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現場を大切にしたメッセージの発信で意識醸成 NTTデータが取り組むダイバーシティ推進

2022年12月14日更新


(右)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ コーポレート統括本部人事本部 グローバル人事統括部ダイバーシティ推進室 豊島 やよい様
(左)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ コーポレート統括本部人事本部 グローバル人事統括部ダイバーシティ推進室 笹間 美桜様

ダイバーシティ&インクルージョンという概念が世の中に浸透しつつある昨今、自社に合った推進方法を模索しながら実践されているという読者の方も多いでしょう。一方で難しいのは、現場の理解。多くの企業に共通するお悩みのようです。

そこで今回は、株式会社NTTデータでDEI(Diversity, Equity&Inclusion※)を担当している豊島やよいさん、笹間美桜さんにお話を伺いました。自社の文化を踏まえ、社員の納得感を生み出す取り組みの工夫とアイディアを語っていただきます。
※持続可能な社会の実現のために取り組むべき多様性、公平性、包摂性のこと

目次 【表示】

働きやすい環境は、当たり前のことではなかった

― 豊島さん、笹間さん、今日はよろしくお願いいたします。まずはお二人のご経歴と、NTTデータで働く1人の社員として感じるDEIへの取り組みについてお聞かせいただけますか?

笹間:私は2015年に入社して、5年ほど公共システムの開発や運用に関わる営業担当として仕事をしたのち、2年間財務省へ出向して経済・社会の研究に携わっていました。最近出向から戻り、現在のDEI推進の仕事に関わっています。

入社して7年経ちますが、入社のころと比べダイバーシティを受け入れるのは当たり前、という空気になっていっているように感じます。社内でDEIに関する社員主導の取り組みが年々増えているなど、具体的な変化も目の当たりにしています。

― なるほど、ありがとうございます。豊島さんはいかがでしょうか?

豊島:私はこの会社に入って長いのですが、入社したころと比べると働きやすい環境が整ってきたと感じます。

入社後、現場でSEや営業の仕事をしていましたが、そのときはダイバーシティの重要性についてはぴんときていませんでした。今はNTTデータでも女性活躍推進への理解が進んできていますが、当時は私自身も「女性を活躍させるために特別なことが必要なのだろうか」と思っていました。優秀な女性は社内にたくさんいますし、そういった方々が個別に、特に支援されずとも評価されればそれでいい、と考えていました。

転機になったのは自分自身が育児休職を取得したときです。1年少々会社を休んで職場復帰したときに、私たちNTTデータの社員が働き続けやすいように会社の制度に助けられている、と実感したのです。

育児をしながらという制約のある働き方をしていても、チャレンジングな仕事にもアサインされ、昇進・昇格のチャンスは平等に与えられますし、働きにくさも感じない。必要以上に配慮されすぎることもない。時間単位の年休も取得でき、テレワークの環境も整っている。同じ時期に育児休職を取得していた他社で働くママ友と話をしてみて、これは当たり前のことではないのだと気づきました。

その後、全社のスタッフ組織に異動して実際に経営に近いところで働いてみると、会社が確固たる思いを持って社員にとって働きやすい環境を整え、維持し、さらに前に進めようとしていることがわかりました。私たちが当たり前に享受してきた環境や権利は、会社が強い意志で積み重ねてきた結果だったのです。

DEIを推進する部門に配属されてからは、自分自身が実感したことをもっとみんなに知ってほしい、もっと良い環境づくりに貢献したい、という気持ちが強くなりました。

NTTデータ流のダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン「DEI」に込めた思い

― ありがとうございます。お二人が現在のお仕事に就かれているバックグラウンドがよくわかりました。ここから御社のDEIについて伺っていきたいのですが、企業としてのDEIのあゆみはどのようなものだったのでしょうか。

豊島:基礎にあるのは、2004-2006年の中期経営計画です。情報通信業界のリーディングカンパニーとして変革し続けていくという理念が弊社の根底にあり、その一環として「人財が育つ環境づくり」が策定されました。NTTデータでは人材が最大の資産であるという考え方から人材に「財」の字を充てていまして、「人財が自己成長し活躍する」という基本方針のもと、女性活躍推進の取り組みが始まったのもこの頃です。

その後、2007年の新社長交代のタイミングで、「システムを売る企業から変革を売る企業へ」と会社の方針が大きく変化したことをきっかけに、社員の創造力の発揮がより強く求められるようになりました。

お客様への提供価値である「変革」を生み出すためには、社員それぞれが健全で創造力を発揮できる状態であることが大切です。そのために、NTTデータではすべての社員が働きやすく、自分自身の創造性と能力を十分に活かせる環境づくり、制度づくりを進めています。何ごとも余地、すなわち「あそび」があって初めて自由な発想が生まれると考えています。

笹間:象徴的なのが、テレワークですね。今となっては一般的ですが、弊社では2008年頃から制度の整備が進み、多くの社員が利用しています。

当時から「テレワーク・デイズ」という取り組みで積極的に制度を利用しようという流れがありましたので、入社したての頃から遠慮なくテレワークをすることができました。

― ワークスタイルの変革がDEIの根底にはあるのでしょうか。

豊島:そうですね。社員が健全に、その能力を活かせる環境を実現するには、働き方そのものも変えていく必要があります。テレワークについては、時間に融通を利かせづらい、お子さんのいる社員が働きやすいように、と実際に子育てをしている女性社員から経営層へ提言があったことが1つのきっかけでした。

一方でそれは女性のためだけではなく、男性にとっても多様な働き方を実現することにつながっていきますし、業界全体の課題である長時間労働を解決するためのアクションを積極的に起こすことで、環境改善に向けた取り組みを業界全体で行っていこうというメッセージにもなっています。

このように、NTTデータのDEI推進においては「多様な人財活躍」と「働き方変革」は両輪であり、そのミッションをもって2008年に組織されたのが、私たちが所属するダイバーシティ推進室です。

そして、これまではD&Iとして呼ばれていたこの取り組みを、2022年度からDEIに改めました。ダイバーシティとインクルージョンだけでなく「Equity(エクイティ)」という概念が盛り込まれたのです。

― 「公平性」という意味の言葉ですが、御社ではどのような意味合いで浸透されていらっしゃるのでしょうか?

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