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名監督から学ぶ「Z世代」の選手を伸ばす「考えさせる」指導方法

2022年03月02日更新


マイナビ仙台レディース 監督 松田 岳夫氏(右)
株式会社マイナビ 教育研修事業部 事業開発統括部 統括部長/HR Trend Lab 所長 土屋 裕介(左)

プレーヤーを育成し、現場で指示を出し、チームを勝利に導くサッカーチームの監督という仕事。そこには、ビジネスの現場において管理職が持つべきスキル、考え方のヒントがあります。サッカーの指導者として30年以上のキャリアと輝かしい戦歴を持つマイナビ仙台レディースの松田岳夫監督に、Z世代(※)(18~25歳)の選手を伸ばす指導方法を伺いました。

※本記事での「Z世代」は18~25歳前後(1990年代後半から2000年代前半生まれ)の人々を指しています。

目次 【表示】

30年で激変した女子サッカーを取り巻く環境。選手たちの姿勢に見られる変化

土屋:松田監督、今日はよろしくお願いします。まずは、監督のご経歴を伺ってもよろしいでしょうか。

松田:はい。社会人チーム(富士通サッカー部)の選手を引退した後、1年間はサラリーマンをやっていたのですが「どうしてもサッカーの世界に戻りたい!」と脱サラして読売サッカークラブベレーザ(現:東京ヴェルディ1969)にコーチとして入れてもらえないかと売り込んで、この世界に戻ってきました。1992年のことです。

当時チームにいた選手だと、澤穂希が14歳、2021年までなでしこジャパン(サッカー日本女子代表)の監督を務めていた高倉麻子がお姉さん格で24歳、そんな頃ですね。

土屋:それはすごい。名選手を輩出されていますね。そして今年でサッカー指導者歴30年ということになりますが、今の選手と、当時の選手の印象の違いを伺ってもよろしいでしょうか?

松田:そもそも状況がまったく異なりますので、一概に比較することは難しいですね。
私が指導者になった頃は女子サッカーの環境は恵まれていなくて、夜に寒い中で照明をつけて、しかもコートの半面だけ借りて練習する、そういう環境でした。

一方、現在は「なでしこジャパン」の活躍もあり、女子サッカーに注目が集まっていますね。おかげで練習環境も整って、 当時と比べると女子サッカーの環境は飛躍的に良くなっていると思います。そういった環境の違いからくる、世代としての印象の変化は確かにあるかもしれません。

土屋:具体的に、どのような変化でしょうか。

松田:ベレーザで指導を始めた頃は、決して恵まれているとはいえない環境下でも、「サッカーが好きだから続けたい」「とにかく強くなりたい」という、無我夢中な成長志向があったと思います。

一方、現在は環境に恵まれた分、流れに乗って練習していれば強くなれるんじゃないか、という気持ちがあるように見えます。ただそれは、昔の選手のように喜怒哀楽をはっきりと表現しないので、底に秘めた闘志が見えにくいだけなのかもしれません。指導者としては、リアクションが捉えにくい部分があるように感じます。

土屋:今回のテーマでもある「Z世代」に対しては、松田監督と同じように、『リアクションが薄くてどう接するべきかが分からない』という声を、企業人事の方から相談されることが多くあります。指導をする上で、どう対応されていますか?

松田:リアクションが見えにくいという理由の一つに、将来を見据えて、逆算しながら今を生きているという世代の特徴があるように思います。昔のように無我夢中ではなく、計算しながら前に進んで行っているんですね。

今は、世界のトッププレーを簡単に見ることができるので、自分のポジションにおける最高のプレーとはどのようなものかを知ることができるのも、理由の一つかもしれません。目指すべきゴールを設定することが、昔の女子サッカー選手よりもやりやすい環境なんです。

それ自体はとてもいいことですが、自分のゴールが見えている分、「とにかく前に進みたい!」という熱意よりも、「今の時点ではここまでできていればOK」と、歩みを止めてしまうような節を感じることもあります 。

土屋:ある意味で、クールに自分の将来を見据えているという印象ですね。

松田:はい、そう見えます。私自身は「Z世代だから」と指導方法を特に意識したことはありませんが、そういった選手の変化に合わせて、最新の情報、データを選手たちに示して目指すべきゴールを更新してあげることも大切な役割だと考えています。

集団としての力を発揮するために必要な「コミュニケーション」

土屋:そうした環境や世代の変化による個々の選手の意識の変化を受け止めて、それぞれ「個」が強くなるための指導をされていると思うのですが、一方でサッカーチームは会社組織と同じように、集団としての力も必要とされると思います。その点、どのようにお考えでしょうか?

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