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ビジネススキルとは?カッツモデルや階層ごとに求められるビジネススキルを解説

2026年07月22日更新

会議で話すビジネスパーソン

「自社の社員にどのようなスキルを身につけさせるべきか分からない」「階層ごとに必要なビジネススキルを体系化したい」と悩む人事担当者や管理職の方は多いのではないでしょうか。

労働人口の減少や市場環境の変化が激しくなったことにより、組織が持続的に成長するためには、今までよりもさらに社員一人ひとりのビジネススキルが重要になります。しかし、階層や役割によって求められるスキルは異なるため、それぞれに適したアプローチが必要です。

本記事では、ビジネススキルとは、ビジネススキルと関連する「カッツモデル」、各階層に求められるビジネススキル、ビジネススキルを身につける方法を紹介します。

目次 【表示】

ビジネススキルとは

打ち合わせをするビジネスパーソン

ビジネススキルとは、円滑な業務遂行や合理的な意思決定をおこなうために求められる、知識や能力の総称です。

組織において社員が能力を発揮し、成果を出し続けるためには、ビジネススキルの計画的な育成が欠かせません。

ビジネススキルの範囲は多岐にわたり、特定の職種に不可欠な専門的知見から、幅広い業種で必要とされる汎用的な能力まで含まれます。しかし、どのような性質のスキルであっても、生産性の向上や組織全体の課題解決、良好なチーム運営に繋がるという点は共通しています。

ビジネススキルを整理するものとしては、カッツモデルにおける3つの構成要素や、新人から管理職までの各階層に応じた区分などが挙げられます。職位や役割によって必要とされる能力やその比重は変化するため、組織の状況に応じた適切な教育が重要です。

以降では、ビジネススキルの具体的な分類についてみていきます。

ビジネススキルと関連する「カッツモデル」

カッツモデル イメージ画像

ビジネススキルの分類のひとつとして「カッツモデル」が挙げられます。

カッツモデル(カッツ理論)とは、アメリカの経営学者であるロバート・L・カッツが提唱したマネジメント教育に関する理論です。

このモデルでは、経営者・幹部クラスを指す「トップマネジメント」、中間管理職クラスの「ミドルマネジメント」、主任・リーダークラスの「ロワーマネジメント」の3つの階層に分けて考えます。各階層において、求められるスキルの比重が変化することがこのモデルの特徴です。

以下で、求められる具体的なスキルについて解説します。

カッツモデルを構成する3つのスキル

カッツモデルでは、マネジメントに必要な能力をテクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルの3つに分類しています。それぞれのスキルについて解説します。

テクニカルスキル

「テクニカルスキル」とは、業務知識や関連する技術など、仕事の方向性を決める力を指します。

具体的には、財務会計処理やプログラミングの技術、自社商品・サービスに関する専門知識、あるいは簿記やITパスポートといった職種・業界に特化した資格などが含まれます。これらはその職種ならではの業務を進めるための基礎となる能力です。

テクニカルスキルの習熟は、日々の業務の精度を高めるだけでなく、業務効率の向上や生産性の確保に繋がります。現場に近い立場であるほど、具体的な判断を下すためにより求められるスキルです。

ヒューマンスキル

「ヒューマンスキル」とは、ビジネスマナーやコミュニケーション能力など、その人が身につけている仕事のベースとなる力です。良好な対人関係を築き、周囲と協力しながら業務を円滑に進めるための能力ともいえます。

組織においてメンバーが互いを理解し、尊重し合いながら成果を出すための土台となります。ヒューマンスキルの主な構成要素としては、以下の8個が挙げられます。

  • ●リーダーシップ
  • ●コミュニケーション能力
  • ●ネゴシエーション能力
  • ●プレゼンテーション能力
  • ●コーチング能力
  • ●ヒアリング能力
  • ●ファシリテーション能力
  • ●向上心

特にマネジメント層においては、多様な価値観を持つステークホルダーと円滑に意思疎通を図り、信頼関係を構築する力が求められるため、階層を問わず重要なスキルです。

コンセプチュアルスキル

「コンセプチュアルスキル」とは、複雑な物事の大枠を理解し、本質をとらえる力を指します。

正解がすぐに見えないような課題に直面した場合でも、得られた情報や知識を収集・整理し、分析をおこなうことで、物事の核心を見抜く役割を果たします。このスキルは、過去の経験や個別の事象を概念化する能力とも言い換えられるでしょう。

