体的な手順を指示したりするものであり、課題解決方法を引き出すためにサポートに徹するコーチングとは異なります。

実務経験がない新入社員に対して、はじめに業務の手順や業界知識などを習得させる必要がある場合などには、ティーチングが効果的です。

コーチングをおこなうメリット

コーチングをおこなうことにより、従業員自身が問題を解決する能力を引き出し、パフォーマンスを高めることができます。

たとえば、業務のなかで複雑な問題に直面したとき、それを解決するためには従業員自身が主体となって考え、対応する力が求められます。定型的な知識を身につけるばかりではなく、課題をどのように解決するのか、その思考プロセスを身につけるためにはコーチングが適しています。

また、複雑な問題を解決できる力が身につくと、より責任のある仕事を任せられるようになり、人材価値も向上します。その結果、従業員のモチベーションアップにもつながり、人材が定着しやすくなるというメリットもあります。

コーチングスキルを身につけるには?

人材育成にコーチングを取り入れる場合、指導する立場であるトレーナーの育成も重要なポイントです。コーチングに必要なスキルについて解説するとともに、スキルを身につける方法も紹介します。

コーチングに必要なスキルとは

コーチングをおこなうためには「傾聴」「質問」「承認」の3つの要素が不可欠です。
・傾聴
「傾聴」とはトレーニーの話に耳を傾け、聞き役に徹することです。これによってトレーニーが話しやすい雰囲気が醸成され、お互いのコミュニケーションが取りやすくなります。

・質問
傾聴によってトレーニーの考えていることが分かったら、問題を解決に導くための「質問」を行います。トレーニーのレベルに合わせて、回答できそうな範囲の質問をすることが大切です。また質問の仕方は、トレーニーを責めるような言い方にならないよう注意が必要です。

・承認
業務を遂行できた場合や、問題の解決に至ったときには「承認」をすることでトレーニーの自信につながっていきます。

従業員にコーチングスキルを身につけてもらうには

コーチングをおこなうために必須の資格はなく、前述したスキルや資質があれば誰でもコーチングは可能です。ただし、コーチングの経験がない従業員に対しては、専門的なトレーニングや認定資格を取得してもらうことも一つの方法です。

また管理職や中堅社員など、社内でコーチングを担う人材に対して、外部からプロのコーチを招いてノウハウを学ばせることも有効です。実践的なコーチングを学ぶことによって、より短期間でコーチングスキルが身につきます。

さらに、受験料の支援や資格手当といった制度を設けることで、従業員全体のコーチングスキルを底上げすることにもつながり、人材価値が高まります。

コーチングを実施するうえでの注意点

コーチングは従業員の能力を引き出すために有効な人材育成手法ですが、一方で注意点もあります。コーチングを実施するうえでどのような注意点があるのか解説します。

答えを導き出すのに時間がかかる

コーチングはトレーニーの自発的な気付きやひらめきをサポートする手法であり、直接的に答えを提示する指導方法ではありません。そのため、問題解決に至るまでには根気強いサポートが必要であり、人材育成には時間を要します。

トレーナーである上司や中堅社員には、コーチングをおこなう意味をしっかりと理解してもらう必要があるでしょう。また、トレーニーに対して十分なサポートができるよう、周囲の人間も協力する体制が求められます。

マネジメントが複雑化する

ティーチングのように定形的な知識やスキルを教える場合はトレーニーの習熟度を評価しやすいですが、コーチングでは問題解決のプロセスや仕組みを教えることになるため、評価基準も曖昧になりやすいです。コーチングを実施する前に、どのような方法で評価をするのか検討しておかなければなりません。

たとえば、コーチングの際にアドバイスした改善策を次回に繋げられているか、同じ内容の指摘を何度も受けていないか、といった基準で評価をするのもひとつの方法です。

効率的なコーチングを実現するポイント

コーチングは人材育成のために有効な手法の一つではありますが、あらゆるケースに適しているとは限りません。人材育成にコーチングを役立てるために重要なポイントを解説します。

ティーチングとの併用

コーチングをおこなううえでもっとも重要なのは、トレーニーのレベルや業務の習熟度合いに合わせて、ティーチングとコーチングを併用していくことです。

コーチングは、課題の解決方法を中心とした応用的な内容の実践のため、基礎的な知識やスキルが身についていることが大前提となります。そのため、基礎知識のない新入社員や業務未経験の従業員の場合、コーチングは適さないケースもあるのです。

基礎知識はティーチングで身につけてもらい、応用的、実践的な課題解決が求められる場面においてはコーチングが適しているといえるでしょう。

コーチングに求められる姿勢とは?

コーチングの最大の目的は、トレーニーの能力を引き出しサポートすることです。トレーニーがどのような考えにもとづいて課題解決を図ろうとしているのか、とにかく話を聞くことが第一歩といえるでしょう。

トレーナーが高圧的な態度で接したり、相手を否定し続けるような態度で接したりしてしまうと、トレーニーは萎縮してしまい、コーチングの効果が期待できないでしょう。正解に導くために、トレーニーに対してヒントとなるような質問を投げかけると効果が期待できます。

また言葉だけではなく、行動を観察することも重要なポイント。良いところは褒めつつ、改善すべき点があれば論理的に説明をするようにしましょう。

まとめ

コーチングは直接的に答えを教えるティーチングとは異なり、あくまでも本人が課題解決できるようにサポートに徹することが基本です。人材開発においては従業員の成長レベルに合わせ、ティーチングとコーチングを適切に使い分けていきましょう。

また、コーチングをおこなう側である管理職や中堅社員に対しても、適切なコーチングができるよう、コーチングスキルを身につけられるような機会を設けることが大切です。

キーワードで探す
関連バナー
  • クレクタ
  • マイナビ エンゲージメント・リサーチ
  • 社会人基礎力診断
  • ムビケーション
→
←