HR Trend Lab

MENU

HR Trend Lab

チームビルディングとは?企業が取り入れる目的や手法、フレームワークも紹介

2023年02月17日更新

事業やプロジェクトに取り組むにあたって、チームを編成し、さまざまな役割を分担、協力しながら進めるケースは多いものです。チームとして成果をあげるためには、メンバーが強みを発揮しながらお互いをフォローし合えることが理想的といえます。

このようなチームを作り上げるために重要なのが「チームビルディング」です。本記事では、チームビルディングとはなにか、目的や具体的な手法の一例、チームビルディングに役立つフレームワークも解説します。

目次 【表示】

チームビルディングとは

チームビルディング(team building)とは、日本語に訳すと「チームを作る・構築すること」という意味を指します。

企業や組織のなかには多様な人材がおり、社員一人ひとりがもっているスキルや経験も異なります。組織として目標を達成するためには、社員それぞれが強みを発揮しつつ、社員同士で連携しながら互いに助けあっていくことが重要です。

すなわち、チームビルディングとは、ただ社員を配置しチームをつくることではありません。チームを構成するメンバー一人ひとりがもっているスキルや積み重ねてきた経験を発揮できるような環境を整え、組織の目標を達成できるチームを作るための取り組みを指します。

チームビルディングの具体的な方法としては、チームワークを高めるためのゲームや、メンバーとのコミュニケーションを活性化させるためのアクティビティ、ワークショップなどが挙げられます。

チームビルディングを行う目的

研修のなかにチームビルディングを取り入れる企業は珍しくありませんが、それはなぜなのでしょうか。企業がチームビルディングを行う目的について解説します。

適材適所を実現するため

チームのなかではリーダーがメンバー一人ひとりの能力を加味して仕事を割り振ることも多いものです。しかし、初対面のメンバーが多かったり、相手のことを深く知らなかったりすると、誰がどの業務に適しているのかわからないこともあります。

そこで、新規プロジェクト立ち上げなどのタイミングで、業務内容に応じて最適なメンバーをアサインするためにチームビルディングをおこなうことがあります。

マインドセットの形成を促すため

チームとして共通の目的を達成するためには、メンバー一人ひとりが強い目標達成意識をもち、マインドセットを形成することが重要となります。

たとえば、新年度のスタートやキックオフミーティングなどの際に、全員がチームとしての目標を正しく理解し、それに向かって前向きに取り組む意識を醸成するために、チームビルディングがおこなわれることもあります。

チームとしてのパフォーマンスを向上させるため

チームで仕事をする際には、メンバー一人ひとりの強みや特性を考慮して役割を明確化するケースも多いです。しかし、チーム内でのコミュニケーションが不足していると、誰がどのような役割・業務を担っているのかメンバー間で把握できていないこともあります。

そこで、チームビルディングを通してメンバー同士のコミュニケーションを活性化することで、お互いの役割や業務について理解できるようになるでしょう。また、誰かが業務のなかで困っていれば助け合えるような関係性も構築され、チームとしてのパフォーマンス向上につながることが期待できます。

ビジョンを共有・浸透させるため

チームとして目指すビジョンや戦略を全体に共有、浸透させることもチームビルディングの目的の1つです。

たとえば、新たなプロジェクトの立ち上げの際などにチームビルディングをおこない、そこでチームのビジョンや戦略を共有しましょう。そうすることで、チーム全体でビジョンの共通理解ができ、一体感が生まれることが期待できます。

チームビルディングをおこなうメリット

チームビルディングをおこなうことで、企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。

社内コミュニケーションの活性化

チームビルディングは研修やミーティング、社内交流イベントなど、さまざまな場面で実施できます。

通常の業務では同じ部署やチーム内のメンバー同士でのコミュニケーションが中心になりがちです。そこで、さまざまな部署の社員が参加する研修や社内交流イベントなどにチームビルディングを取り入れることで、普段関わらない社員同士もコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。

その結果、部門横断的に社内コミュニケーションが活性化され、業務上の連携もしやすくなるメリットが期待できます。

モチベーションの向上

チームビルディングをおこなう目的の1つである適材適所を実現することで、メンバーは自分の強みや特性を発揮できるため、仕事に対するモチベーションが向上し、やりがいも感じるようになります。

また、チーム内で成果を挙げているメンバーから刺激をもらったり、自分の働きぶりが評価され他のメンバーから認められたりすることで、さらにチームに貢献したいといった意欲も出てくるでしょう。

新たなアイデアの創出

課題の解決に向けて新たな方法を考えなければならないとき、一人で考えても良いアイデアが浮かんでこないこともあります。

チームビルディングでさまざまなメンバーと積極的にコミュニケーションが図れるようになると、これまで知らなかった知識や新たな知見などを得られることもあるでしょう。

自分自身の知識や経験と、新たに得られた他者の知見をかけ合わせることで、それまでは思い浮かばなかった斬新なアイデアが生まれたり、発想の転換ができたりすることも期待できます。