コンセプチュアルスキルがあることで、一見すると関連性が低いように見える事象の中から課題との共通点を見つけ出し、本質的な解決策を導き出すことが可能になります。

コンセプチュアルスキルに分類される主なビジネススキル・要素は以下です。

  • ●ロジカルシンキング
  • ●ラテラルシンキング
  • ●クリティカルシンキング
  • ●多面的視野
  • ●受容性
  • ●柔軟性
  • ●知的好奇心
  • ●探究心
  • ●チャレンジ精神
  • ●俯瞰力

組織やチームを率いるマネジメント層は、常に状況を把握し、的確な判断を下す必要があるため、重要視されるスキルです。

各階層と3つのスキルの比重

各階層と3つのスキルの比重についても見ていきましょう。

カッツモデルで分類される能力のうち、ヒューマンスキルはすべての階層において必要なものと位置づけられています。対人関係を通じて組織を動かす役割を担う以上、どの立場であっても欠かせません。

対照的に、テクニカルスキルとコンセプチュアルスキルについては、現場に近いほど具体的な業務遂行をするためのテクニカルスキルが、経営に近いほど組織全体の方針策定のためのコンセプチュアルスキルが重視されるという関係にあります。

職務や役割の変化に合わせ、適切なスキルのバランスを意識することが組織運営において重要です。

各階層に求められるビジネススキル

人的資本 イメージ画像

職位や役割に応じて果たすべき責任が異なるため、それぞれの階層で優先的に磨くべきスキルも変わります。

以下で階層ごとに解説します。

管理職

管理職は、与えられた役職や役割に基づき、組織の目標を達成するために業務の遂行を管理し、一定の決裁をおこないます

主任や課長、部長、あるいはマネージャーなどが管理職にあたり、自身の業務のみならず部下の指導や管理にも責任を持ちます。

管理職の大きな役割は、経営層が示す企業理念やビジョンを現場に浸透させ、具体的な部門目標へと落とし込むことです。また業務の進捗を適切に管理するとともに、チームが直面する課題の解決や、メンバーの育成を通じたチームビルディングを主導することもあります。

そのため業務に必要な基本的なビジネススキルは身につけていることが前提です。

基本的なビジネススキル以外で、管理職になると以下のようなビジネススキルが特に求められます。

  • ●高度なコミュニケーション能力
  • ●傾聴力
  • ●問題解決力
  • ●インテグリティ
  • ●部下育成力
  • ●マネジメント能力
  • ●リーダーシップ

中堅社員

中堅社員は、部署の中心となって幅広い業務を推進する立ち位置にあります。

自身の担当業務を全うする能力に加え、周囲に働きかけて組織の成果を高める姿勢が求められるでしょう。

中堅社員が担う役割は、管理職と後輩を繋ぐ橋渡しとしての補佐業務から後輩への支援、複雑な案件やプロジェクトを主体的に動かしていく業務の推進など幅広いです。

周囲と協力して課題を解決していくことが必要で、以下のようなビジネススキルが求められます。

  • ●リーダーシップ
  • ●フォロワーシップ
  • ●指導・支援スキル
  • ●ロジカルシンキング
  • ●プロジェクトマネジメント
  • ●巻き込む力

若手社員

若手社員は、指示を待つ段階を終え、自律的に業務を完遂する役割を担います。新入社員との大きな違いは、業務の背景にある目的を理解し、自身の判断で優先順位をつけられるようになる点にあります。

