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ディーププラクティスで才能を伸ばす!優れた人材の育て方

2021年07月08日更新

本書では、ニューヨークタイムズのジャーナリストでベストセラー作家のダニエル・コイル氏が、世界各国で優れた才能開発をしている学校やスポーツ施設などを訪問し、そのトレーニング法や、モチベーションの上げ方、コーチング術を紹介しています。

一流の音楽家やスポーツ選手、有名大学の合格者を育てるコーチや教師達。それぞれに方法は違いますが、どの指導法も脳のメカニズムに沿っていることがわかります。社内研修や組織づくりにも応用できる、才能を伸ばすためのポイントをご紹介しましょう。

目次 【表示】

脳のメカニズムに合わせたトレーニングで才能開花

私達の脳の中には、ニューロンと呼ばれる細胞があります。ひとつのニューロンは、他のニューロンとシナプスで結ばれ、人間がどんな行動をしているときにもニューロンからニューロンへ電気的な信号(インパルス)が伝わっています。
歌を歌ったり、本を読んだり、ゴルフクラブをスイングしたりするときにも、脳の中では電気的な信号が猛スピードで伝達されているのです。

そして才能の開花に影響を与えるのがミエリン鞘(しょう)。これは、ニューロンから伸びる軸索を覆う脂肪質の組織です。このミエリン鞘の成長を促すトレーニングこそ才能を伸ばす秘けつ。ミエリン鞘の形成が進むと脳内でインパルスの伝達スピードと強度が向上します。その結果、知能や身体能力も高まるといわれているのです。

主なミエリン鞘の形成は子供の頃に自然に起こりますが、大人でもあきらめることはありません。本書には神経科学者のジョージ・バーゾキス博士の言葉から、30歳くらいで自然なミエリン鞘の形成(髄鞘化)は終わりを迎えるものの、全体的なミエリン鞘のボリュームは50代まで増えると説明されています。またミエリン鞘は高齢になると徐々に割れはじめますが、トレーニングを続けることで現状を保持する効果が期待できます。

才能を開花させるトレーニング3つの特徴

コイル氏は、ミエリン鞘を成長させ才能を開花させるトレーニングにみられる特徴を3つあげ、各章のテーマとして掘り下げています。

  1. ディーププラクティス
  2. 燃える心(イグニション)
  3. 優れた指導者からの影響

この3つの特徴を、ご説明しましょう。

脳を成長させる「ディーププラクティス」

本書で最も大切だとされているのがディーププラティクス。自分の能力よりも少し上の苦しいと感じる練習を積み重ね、トレーニングに実体験を混ぜて脳に刺激を与えながら繰り返すことが大切です。

少し苦しさを感じるところで練習を重ねる

一流選手を輩出するブラジルのサッカーチームは、古くから練習にフットサルを取り入れていました。

サッカーボールよりも弾まないボールは通常の半分の大きさ。重さは2倍あります。グラウンドも芝生ではなくバスケットコートのようなコンクリート。そして11人ではなく、5、6人で試合をします。

リバプール大学の調査では、フットサルの選手は、サッカー選手よりも1分につき6回多くボールに触れていることがわかりました。フットサルの素早いボール運びに慣れた選手は、本番のサッカーの試合が楽に感じられるようになります。

実物に触れて練習する

例えば、飛行機に乗ると必ず説明を受ける救命胴衣の装着法。説明だけ聞いているよりも、自分で実物を身に着け空気を入れてみたほうが、いざというときに上手く装着できそうだと思いませんか?
説明を聞くだけではなく、実際にやってみるトレーニングのほうが身につきます。

単純な訓練も、脳に刺激の多い方法のほうが効果的

「Ocean/breeze, leaf/tree, sweet/sour, movie/actress」というリストと「bread/b_tter, music/l_rics, sh_e/sock, phone/bo_ok」という穴埋め問題のようになっているリストに載っている単語を同じ条件で記憶するとき、より効果的に記憶できるのは、どちらのリストでしょうか?

正解は後者です。実験では3倍の効果がありました。

穴埋め問題のようになっているリストを渡されたとき、その人の脳は無意識にディーププラクティスをしているのです。同じ内容の訓練でもディーププラクティスを意識することで効果が変わります。

燃える心(イグニション)が、才能をさらに高い場所へ導く

ライバルに勝ちたいと思う気持ちや、目指すものになりたいと思う情熱。それが人の持つ能力をさらに高い場所へ導きます。

才能を開花させるためには冷静に練習を重ねることと同時に、熱い心が必要です。一流の人材を育てる指導者は、トレーニングの中で、この気持ちを引き出すのがとても上手です。

優れた指導者に必要な、洞察力と心をつかむ話し方

コイル氏が出会った優れた指導者達は、経験や知識、直観などが混ざったミステリアスな力で、生徒が必要としているものや進むべき方向を素早く見抜く力を持っていたとか。

しかしこれは職人技に近いものです。良い指導者になるには、まず生徒に何が必要かを見極める力を磨くこと、そして生徒の心をつかむ話し方を身につけることが大切です。

才能を開花させる組織づくりのヒントが日本にあった

脳のメカニズムに合ったトレーニング法を世界各国で見てきたコイル氏は、この法則に従って成功した日本企業を組織づくりの例としてあげています。

その企業とはトヨタ自動車。30年前には中堅クラスだったトヨタ自動車が、世界でも有数の自動車メーカーとして知られるようになったのは「改善」という戦略のおかげだと本書には記されています。

トヨタ自動車のケンタッキー工場には、「なぜを5回くりかえせ」という有名な言葉が掲げられているそうです。なぜその問題が起きているのか粘り強く考え、小さな変化を重ねることで常に前進することを目指す取り組み。

日本人にとってはなじみ深い「改善」が、ミエリン鞘の形成を促し才能を開花させるディーププラクティスだったのです。この例を見ると、本書の内容がぐっと身近に感じられるのではないでしょうか。

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