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OJTトレーナーの役割とは?トレーナーとして意識したい5つの行動

2023年11月08日更新

人材育成の手法として、多くの企業が取り入れているOJT。人材不足が続くなか、即戦力となる人材の確保と同様に、入社後の早期即戦力化も求められます。そうしたなか、早期育成において大きな役割を担うのが、OJTトレーナーです。

今回は、OJTトレーナーにはどのような役割があるのか、求められるコミュニケーションスキルや、OJTトレーナーとしての5つの心得について解説します。

目次 【表示】

そもそもOJTとは

OJTとは、“On the Job Training”の頭文字をとった略称です。職場の上司や先輩(トレーナー)が、新入社員や中途入社社員、異動してきた社員などの経験の浅い社員(トレーニー)に対して、仕事に必要な知識や技術、態度などについて実際の業務を通して指導する人材育成手法を指します。

OJTの目的

OJTを実施する目的として、大きく3つが挙げられます。

トレーニーの早期戦力化

トレーニーに対して、適切なOJTを実施することで、企業人としての職務遂行能力向上につながります。それによって、成長意欲や自己実現意欲も増大し、モチベーションアップが期待できるでしょう。その結果、トレーニーの早期戦力化につながり、ひいては企業の生産性向上が期待できます。

OJTトレーナーとなる社員のスキルアップ

OJTトレーナーとなる社員にとっては、自身のスキルや指導力の向上につながる機会にもなります。指導を通してトレーニーが活躍できるようになれば、OJTトレーナーとして周囲からの信頼度向上も期待できます。

組織全体の継続的なパフォーマンス向上

OJTが継続的に実施されることで、指導に関するノウハウが企業内に蓄積され、より効率的な人材育成が期待できます。即戦力となる人材が育成され続けることで、結果として、組織全体の継続的なパフォーマンス向上につながります。

OJTトレーナーとは

OJTトレーナーとは、トレーニーに対してOJTを実施する指導者を指します。一般的に、業務に関して経験と知見があり、トレーニーが配属された部署の先輩や上長が担当します。

OJTトレーナーとメンターの違い

OJTを実施する際、OJTトレーナーとは別に、メンターを配置するケースもあるでしょう。メンターは、総合的な助言者であり、実務だけでなくキャリア形成やライフプランなどのさまざまな悩みに対応するのが特徴です。

基本的には、メンターもOJTトレーナーと同様に、業務経験の浅い社員をサポートする役割があります。ただし、OJTトレーナーが業務面で指導をおこなうのに対し、メンターは業務面に限らず、メンタル面を重視したフォローをおこないます。

OJTトレーナーの役割

OJTトレーナーがより効果的な指導をおこなうためには、どのような役割を求められるのでしょうか。

育成計画を立てる

育成計画の立案は、OJTトレーナーが担う大切な役割の1つです。育成計画は、経営理念や部署の行動指針などを踏まえて、管理職(上長)や人事部門とともに作成することになります。

育成計画の作成においては、まず目指すべき姿を明確にしたうえで、そのために必要な能力(実施項目)を、どのレベル(水準)で、いつまでに習得するか(期限)を洗い出し、明確にスケジュールを立てることが大切です。

実務に関する指導をおこなう

トレーニーへの教育をおこなう実担当者です。日々の業務に寄り添いながら実務に関する指導をおこないます。そのためにはOJTトレーナー自身が、業務に関して精通しており、トレーニーに提供できる知識やスキルを持っていることが前提となります。業務に関する相談に対応するほか、業務を遂行するうえで必要な情報を提供するなど、育成計画に沿って、即戦力となる人材の育成を目指します。

面談を実施し、フィードバックをおこなう

育成計画に沿ってOJTが進んでいるかどうか、進捗確認をおこなう役割もあります。トレーニーとの定期的な面談を通して、OJTの目標や計画、指導方法の振り返りをおこない、フィードバックにより育成計画に沿った成長を促します。必要に応じて、計画の修正や改善をおこない、トレーニーのさらなる成長を促し、フォローを継続することもOJTトレーナーの務めです。

