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プロジェクトマネジメントとは?必要なスキル、方法を解説

2026年06月10日更新

歩きながら打ち合わせを行うビジネスマン
プロジェクトマネジメントは、目標達成のために必要とされるスキルの一つであり、業界や職種、役職にとらわれず多くのビジネスパーソンにとって不可欠です。

日々の業務において「社員に主体性が足りない」「指示待ちの姿勢が目立つ」といった課題を抱える人事担当者や管理職の方は多いのではないでしょうか。プロジェクトマネジメントを習得することは、予定通りに業務を終えるだけではなく、社員一人ひとりが当事者意識を持ち、自ら考え動く組織へと繋げる手段となります。

本記事では、プロジェクトマネジメントとはなにか、必要なスキルや方法、スキルを高める方法を紹介します。

目次 【表示】

プロジェクトマネジメントとは

成功に向けてスタートの歯車を押すビジネスマン

プロジェクトマネジメントとは、「目標を達成するために、詳細な計画を立て、進行状況を管理すること」を指します。

また、プロジェクトを遂行するにあたっては、「いつまでに、誰と、どのように、なにを達成するのか、なにを実現するのか」といったゴールを明確にすることが重要です。ゴールから逆算し、一つひとつの「すべきこと=ToDo」やタスクを洗い出し、それぞれの優先順位を考えてスケジュールに組み込み、計画通りに進めていくことが求められます。

なお、プロジェクトマネジメントというとIT業界に必要なスキルと思われがちですが、実際には業界や職種、立場を問わず、幅広いビジネスシーンで必要とされる考え方です。日々の業務のなかには大小さまざまな「プロジェクト」が存在しており、たとえ管理職でなくても、チームの一員としてプロジェクトを円滑に進める意識が求められるでしょう。

プロジェクトマネジメントを理解し実践することは、チーム全体の成果向上だけでなく、自身の業務の進め方を見直し、段取り力を高めることや業務の進行をスムーズにすることにも繋がります。

プロジェクトマネジメントに必要なスキル

会議でプレゼンテーションをする様子
プロジェクトマネジメントに必要とされるスキルを紹介します。

  • ・社会人基礎力
  • ・マネジメントスキル
  • ・リーダーシップ
  • ・コミュニケーションスキル
  • ・課題発見・問題解決力
  • ・業界・ビジネスに関する知識

社会人基礎力

プロジェクトマネジメントにおいて、専門的なスキルや知識を活かすための土台となるのが「社会人基礎力」です。社会人基礎力とは、経済産業省が「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として提唱しているもので、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)で構成されています。

この基礎力が不足している状態では、そもそも業務を円滑に進められず、専門スキルを有していてもプロジェクト管理は難しいでしょう。
特にプロジェクトマネジメントでは、考え抜く力の一つである「計画力」がプロジェクトの段取りやタイムマネジメントに直結する能力であり、進捗管理の精度を大きく左右します。

またプロジェクトではさまざまな人と関わるため、「チームで働く力」も目標達成に向けて周囲と協力し、良好な関係を築きながら動かす力として重要です。

マネジメントスキル

マネジメントとは、組織が保有する人・モノ・お金・情報などの資源を活用し、掲げた目標を効率的に達成するための仕組みや働きかけを指します。ビジネスにおいては単なる「管理」に留まらず、成果を高めるための能動的な工夫や調整といったニュアンスも含まれます。プロジェクトを成功に導くためには、さまざまな要素を俯瞰しながら管理する力が必要です。

スケジュール、予算、リソース配分など、複数の要素が同時に動くのがプロジェクトの特徴です。それぞれを個別に見るのではなく、相互の関係性を踏まえながら優先順位を整理し、プロジェクトの進行を最適な状態に保つことが求められます。

また、計画を立てるだけでなく、状況を確認し、必要に応じて軌道修正するなど、調整する力も重要です。

リーダーシップ

リーダーシップとは、組織が目指すべき目標を掲げ、組織の状態を維持しながら成果へと導く能力や行動を指します。プロジェクトには多様な立場や専門性を持つメンバーが関わるため、それらをまとめるリーダーシップが求められます。関係者が増えるほど意見や価値観も多様化するため、目的を明確に示し、メンバーを同じ方向へ導く必要があるでしょう。

またリーダーシップには、指示を出すだけではなく、メンバーの強みや特性を理解し、それぞれが力を発揮できる環境を整えることや困難な局面でも冷静に判断することも含まれます。

コミュニケーションスキル

プロジェクトは、多くの関係者との協働によって成り立ちます。チーム内のメンバーはもちろん、他部署や社外の関係者、顧客とのやり取りも発生します。そのため、情報を正確かつ分かりやすく伝え、良好な関係を築けるコミュニケーション力が必要です。

コミュニケーションとは、お互いに意思を伝え合い良好な関係を築く「相互理解」のプロセスです。さらに、単なる情報伝達に留まらず、伝えた内容をもとに「相手が意図した通りに動いてくれること」までをゴールとして捉える必要があります。異なる専門分野のメンバーが関わる場合には橋渡し役として、専門用語に頼らず、相手の立場に合わせて説明し、齟齬を防ぐ必要があります。

