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OFF-JTとは?OJTとの違いや、OFF-JTを効果的に活用するポイントについて解説

2024年01月24日更新


人材育成の方法の1つにOFF-JTがあります。業務に必要な基礎知識やスキルについて体系的に学べるといった利点があるOFF-JTは、OJTと組み合わせながら育成計画に取り入れると効果的です。

この記事では、OFF-JTの概要や実施の現状とともに、OJTとの違いや、OFF-JTを効果的に活用するポイントについて解説します。

目次 【表示】

OFF-JTとは?


はじめに、OFF-JTの概要を解説するとともに、OJTとの違いや実施の現状についてみてみましょう。

OFF-JTについて

OFF-JTは、Off The Job Trainingの頭文字をとった略称で、職場や業務から一時的に離れた環境でおこなわれる教育訓練を指します。一般的に社内外の講師によるセミナーや集合研修を実施するケースが多くみられます。このほかにも、外部スクールや通信教育、e-ラーニングなどの受講もOFF-JTに当てはまります。

具体的には、外部講師を招いた新入社員向けのマナー講座や、中堅社員向けのスキルアップ講座などをイメージするとわかりやすいかもしれません。業務や事業に関して基礎的な知識や概念を多くの社員に共有することを目的に実施されます。

OFF-JTとOJTの違い

OJT(On The Job Training)は、実際の実務を通して指導する人材育成手法であり、実務の場を一時的に離れておこなわれるOFF-JTとは、学ぶ環境において大きな違いがあります。また、OJTは所属する部署内において実践形式でおこなわれるものでアウトプットが中心です。OJTトレーナーによる実践的な教育を、基本的にマンツーマンで受けられるため、個々に合わせた育成ができるのが大きなメリットです。

一方、OFF-JTは、短期的な期間で汎用的な学びを得るもので、インプットが中心です。集合研修(講座形式やグループワークなどが中心)になることも多く、対象となった社員に向けて基礎となる知識を広く伝えられるのがメリットでしょう。異なる点が多いものの、人材育成においてどちらも重要な役割があります。それぞれの違いを理解しながら上手に組み合わせることで、相乗効果が期待できます。

OFF-JT実施の現状

厚生労働省が公表した資料「令和4年度 能力開発基本調査(2022年)」によると、「令和4年度に正社員または正社員以外に対してOFF-JTを実施したと回答した事業所」は71.5%でした。OFF-JTを実施した正社員のうち、対象となったのは「新入社員(57.5%)」が最も多く、次いで「中堅社員(56.8%)」「管理職層(45.8%)」となっています。

この結果から、新入社員から管理職層まで幅広い階層に向けて実施されていることがわかります。基礎的な知識やスキルを体系的に学ぶ機会として活用されていると考えられます。
参照:令和4年度「能力開発基本調査」(調査の概要)|厚生労働省

OFF-JTのメリット


上述したように、OFF-JTには基礎的な知識や概念を多くの社員に共有できるといった利点があります。そのほか、OFF-JTを取り入れるメリットについて詳しくみてみましょう。

基礎的な知識・スキルの統一を図ることができる

OFF-JTでは、対象となる社員全員に対して、社内外の講師が持つ専門的な知識やスキルを一定の質を担保したうえで伝えることができます。個々の能力によって知識の定着には差が出るものの、社員に対して身につけて欲しい基礎的な知識やスキルを、ほぼ同一の条件で提供できることはメリットといえるでしょう。

また、OJTでは、トレーニーのレベルや状況に合わせて、OJTトレーナーが人事部や管理職と連携しながら個別の育成計画を作成し、実践的かつ丁寧に育成を進められるという利点があります。その一方で、OJTトレーナーの習熟度や経験によって、進行度や教育レベルにバラつきが出ることがあります。

その点、OFF-JTでは、同じ講師によって、標準化された内容を対象となる社員に一斉に提供できるため、育成内容の品質コントロールがしやすいという利点もあります。加えて、階層別や職種等別に実施できるため、対象ごとに必要な学びや情報を提供し、共通認識の強化ができるのもメリットです。