トレーニーと信頼関係を築き、組織への定着を促す

OJTトレーナーは、トレーニーと信頼関係を築き、組織への定着を促すことも役割の1つといえます。まだ職場に慣れていないトレーニーは、OJTトレーナーの姿勢や言動を通して、組織や部署の雰囲気を感じとっています。

OJTトレーナーは、トレーニーにとって企業理念や社風、部署の行動指針を映し出す鏡としても見られていることを自覚する必要があります。OJTトレーナーとして、企業理念などを体現し、自ら業務に対して積極的な姿勢を示すとともに、トレーニーが相談しやすく、丁寧なサポートが受けられると感じられるような環境を意識することで、組織への定着につながります。

OJTトレーナーにはさまざまな役割がありますが、あくまで人事部門や管理職(上長)と連携しながらOJTを進めていきます。OJTトレーナーとして、トレーニーをきちんと指導できるのか、悩むこともあるでしょう。しかし、OJTの成果はOJTトレーナー1人がすべての責任を負うものではありません。

とくに、管理職(上長)が機能しないことにはOJTも機能しないといわれます。そもそものトレーナーとトレーニーの業務管理・監督ができていなかったなど、管理職(上長)起因の落とし穴も存在します。OJTに潜む罠については下記記事でも紹介しているため、参考にしてみてください。

OJTは人材育成を総合的に管理する人事部をトップに、OJTトレーナーやトレーニーの状況を把握し、サポートをおこなう管理職(上長)や、メンタル面でのフォローをおこなうメンターなど、さまざまな社員が人材育成に関わります。OJTを効果的に進めるには、トレーナーとトレーニーだけでなく、組織全体で人材育成をおこなう姿勢が求められます。

OJTトレーナーに求められるコミュニケーションスキル

先にもお伝えしたように、OJTトレーナーとして効果的な人材育成をするためには、担当するトレーニーとの信頼関係を築く必要があります。効果的な育成計画を立てたとしても、トレーニーに受け入れる姿勢がなければ、OJTの成果を出すのは難しいでしょう。OJTトレーナーに求められるコミュニケーションスキルとして、以下の2つが挙げられます。

「印象管理」で話しかけられやすい雰囲気を作る

印象管理とは、他人が抱く自身の印象を管理することです。たとえば、仕事中にいつもイライラしていたり、返事がなかったりすると、周囲との距離ができてしまいます。気軽に相談しやすい、話しかけやすい雰囲気を作るように心がけてみましょう。

具体的には、普段からできるだけ笑顔で過ごす、積極的に挨拶をする、自ら定期的に声をかけるなどが挙げられます。立場上、OJTトレーナーとトレーニーの間には上下関係による心理的な壁が生じやすいため、OJTトレーナー自らがトレーニーとのコミュニケーションをとる機会を増やす工夫が必要です。

「傾聴」で、言葉だけでなく気持ちを受け取る

傾聴とは、ただ話を聞くことではありません。相手の話に共感し、気持ちまで真剣に受け止めながら聞くという行為です。適切な傾聴は、相手に好感を抱かせ、信頼関係を深めることができます。しっかり話を聞いているつもりでも、途中で話を遮ったり、先走って結論を出したり、自身の物差しで判断して責めたりするのは傾聴とはいえません。相手の言葉だけでなく、表情や態度、動作などから伝わるメッセージも見逃さないようにしましょう。

トレーニーの話を聞く際は適切に相槌を打ったり、フィードバックするタイミングを考えながら、話の内容や相手の気持ちをくんだ発言をしたりするなど、相手を尊重する応対をおこないましょう。

OJTトレーナーが意識したい5つの行動

OJTトレーナーには、担当するトレーニーと信頼関係を築きながら、成長を促し、組織の一員として自律的に活躍してもらうための指導が求められます。その際、心がけたいのが「相手に合わせた指導をすること」です。具体的な行動指針として、以下のポイントを意識してみましょう。