加えて、予算や納期といった利害が絡む場面での調整(ネゴシエーションスキル)も、円滑なコミュニケーションの一環として求められるでしょう。相手の背景を理解し、双方が納得できる着地点を見出すことで、トラブル防止やリスク低減に繋がります。

課題発見・問題解決力

プロジェクトの進行中には、大小さまざまな問題が発生します。重要なのは、起きた問題の真因を特定して「問題解決」を図ることにくわえ、目標とするあるべき姿と現状との差を正しく認識し、「課題」として捉えることです。

このプロセスには、物事を構造的・多角的に捉える「思考力」と、特定した解決策をチームで実行に移す「推進力」の両面が求められます。これらがあることで、プロジェクトで発生した急な問題に対しても実効性の高い解決策で対処しやすくなります。

業界・ビジネスに関する知識

プロジェクトマネジメントをおこなう人が、必ずしもすべての実務を担当するわけではありません。しかし、業界特有の知識やビジネスの基本を理解していることが求められます。専門知識や業界用語を把握していなければ、適切な判断や説明は難しくなります。

また、プロジェクトが組織にもたらす損益や価値について理解していることも重要です。関係者に進捗や成果を説明する際には、専門知識を踏まえつつ、相手に伝える力が必要となります。

プロジェクトマネジメントの方法

ビジネスネットワークのイメージ
プロジェクトマネジメントの方法を紹介します。

1.ゴールを決める

プロジェクトマネジメントをおこなううえで、最初に取り組むべきことはゴールを明確にすることです。メンバー全員が同じゴールをイメージし、共通認識を持っていなければ、判断のブレや方向性の違いが生じてしまいます。ゴールを決める際には、いつ、なにが、どのような状態になっていればプロジェクトが成功といえるのかを明確にしておくことが重要です。

以下の3つの観点から整理するとプロジェクト全体の軸となるゴールが定まりやすくなります。

  • Quality(品質)……どのレベルの成果物や結果を目指すのかを定める
  • Cost(コスト・予算)……どの程度のコストや人員をかけられるのか、あるいは限られた予算内でどこまでの品質を実現するのかを考える
  • Delivery(納期・締め切り)……品質とコストから逆算して、最終的な納期や締め切りを設定する

2.必要なタスクを洗い出す

ゴールが明確になったら、次にそのゴールを達成するために必要なタスクやToDoを洗い出します。プロジェクトは一つの作業だけで成り立つものではなく、複数の作業を同時並行で進めることで前に進みます。どの作業が、いつまでに終わっていればよいのかを考えながら、必要なタスクを漏れなく整理していく必要があるでしょう。

このとき重要なのは、作業をできるだけ具体的かつ細分化することです。一つひとつのタスクについて、「どうすれば実行できるのか」「どのような準備が必要か」を洗い出すことで、抜け漏れを防ぐことができます。一般的には、ガントチャートを用いて進捗を管理します。タスクを洗い出した後は、それらを時系列で並べ替え、前後の工程に無理や矛盾がないかを確認します。

3.メンバーを巻き込む

プロジェクトを円滑に進めるために、適切なメンバーを集めていきます。必要な人員や条件を定めたうえで、誰にどの役割を担ってもらうのかを考え、協力を依頼します。このときに意識したいのが、「熱意を伝えること」と「誠意をもって依頼すること」の2つです。

業務上の指示であっても、「なぜその人にお願いしたいのか」「なぜこのプロジェクトが重要なのか」といった背景や熱意を伝えることで、相手の納得感やモチベーションは大きく変わります。

また、メンバーの役割や業務範囲をあらかじめ決めておくとよいでしょう。背景や熱意を伝える際には、プロジェクトの全体像や担当してもらうタスクの内容、想定される負担や拘束時間についても、わかる範囲で事前に共有することが大切です。後出しで条件が変わると、不信感やトラブルの原因になりかねません。誠意をもって依頼する姿勢が、プロジェクトを支える信頼関係に繋がるでしょう。

4.プロジェクトをスタートする

プロジェクトを本格的に進めるにあたっては、キックオフミーティングを開催し、メンバー同士の顔合わせと認識合わせをおこないます。

【キックオフミーティングの目的】

  • ・プロジェクトの全体像を共有する
  • ・メンバー同士の関係性を築く
  • ・グランドルールを共有する

特に大きな目的の一つは、プロジェクトの全体像を共有することです。それぞれのメンバーが担当するタスクだけでなく、その前後の工程や全体の流れを理解することで、互いに協力し合う意識が生まれます。

また、メンバー同士の関係性を築く機会としても、キックオフミーティングは有効です。進捗調整やタスク間の連携を円滑に進めるためにも、プロジェクトマネジメントをおこなう人に負担が集中しない体制を意識し、互いに相談・協力できる関係づくりを促します。あわせて、進捗報告の方法や定例ミーティングの頻度、困ったときの相談ルールなど、プロジェクトを進めるうえでのグランドルールを共有しておきましょう。