実務をこなすだけでなく、組織の目標達成にどう貢献すべきかを考え、問題に直面した際にも解決策を提示できる自律性が求められます

また、コミュニケーション能力を発揮し、周囲の協力を得ながら主体的に動くことも重要です。そのため以下のようなビジネススキルが求められます。

  • ●主体性
  • ●業務遂行力
  • ●コミュニケーション能力
  • ●思考力

新入社員

新入社員は、学生から社会人への意識の切り替えをおこない、ビジネスパーソンとしての基本的な行動や実務の基礎を身につける段階です。

指示された業務を正確にこなすだけでなく、組織の一員としてのルールを守り、周囲と円滑にコミュニケーションを図る姿勢が重要です。

そのため、新入社員には以下のようなビジネススキルが求められます。

  • ●基本的なコミュニケーション能力
  • ●向上心
  • ●ビジネスマナー
  • ●基本的なパソコン操作
  • 自社製品の基礎知識

ビジネススキルを身につける方法

メモを取る様子

ビジネススキルは、日々の意識や行動を変えることや研修の参加、勉強などによって身につきます。その具体的な方法について、5つ解説します。

日常の業務を成長の機会に変える

社員が日々の業務をただのルーティンワークとしてこなさないように、「この作業でどのスキルを鍛えるか」という具体的な目的意識を持ってもらう仕組みづくりが重要です。

現在の能力よりも少し難易度の高いタスクへの挑戦や、他部署と連携するプロジェクトへの参加を促すことで、思考力や対応力、応用力を養う機会を提供できます。

また、業務の区切りには必ず振り返りやフィードバックの時間を設けるよう現場のマネジメント層へ働きかけ、改善点を次の行動へ活かせる育成環境を整えることが、実務を通じたスキルアップに繋がります。

社内の優秀な人材からノウハウを学ぶ

社内で高い成果を上げている管理職や先輩の動きを、社員がロールモデルとして学べる環境づくりも有効です。

成果を出している人の商談の進め方、時間管理、周囲とのコミュニケーションなどといった仕事ぶりを観察してもらい、真似してもらうことから始めましょう。

学んだノウハウを社員がすぐに実務で実践できるよう、現場と連携して業務を調整することも重要です。

外部の研修やセミナーで体系的に学ぶ

研修やセミナーは、必要な知識を体系的に効率よく学ぶ手段です。

自社の課題解決に関連する社内研修を企画・実施することはもちろん、いつでも自分のペースで学べるeラーニングの環境を整えたり、外部のセミナーやオンライン講座を活用したりすることで、業界の最新トレンドや新しい視点が身につきます。

受講の効果を現場で十分に発揮させるためには、研修を受けて終わりにせず、受講後1週間以内に実務で試してもらうなど、実行をサポートすることが重要です。

書籍を通じて専門知識を取り入れる

ビジネス書や専門書を読むことは、成功事例や体系化された理論を、社員が自分のペースで効率的に習得できる方法です。

読書の効果を組織として活かすには、個人任せにせず「学びをシェアする仕組み」を作ることがポイントです。重要なポイントや実務への応用方法をまとめるよう促すほか、同じ本を読んだ同僚や管理職と気づきを共有する「社内読書会」などを開催して支援しましょう。

これにより、社員が一人の読書では気づけなかった視点や解釈を学ぶことができ、組織全体の理解も深まります。

資格の取得を目指して集中的に勉強する

業務に関連する国家資格や民間検定の合格を目指すことも、ビジネススキルを高める有効なアプローチです。資格取得という明確なゴールがあることで、学習に対するモチベーションを維持しやすくなります。

体系的なカリキュラムに沿って集中的に勉強することで、スキルや知識の土台となります。

人事としては、受験費用の補助や取得手当などの支援制度を整えることで社員の成長を後押しできるでしょう。

計画的なビジネススキルの育成を

会話をするビジネスパーソン

ビジネススキルは、社員が成果を出し続け、組織が持続的な成長をするために重要です。効果的な人材育成をおこなうためには、カッツモデルを理解し、新入社員から管理職にいたるまでの各階層に応じて、磨くべきスキルの優先順位を明確にすることが求められます。

また、スキルは単にインプットさせるだけでなく、実務での実践や、優秀な人材のノウハウを学ぶ、研修後のフォロー、書籍や資格取得の支援など、人事担当者や管理職が学ぶ場をサポートすることで定着に繋がります。

自社の課題や各階層の役割を改めて整理し、社員がスキルアップを図れる仕組みづくりを進めていきましょう。

著者プロフィールHR Trend Lab編集部
タレントマネジメントやエンゲージメントなどの最新トレンドから、組織や人事にまつわる基本知識までマイナビ独自の視点でお届けいたします。
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