チームビルディングの手法

チームビルディングに役立つ代表的な手法を4つ紹介します。

ゲーム

チームビルディングにおけるゲームにはメンバー同士の親睦を深める目的があります。

たとえば、身振り手振りのみで情報を伝え合うジェスチャーゲームや、お互いに質問をして理解を深める質問ゲームなどは、メンバー全員が気軽に楽しめるため、緊張をほぐすのにも有効な手法です。

また、ゲームはメンバー同士の親睦を深める目的以外にも、グループ内で役割の分担や時間の配分も考慮しなければならず、戦略的な思考を養う意味でもメリットがあります。

アクティビティ

スポーツやダンスといった体を動かすアクティビティは、メンバー同士のコミュニケーションを活性化すると同時にチームワークの醸成にも有効な手法です。

高い成果をあげるために、チームで団結して物事に取り組まなければならない場合などにおいて役立つ手法といえます。

イベント

社員旅行や親睦会といったイベントは、メンバーのプライベートな一面を知るために有効な手法です。

仕事以外の場面で見せる顔を知ることで、お互いのことをより深く理解でき、チームの連帯を図れるようになります。

ワークショップ

参加者が主体となっておこなう体験型講座であるワークショップは、メンバーに主体性をもってもらうために有効な手法です。

自分の考えをチームのメンバーと共有し、議論を重ね、さまざまな方法を試しながら目標の達成に向けて協力して行動することで、各メンバーの主体性が育まれます。

その結果、業務においても主体性を発揮し、メンバー同士で意見を出し合うことや積極的な業務への取り組みが期待でき、チームとしてのパフォーマンス向上にもつながるでしょう。

チームビルディングに用いられるフレームワーク「タックマンモデル」

チームビルディングでは、タックマンモデルとよばれるフレームワークがたびたび用いられます。

タックマンモデルは心理学者のブルース・W・タックマンが1965年に提唱し、組織の形成から散会までの一連の流れを5つの状態に分けて示したものです。これを活用することで、チームの状態に合わせて適切なチームビルディングの手法を取り入れることが期待できます。

1.形成期

形成期とは、メンバーがアサインされ、新たなチームが形成された状態を指します。

初対面のメンバーも多く、お互いの性格や考え方などをよく知らないため、慎重にコミュニケーションを取る場合が多い傾向にあります。

チームとして何を目標に活動するのかも明確ではないため、形成期では共通の目標を設定し、目標達成のために何が必要かをメンバー同士で話し合い、それを全員で共有することが重要です。

2.混乱期

混乱期とは、メンバー同士での価値観や意見の違いから、対立や軋轢が生じやすくなる状態を指します。

チームとして目指す共通の目標は同じであることを念頭に置き、お互いに意見を主張したり聞き入れたりしながら、相互理解を深めていく必要があります。対立や軋轢が生じやすい状態であるからこそ、お互いが納得するまで話し合うことが重要といえるでしょう。

3.統一期

統一期とは、メンバー同士での対立や軋轢を乗り越えて相互理解が進み、チームが安定化した状態を指します。

各メンバーが主体性を発揮し、強みを活かしながらそれぞれの役割や業務内容を明確化できた状態が統一期ともいえます。この段階では、チームリーダーはチームとして導き出した結論が誤っていないかを判断し、正しい方向に導く必要があります。

4.機能期

機能期とは、各メンバーの役割や業務を遂行した結果、チームとして機能し、成果を出せている状態を指します。

各メンバーが最大限にパフォーマンスを発揮できるようになり、メンバーは自分自身の仕事を遂行するだけでなく、困っているメンバーを助けたり一緒に作業を進めたりすることで、チームとしてさらなる高い成果が得られるようになります。

なお、チームリーダーは各メンバーを信頼し仕事を任せつつも、必要に応じてフォローに回れるようチームの状況を観察しておくことが重要です。

5.散会期

散会期とは、プロジェクトなどが完結しチームが解散する状態を指します。

形成期から機能期を経て、各メンバーは業務に必要なスキルを身につけ成果を残せるまでに成長しています。メンバーは本来の部署やチームに戻ったり、別のプロジェクトチームに参画したりして、身につけたスキルを業務に活かしていきます。

組織目標の達成に向けてチームビルディングを取り入れよう

チームの編成にあたっては、単にメンバーをアサインすれば良いというわけではなく、スキルや能力などが発揮できる環境をチーム内に用意しなければなりません。

これを実現するための方法のひとつがチームビルディングであり、適材適所の実現やマインドセットの形成、チームとしてのパフォーマンス向上、ビジョンの共有・浸透といった目的があります。

今回紹介したフレームワーク「タックマンモデル」を参考にしながら、組織にとって有効なチームビルディングの手法を取り入れてみてはいかがでしょうか。

人気記事ランキング
注目キーワード
研修・診断サービス
  • マイナビ エンゲージメント・リサーチ
  • 社会人基礎力診断
  • ムビケーション
→
←
Career Research Lab マイナビ研修サービス ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会 外国人採用サポネット 日本エンゲージメント協会 HUMAN CAPITAL サポネット ナレビ マイナビキャリアサポート