1.常に相手の気持ちを意識する

新しい職場に馴染めるかどうか、活躍できるかどうかなど、トレーニーは大きな不安を抱えています。そのため、相手の気持ちを理解し、伴走する意識を持ちましょう。たとえば、トレーニーの習熟度や意欲に応じて指導の仕方を変えるのもその1つです。

新卒入社の新入社員と、経験のある中途入社社員では、業務レベルに差があるものです。学校の授業のように業務フローや作業に必要なスキルを教える「ティーチング」と、トレーニー自身が答えを導きだし実行に移すように促す「コーチング」を個々に合わせて使い分けながら、OJTを進めると効果的です。指導内容や声かけの仕方など、相手の気持ちを考えながら行動に移しましょう。

2.常に正しい考えに導く努力をする

OJTでは企業の経営理念や行動方針を指標とし、OJTトレーナーとして、トレーニーに組織として正しい思考と行動ができるように導く必要があります。そこで、トレーニーには業務のやり方だけを指導するのではなく、業務に対する姿勢や組織としての目標などを示し、浸透させるように意識することが大切です。

とはいえ、すべての思考や行動を制限し、相手が考える隙をなくしてしまうと、受け身の姿勢になってしまうかもしれません。育成計画とトレーニーの習熟度を照らし合わせながら、指示をするティーチング型から、行動を促すコーチング型への指導スタイルに変えていくなど、相手の状況にあった指導方法を検討してみましょう。

3.常に理解することから始める

トレーニーの行動には、必ず理由があります。ミスがあったとしても、頭ごなしに叱ったり、否定したりするのではなく、なぜそのような状況になったのかを理解し、根気強く指導しましょう。

指導においては、「知識」「マインド」「スキル」の3つの視点で考えることが大切です。求められている行動ができない場合にはマインド面に原因があるかもしれません。一方で、知識やスキルが不足しているためにミスが発生することもあるでしょう。その時々の状況を理解したうえで、どのような点で指導が必要なのか、チェックしてみましょう。

4.指導にはメリハリをつける

相手の気持ちを意識しすぎて、ミスを指摘できなかったり、優しい声かけばかりで自律心を養えなかったりするのも問題です。改善点があればきちんと指摘し、相手の成長につながる指導をおこないましょう。改善されていることに気づいたら、その場で共有し、褒めることも大切です。フィードバックを繰り返すことで、トレーニーの成長を促します。

5.長所を伸ばすことを意識する

人材育成において大切なことは、長所を積極的に伸ばすことです。短所ばかりに目を向けてしまうと、指導内容が偏ってしまう可能性もあるでしょう。相手の長所を見つけ、その長所をさらに伸ばすためには、どのような声かけや支援が必要なのかを考えてみましょう。

OJTトレーナーは人材育成の要

OJTには、組織全体で人材を育てる風土を作るという本質的な目的があります。そうしたなかで、計画に沿ってOJTをおこなう重要な役割を担っているのが、OJTトレーナーです。OJTは新人教育のためだけでなく、OJTトレーナー自身の成長にもつながる機会です。OJTトレーナー自身が、その役割を理解し、自ら目的意識を持って、真摯に取り組むことで、トレーニーの効果的な育成にもつながるでしょう。とはいえ、現場に任せっぱなしにするのではなく、組織全体で育成をおこなうという意識を持つことも大切です。OJTトレーナーだけでなく、周囲の社員すべてのサポートを得て、トレーニーは成長していきます。

育て、育てられることが当たり前の風土が定着すれば、よりよい人材育成の循環が生まれることでしょう。結果として、組織全体の継続的な発展につながります。人材育成の要となるOJTトレーナーが、自信を持ってOJTを実践できるように、人事部門が研修の機会を提供するのも一案です。OJTの目的を明確にし、意識的かつ計画的、継続的に、組織全体での人材育成ができる風土づくりを目指しましょう。

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