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OJTとは?意味や目的をわかりやすく解説

2019年12月11日更新

新入社員などを育成する上で、現在多くの企業で取り入れられている手法が「OJT」です。OJTは「On The Job Training」の略。先輩社員が後輩に対し、業務に必要な知識やスキルを実践しながら伝承する、というやり方です。継続的に実施すると、人材が効率的に成長し、人が人を育てる風土が会社に定着する効果も期待できるOJT。その意味や目的、メリットなどをわかりやすく解説します。

目次

OJTは実務を通じておこなう職業教育

・4段階での指導をベースに即戦力を育成

OJTとは日常の業務に付きながらの職業教育を意味します。起源は第一次世界大戦時のアメリカで、膨大な軍人を育成するために生まれた「4段階職業指導法」。「やってみせる(Show)」「説明する(Tell)」「やらせてみる(Do)」「確認、追加指導(Check)」が基本的な手順とされています。

主に教育担当の先輩社員が日常業務のなかで、マンツーマン指導するのが一般的。日本では高度経済成長期に輸入されたと言われています。当時終身雇用や年功序列といった雇用慣行が日本に根付いていた中で、OJTは社員研修において基本的な手法として知られました。現在に至るまで、時代は変われどもその本質は変わらず、むしろ変容を続けながら多くの企業において実践的かつ効果的な研修手法として活用されています。

・研修手法の一つとして企業の7割以上が重視

厚生労働省がまとめた平成30年度能力開発基本調査でも、正社員に対して計画的なOJTによる教育訓練を実施した国内の企業、事業所は62.9%でした。この数値は毎年若干の変動はありますが、ほぼ同水準で推移しています。

また、正社員に対しての教育訓練として「OJTを重視している」は20.5%。「OJTを重視するに近い」は53.1%。これらを合算して考えれば 、7割以上の企業はOJTに重きを置いていることになります。ほとんどの企業で、人材を育成する手段としてOJTが適切 と認識しているのではないでしょうか。

引用元:厚生労働省 平成30年度「能力開発基本調査」

OJTの目的

・トレーニーの(受講者・研修生)能力向上

OJTの目的としてまず挙げられるのは、訓練を受けるトレーニーの企業人としての職務遂行能力を高めること。さらにトレーニーの成長意欲、自己実現意欲を満足させることにもつながるでしょう。年功序列や終身雇用が主流だった企業のスタイルも変化するなか、たとえば新入社員にとっては、早くから仕事に対する責任の意識付けもできるでしょう。トレーニーの能力、意欲を高めることができれば、労働者不足が叫ばれるなか、人材確保につながる期待も大きくなります。

・トレーナーの能力向上

指導役となるトレーナーにとっても、 自身の能力向上が図れます。また、OJTが効果的に実施されれば、周囲からの信頼を得ることにもつながるでしょう。

組織的にもOJTの実施を通して指導を得意とする社員をピックアップしておくことで 、最新技術を導入する際などにその社員に拡散役を担ってもらうなど、時代の変化にも速やかに効率的に対応できる可能性が高まります。

・継続的な組織のパフォーマンス向上

さらに、OJTを継続的に実施することは、人材が効率的に育ち、 人が人を育てるような組織の風土づくりにも役立つでしょう。技能や専門的技術も速やかに伝達される環境が当たり前になれば、組織の永続的な発展に大きな影響を与えることになるはずです。

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OJTとOFF-JTの違い

・実務を一時的に離れておこなうOFF-JT

OJTとよく比較されるものにOFF-JTがあります。略称は「Off The Job Training」。OJTとOFF-JTには明確な違いがあり、OFF-JTにもさまざまな方法があります。OJTは実務の場で必要な知識やノウハウを実戦形式でおこなうアウトプットが中心。OFF-JTはインプットが主となり、実務の場を一時的に離れてのインプット、セミナーや研修で成長を促します。

OFF-JTの実践例としては新入社員向けのビジネスマナーを指導したり、ベテラン社員が専門的スキルを身につけるための集合研修などが挙げられます。講師を招いてより広い視野を持つための講座を開くなども、多くの企業で行われていま す。また、空いた時間での通信教育や、eラーニングもOFF-JTのカテゴリーに当てはまります。

・長期的視点ではどちらも重要

厚生労働省の平成30年度能力開発基本調査では、 正社員に対する教育訓練として OFF-JTを実施している企業は75.7%でした。

先述したように、70%以上の企業がOJTを正社員に対する教育訓練として重視していることもあわせて考えると、 実務的な教育が可能なOJTも、業務環境から離れて体系的に知識を学べるOFF-JTも、どちらも重要視している企業の考え方がうかがえます。

OJTとOFF-JTどちらか一方ではなく、OJTとOFF-JT、その他の教育手法との違いをそれぞれしっかり理解したうえで、自社のニーズと照らし合わせながら使い分けていくことが効果的な人材育成につながります。

OJTを効果的に運用するには

・育成計画をしっかり立てる

OJT・OFF-JTは育成の一つの手段であり、その他にもさまざまな方法がありますが、どのような手段を選択するにしても計画をしっかりと立てる必要があります。大事なのは会社としての育成目標や、望まれる成長プロセスを明確にすること。場当たり的な進め方を避けるには、各部署や人事部などがきちんと協力する体制づくりも必要でしょう。職場ごとにばらばらな指導をしていては、トレーニーの成長も見込めません。育成が計画通り進んでいるか、状況を確認してフォローするような仕組みをつくるのも重要です。

・現場だけに放置せず社内全体で取り組む

育成計画を円滑に推進するためには経営トップも積極的にかかわっていくことが、効果的な人材育成には欠かせません。OJTを育成方法として運用する場合、指導法をトレーナーに丸投げしてしまうなど現場任せに陥ることも考えられます。会社の目的にあった人材育成の制度づくりへ、経営トップが号令をかけ、社内全体がポジティブに取り組める下地をつくることが、OJTなどの育成手法の効果的な運用につながっていくはずです。

社員育成に欠かせないOJT

OJT導入で新入社員や異動した社員を効率的に育成し、成長意欲を高めることができれば、企業活動にとってこれほど有益なことはありません。合わせて指導役の成長も見込め、組織の永続的な成果にも好影響を及ぼすOJT。この先も有効な育成手法の一つとして、重要視されていくでしょう。

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