最後は前向きな雰囲気で締めくくり、メンバーのモチベーションを高めた状態でプロジェクトをスタートさせることが大切です。

5.進捗管理をする

プロジェクトが動き出したら進捗管理をおこないます。進捗管理とは、事前に立てたスケジュールが計画通りに進んでいるか、遅延やトラブルが発生していないかを定期的に確認することを指します。ガントチャートなどで整理したタスクをもとに、どの作業が完了していて、どこが未着手・遅延しているのかを確認します。

そのためには、各タスクの担当者にも状況報告に協力してもらい、必要に応じて進捗確認の場を設けることが大切です。

プロジェクトにおける最大のリスクは「遅延」です。どこか一つのタスクで遅れが生じると、後工程に影響が及び、全体のスケジュールが崩れる可能性が出てきてしまいます。遅延が発覚した場合は、どの程度の遅れなのかを明確にし、後工程のメンバーと相談しながらスケジュールを調整しましょう。

6.プロジェクト完了後の振り返り

プロジェクトが完了したら、必ず振り返りの機会を設けましょう

【振り返りの内容】

  • ・メンバーへの感謝
  • ・プロジェクト全体の振り返り
  • ・振り返り内容のナレッジ化

メンバーを集め、まずはプロジェクトマネージャーとして関わってくれたメンバーへの感謝と労いを伝えます。言葉にして感謝を伝えることで、メンバーの達成感や次への意欲にも繋がります。

そのうえで、プロジェクト全体を振り返ります。振り返りには、Keep・Problem・Tryの3つの観点で整理するKPT法を用いるとよいです。うまくいった点や今後も継続したいことをKeep、課題や反省点をProblem、次回に向けて試したい改善策をTryとしてまとめていきます。

この振り返り内容は記録として残し、組織のナレッジとして共有することが重要です。次のプロジェクトが始まる際には、この振り返りを活かすことで、より質の高いプロジェクトに繋げることができるでしょう。

プロジェクトマネジメントのスキルを高める方法

スキルと書かれた積み木を積む様子
ここでは、プロジェクトマネジメントのスキルを向上させる主な方法について解説します。

体系的な知識を学ぶ

プロジェクトマネジメントでは、経験だけでなく体系的な知識の習得も欠かせません。フレームワークや理論を学ぶことで、安定的なマネジメントを実践できるようになります。
こうした知識を身につけることで、リスク管理や品質管理、スケジュール管理などの基本的な考え方を整理して理解できます。

実務経験を通じてマネジメント力を養う

プロジェクトマネジメントは、実際の業務を通じて習得する側面が大きいスキルであるため、プロジェクトに参加しながら経験を積むことが有効です。

はじめは経験豊富なマネージャーの指導のもとで業務を担当し、徐々に責任範囲を広げていくことで、実践的な判断力や問題解決能力を身につけられます。多様なプロジェクトに関わることで、リスク対応や調整力などのスキルも高められるでしょう。

コーチングを活用する

経験者によるコーチングは、スキルを高めるのに有効な手段のひとつです。経験豊富なプロジェクトマネジメントのスキルを持つ人が指導役となり、具体的なプロジェクト事例をもとに指導をおこない、プロジェクトにおける課題や判断についてフィードバックをすることで、スキルの向上に繋がります。

研修や資格取得を活用する

研修プログラムや資格取得の活用も、スキル向上に効果的な方法です。社内研修や外部研修を通じて専門知識を体系的に学ぶことで、短期間で理解を深めることができます。

また、プロジェクトマネジメントに関する資格取得は、自身のスキルを客観的に証明する手段としても有効です。資格取得を目標に学習を進めることで、知識の整理と理解の定着に繋がり、実務にも応用しやすくなります。

プロジェクトマネジメントを基礎から学びたい方は以下もご検討ください。

プロジェクトマネジメントの習得で主体的な組織づくりを

資料を見ながら、修正点を指示する様子

プロジェクトマネジメントは、目標達成に向けた計画立案から進捗管理、振り返りに至るまで、多くの業種や業務に応用できるスキルです。各ステップを正しく理解し、社会人基礎力やリーダーシップ、コミュニケーションといった関連スキルを磨くことで、社員一人ひとりが業務の全体像を捉えて自律的に動けることが期待できます。

「指示を待つ」状態から脱却し、自ら課題を見つけて解決する主体的な人材を育成することは、チームや組織が成果を出し続けるためにも重要です。本記事で紹介した手法やスキルの向上策を、教育や実務の現場に取り入れ、組織力の底上げに繋げていきましょう。

著者プロフィールHR Trend Lab編集部
タレントマネジメントやエンゲージメントなどの最新トレンドから、組織や人事にまつわる基本知識までマイナビ独自の視点でお届けいたします。
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