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メンターとは?企業での役割やメンター制度導入のメリットについて解説

2020年11月24日更新

新入社員や若手社員の早期離職は企業にとって大きな課題です。最近では、そのような早期離職の防止や、社員育成の取り組みの一つとして「メンター制度」を導入する企業が増えています。
メンター制度とは、若手社員や新入社員、中途社員を対象とした支援制度のことです。メンター制度では、「メンター」と呼ばれる先輩社員が、若手社員や新入社員、中途社員など業務経験の浅い社員のサポートを行います。今回は、メンターの概要について解説するとともに、企業がメンター制度を導入するメリットについて紹介します。

目次 【表示】

メンターとは

メンターとは、「指導者」「助言者」「相談者」などを意味する言葉です。ビジネスシーンにおいてメンターは、仕事の手本となって若手社員や新入社員、中途社員、さらには異動者の指導やサポートする先輩社員のことを指します。

メンターという言葉の語源は、古代ギリシャの長編叙事詩「オデュッセイア」の中に登場する賢者の名前である「Mentor(メントール)」です。物語上においてMentor(メントール)は、王の教育や、王に助言を与える立場にあったことに由来して、現代社会ではメンターという言葉が広く使われるようになりました。

メンティーとメンタリング

一方で、メンターのサポートを受ける人のことを「メンティー」と呼びます。メンティーには若手社員や新入社員、中途社員、異動してきた社員などが当てはまり、メンターに心理的な不安やキャリアの相談などをしながら、職場や仕事への定着を図っていきます。
また、これら一連のサポートを含めた指導手法を「メンタリング」と呼びます。

企業のメンター制度について

企業のメンター制度とは、メンターである先輩社員がメンティーの仕事上における悩みや不安を聞き、支援する制度のことです。メンター制度では、メンティーと異なる部署に所属し、比較的年齢の近い中堅社員がメンターとして選任される場合もあります。

企業におけるメンター制度の導入状況

HR総研(ProFuture株式会社)が2018年に、人事責任者・人材育成担当者194名を対象に実施した調査結果によると、メンター制度を実施していると回答した企業の割合は46%でした。(※1)

企業の規模別にみると、メンター制度の導入率は以下のようになっています。
・大企業(従業員数1,001名以上)……54%
・中堅企業(従業員数301~1,000名)……44%
・中小企業(従業員数300名以下)……41%

このように、メンター制度は企業規模問わずさまざまな企業において導入されていることがわかります。

OJTとメンター制度の違い

メンター制度と間違われやすいのが、OJT(On the Job Training)です。OJTは、実際の業務を通じて仕事に必要な知識やスキルを若手社員や新入社員に身につけさせる指導方法です。OJTもメンター制度と同様に、業務経験の浅い社員をサポートすることに変わりはありませんが、メンター制度では仕事以外にも、メンタル面やキャリア形成なども含めた幅広いサポートをおこなう点が特徴的です。

企業がメンター制度を導入する目的

企業がメンター制度を導入することには、どのような目的があるのでしょうか。

新入社員の早期活躍

新入社員の早期活躍は、企業経営において重要なポイントです。メンター制度を導入することで、新しく入った社員が、メンターに対して仕事上の質問や相談をしやすくなります。新入社員が仕事の疑問点をわからないままにしておくと、今後の仕事にも支障が生じます。メンター・メンティー間におけるコミュニケーションをスムーズに行える環境を整えることで、メンティーはより早く職場環境に慣れ、早期の戦力化も期待できるでしょう。

また、業務については直属の上司・先輩社員が指導を行い、メンタル面のサポートや企業文化などを教える役割をメンターが担うなどの役割分担をすることで、新入社員が仕事をしやすい環境を整えることにつながります。

若手社員の早期離職防止

若手社員の早期離職は、企業にとっても深刻な問題です。若手社員の離職にはさまざまな原因がありますが、「悩みを気軽に相談できる人が社内にいない」、「アドバイスをもらえる環境が整っていない」などの理由から、若手社員の離職につながってしまうケースもあります。

メンター制度では、業務内容についてはもちろん、業務以外のことについてもメンティーが気軽に相談できる関係性を築くことが大切です。上司・部下の関係以外にも相談できる相手がいることは、メンティーの不安を解消しやすくなり、早期離職を防止することにつながるでしょう。

メンター制度導入におけるメンター・メンティーのメリット

実際に企業がメンター制度を導入することで、メンターやメンティーはどのようなメリットを得られるのでしょうか。

メンター側のメリット

メンター制度の導入によって生まれるメンター側の大きなメリットの一つは、メンター自身が制度を通じて大きく成長できることです。メンターは、自身のみではなくメンティーのことも気にかけながら業務を進める必要があります。そのため、仕事を個人ではなくチームとして捉える意識が強まり、物事をより客観的に見ることができるようになります。

加えて、従業員のキャリア形成の1つとして、管理職に就く前の社員をメンターに選任してマネジメントの一端を体験させることは、人材育成としての効果も期待できます。企業を支える中堅社員の育成方法として、メンター制度は大いに期待できる制度です。

メンティー側のメリット

メンター制度の導入におけるメンティー側のメリットは、なんでも気軽に聞ける先輩社員が近くにいることです。メンターがいることでメンティーは、「なにかあっても相談できる相手がいる」という安心感を持って業務に取り組めます。

とくに新入社員は、業務や社内のルールなど、わからないことが山ほどあります。企業の制度としてメンターという相談相手を置くことで、メンティーが一人で悩みや不安を抱え込むことを防ぎ、仕事への意欲の低下や休職、離職を防ぐことにもつながります。

また、メンターの仕事を見たり、メンターに仕事やそれ以外の悩みを相談していく中で、仕事を覚えながら今後のメンティー自身の社内キャリアについて考えるきっかけにもなります。

まとめ

今回は、企業が導入するメンター制度についての解説や、企業がメンター制度を導入する目的・メリットについて紹介しました。メンター制度を導入することで、新入社員をはじめとした業務経験の浅い社員の定着を促し、早期から戦力として活躍できる存在に成長させることにもつながります。

また、メンターに選任された先輩社員も、後輩社員のマネジメントや指導、メンタル面のサポートなどを通じて成長できます。このように、メンター制度は社内の人材育成の機会としても活用できます。メンター制度をうまく活かして、さらなる組織力の向上を目指してみてはいかがでしょうか。

<出典>
※1. HR総研:人材育成「新入社員研修」に関するアンケート調査 結果報告

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