求められる知識やスキルを体系的に学べる

OJTは、即戦力となる人材育成が目的の1つであり、実務に役立つ知識やスキルの習得に注力しがちです。実践的である一方で、なぜその知識やスキルが必要なのか、俯瞰的に考える機会は少ないのではないでしょうか。

一方、OFF-JTでは、テーマごとにその概念やフレームワークを理解できる機会が提供されます。また、それらは体系的にまとめられた情報になるため、より深い学びが得られるというメリットがあります。

人材育成における現場負担の軽減

先にも紹介した資料「令和4年度 能力開発基本調査(2022年)」によると、「能力開発や人材育成に関する問題がある」とする事業所のうち、問題点として最も多かったのが「指導する人材が不足している(58.5%)」でした。

OJTでは、トレーナーが自身の業務と並行してトレーニーの育成に関わるため、時間的にも肉体的、精神的にも負担がかかりがちです。また、トレーナーが多忙な場合、指導時間が十分に確保できないこともあるでしょう。そうしたなか、OFF-JTは、教育の実施ごとに外部から講師を招致することが可能なため、上手に活用することで指導者不足の補填や、現場にかかる負担の軽減に役立ちます。

とはいえ、OFF-JTとOJTでは、育成内容が異なるため、OFF-JTはOJTの代替にはなりません。育成内容によってOFF-JT、OJTどちらを実施するか検討し、使い分けると良いでしょう。

社員同士のコミュニケーション機会の増加

OFF-JTは、集合研修として実施されることが多く、受講対象も自由に設定できます。そのため新入社員、中堅社員、管理職など階層別に実施することで、部署を超えた交流の機会が生まれます。部署内でのOFF-JTであっても、現場とは異なるコミュニケーションができる点もメリットといえるでしょう。

OFF-JTを効果的に実施するポイント


OFF-JTとOJTにはそれぞれ異なるメリットがあるため、違いを理解したうえで取り入れることが大切です。つづいて、OFF-JTを効果的に活用するポイントについて解説します。

OFF-JTとOJTを連動させた人材育成計画を立てる

OFF-JTは、体系的に学べる一方で、研修で得られる知識や技術を、その場ですぐに実践することが難しいという課題があります。そうしたOFF-JTの課題を補完できるのが、OJTです。

両者を効果的に活用できるよう、OFF-JTを、基礎的な知識やスキルを体系的に学ぶ機会とし、OJTでの実践につなげることを意識した教育プログラムを考えてみましょう。それぞれの効果を高めるために、OJTではOFF-JTと連動する育成計画を立てるとよいでしょう。

ただし、基本的に、OFF-JT の企画実施は人事部が担当し、OJTは現場主導でおこなわれることが多いため、人材育成における連携が必要です。OFF-JTの実施内容を現場の管理職やOJTトレーナーにも共有するとともに、トレーニーには研修で学んだ内容を前提として実践につなげるように周知しましょう。トレーニーもより集中してOFF-JTに取り組むはずです。

ブレンディッドラーニングで学習効果を高める

OFF-JTをより効率よく、効果的に実施できるよう、複数の研修形態や学習方法を組み合わせる「ブレンディッドラーニング」の導入を検討してみましょう。OFF-JTは、外部講師を招いた集合研修のほか、さまざまな方法があり、組み合わせることでより高い学習効果が期待できます。

例えば、e-ラーニングで基礎となる内容を事前学習した後、実践的な学びに近い集合研修を実施することで、インプットとアウトプットの流れを作ることができます。逆に、集合研修で実践的な学びを深めた後、e-ラーニングでフォローアップをおこなうことで知識の定着を図ることもできます。

OFF-JTを効果的に活用して、人材育成の効率を高めよう


OFF-JTにはさまざまなメリットがありますが、OJTと上手に組み合わせることで相乗効果が期待できます。インプットが中心のOFF-JTとアウトプットが中心のOJTを使い分けることで、人材育成の効率アップにもつながります。また、ブレンディッドラーニングの活用により、さらなる知識の定着も期待できるでしょう。

対象や状況に合わせたOFF-JTを検討し、効果的に活用してみてはいかがでしょうか。

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