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OKRを企業が導入するメリットとは?目標管理の手順やMBO・KPIとの違いも解説

2022年04月27日更新

企業や組織が高い成果を上げるためには、目標の設定と進捗の管理が重要となります。目標管理のフレームワークにはさまざまものがあり、用途や場面に応じて使い分けることが有効です。なかでも、組織全体の目標管理に適したフレームワークが「OKR」です。今回はOKRとはなにか、企業や組織が導入するメリットや運用手順のポイントを紹介しつつ、混同されがちなMBOやKPIとの違いについても解説します。

目次 【表示】

OKRとは

OKRとは「Objectives and Key Results」の略称で、日本語に直訳すると「目標と主要な結果」を意味します。目標管理制度のひとつであり、組織全体の目標達成を目的としています。

OKRは1か月や四半期といった短期的な目標設定を基本としており、定性的な目標と定量的な指標の2つで構成されることが大きな特徴といえるでしょう。

まずは企業単位でのOKRを設定したあと、組織や部門ごとのOKRを設定し、さらに組織や部門ごとの目標に紐づけて個人目標を決めるといった流れとなります。これにより、社員自身が取り組むべき内容や数値を具体化できます。また、個人目標が企業のOKRと関連しているため、全社員が一体となって目標達成に取り組むことにも繋がります。

定性的な目標

「Objectives and Key Results」のうち、「Objectives」に該当するのが定性的な目標です。

たとえば「商品Aのシェア拡大」や「四半期の売上アップ」などが挙げられ、具体的な数値ではなく、シンプルでわかりやすい目標をひとつ設定します。

また、定性的な目標として掲げる内容は、社員のモチベーションを向上させるために、簡単には達成することが難しい挑戦的な内容が適しています。

定量的な指標

「Objectives and Key Results」のうち、「Key Results」に該当するのが定量的な指標です。

定性的な目標(Objectives)の達成度合いを測るために、明確な数値となる指標(Key Results)を設定します。ひとつの定性的な目標に対し、定量的な指標は複数設定することが大きな特徴です。

定量的な指標(Key Results)の例としては、「商品Aに関する問い合わせ件数◯%アップ」や「キャンペーン実施店舗を◯店舗まで拡大」などが挙げられます。

OKRとMBO・KPIの違い

OKRは目標管理のフレームワークのひとつですが、OKRに似た意味を持つ言葉もあります。今回は、とくに混同しやすいMBOやKPIとの違いを解説しましょう。

OKRとMBOの違い

MBOもOKRと同様に目標管理のフレームワークのひとつですが、MBOの場合は社員個人が主体となって目標を設定します。OKRは組織全体の目標管理を目的にしているものであるのに対し、MBOはあくまでも個人の目標を管理するための手法であるため、両者の趣旨は異なります。

OKRとKPIの違い

KPIとは重要業績評価指標ともよばれ、「最終目標を達成するために必要なプロセスの経過目標」と定義されます。すなわち、KPIとは組織の目標をクリアするために、より詳細で定量的な指標として定めたものです。

たとえば「商品Aに関する問い合わせ件数◯%アップ」という目標の場合には、「DMを◯通発送」や「広告出稿量を◯%増加」などがKPIにあたります。

OKRは全社共通の目標として定めるのに対し、KPIは部署やプロジェクトごとに目標を設定し進捗を可視化するという点が異なります。

企業がOKRを導入するメリット

企業がOKRを導入することにより、どのようなメリットがあるのでしょうか。3つのポイントに分けて紹介します。

組織として目指す目標が明確化される

OKRを設定することで、企業の目標と、それを実現するためになにへ取り組めばよいのかが明確になります。

たとえば、社員が個人の目標を立てる際、組織としての目標が共有されていないと具体的になにへ取り組めばよいのかわかりづらいものです。しかし、OKRが設定されていれば企業の目標と個人の目標を紐づけることができ、社員自身が取り組む内容と数値を具体化できます。

これにより、社員によって個人目標の方向性がばらばらにならず、全社一丸となって目標に向けた取り組みが実行できるでしょう。

社員のモチベーション向上

企業の目標をOKRとして設定し、社員の個人目標もそれに紐づけることで、社員の成果が企業の目標に対してどの程度貢献できているかを意識づけられます。社員には企業の成長に貢献しているという実感が湧きやすく、モチベーションの向上が期待できるでしょう。

ビジネス環境の変化に迅速に対応できる

OKRは1か月、四半期ごとなど短期的な目標設定に適しており、状況に応じて柔軟に目標を修正・変更できるのが特徴です。

社会情勢や経済動向など変化の激しい現代において、ビジネス環境が短期間で変化することも珍しくありません。そのような場合でも、OKRはビジネス環境の変化に合わせて迅速かつ柔軟に対応できるメリットがあります。

OKRの運用手順と成功のポイント

企業がOKRを運用する場合、どのような手順で進めればよいのでしょうか。4つのステップに分けて解説するとともに、運用時に注意すべきポイントも紹介しましょう。

1.目標の設定

はじめに「Objectives」にあたる、企業としてクリアしたい、1か月や四半期といった短期的な目標を設定します。「Objectives」は定量的な内容ではなく、定性的な内容でひとつに絞り込んで設定することが重要です。

また、目標を社員に共有することが前提となるため、誰が見てもわかりやすい表現を心がけるようにしましょう。

2.主要な成果の設定

次に「Objectives」にあたる目標をクリアするために、「Key Results」として主要な成果を設定します。「Key Results」の数が多いと社員にとっての負担になり、集中できなくなる可能性もあります。そのため、3項目程度を設定するのが理想的とされています。

「Key Results」は確実にクリアできる水準ではなく、60〜70%程度の達成度を想定しチャレンジングな目標を掲げます。あえて高い目標を掲げる理由としては、社員のモチベーション向上が期待できるためです。

なお「Key Results」では「Objectives」と同様に、わかりやすい表現を心がけることも重要です。ただし、成果を明確に評価できるよう「Objectives」のような定性的な内容ではなく、具体的な数値を盛り込んだ定量的な内容を設定しましょう。

3.社内への展開

「Objectives」と「Key Results」を設定できたら、OKRの内容を社員へ共有します。また、共有して終わりではなく、目標を達成するために日々の業務へ生かすことがなによりも重要です。

企業のOKRをもとに、組織やチームごとのOKRを設定し、それから社員個人のOKRを設定してもらいます。日々の業務報告で進捗を追っていくことで、企業の目標達成へとつなげましょう。

4.振り返り・改善

1か月または四半期ごとのタイミングで、設定したOKRがどの程度達成できたのかを振り返ります。万が一、期待される水準に達することなく終わってしまった場合、なにが原因だったのかを分析し改善していくことも大切なポイントです。

OKRでは60〜70%程度の達成度を想定して目標を掲げますが、掲げた目標が高すぎるというケースも少なくありません。そのため、設定したOKRの内容や水準が適正であったのかも振り返り、次回に生かしましょう。

OKRを導入しビジネス環境の変化に強い組織を構築しよう

OKRとは、定性的な目標と定量的な指標を組み合わせ、組織の目標を達成に導くためのフレームワークです。OKRを設定することで、全社員の目標に対する方向性が統一され、一丸となって目標達成に向けた取り組みを実現できるでしょう。

短期的な目標設定を基本としているため、OKRを活用して変化し続けるビジネス環境へ柔軟に対応していきましょう。

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