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ブレンディッドラーニングで研修の効果を高めるポイントを解説

2021年05月21日更新

ブレンディッドラーニングは、複数の研修形態・学習形態を組み合わせる方法のことであり、対面型研修のような一つの研修形態で研修を実施するよりも学習効果が高まることから、企業研修としても注目を集めています。本記事では、ブレンディッドラーニングの概要や、企業研修に導入するメリット、ポイントを解説します。

目次 【表示】

ブレンディッドラーニングとは

ブレンディッドラーニング(Blended Learning)とは、複数の研修形態や学習形態を組み合わせておこなう学習方法のことです。従来のような対面型研修やオンラインでの研修などを単体でおこなうよりも、学習効果が高まるといわれています。

近年では、個人学習である「e-ラーニング」に、受講者が同じ場所に集まって受講する「対面型研修」を組み合わせた形式をブレンディッドラーニングと呼ぶことが多くあるため、本記事では基本的に、「e-ラーニングと対面型研修」の組み合わせについて解説します。

ブレンディッドラーニングが注目されている背景

ブレンディッドラーニングは、インターネットやデジタル機器の開発、普及とともに、2000年代からアメリカの学校教育で広まったとされています。近年では、スマートフォンやタブレットで気軽に学習できるe-ラーニングが広まり、学べる内容も多様化したことで個別学習の機会も充実しています。

また、対面型研修で学ぶ必要のある領域が明確になりつつあることで、個別学習・対面型研修の双方を場面や目的によって使い分け、業務との兼ね合いを考えながら効率的に学習を行うことが期待できるでしょう。

加えて、働き方改革などによるリモートワーク推奨の流れを受けて、オンライン研修を導入する企業も増えました。そのためオンライン研修やe-ラーニング、対面型研修、それぞれのメリットを取り入れることができるブレンディッドラーニングがさらに注目されています。

ブレンディッドラーニングには、「対面型研修+e-ラーニング」「e-ラーニング、同期型オンライン研修+対面型研修」など、さまざまな組み合わせがあります。

研修の種類と特徴

ブレンディッドラーニングの組み合わせとしてメジャーな学習方法である「対面型研修」「同期型オンライン研修」「e-ラーニング」には、それぞれどのような特徴があるのでしょうか?

対面型研修の特徴

対面型研修は、受講者と講師が同じ場所に集まって受ける研修であり、受講者と講師がコミュニケーションをとりながら学習をおこない、講師が受講者の理解度を確認しながら研修を進めることができます。受講者同士のディスカッションやロールプレイなどを取り入れた研修も可能であり、より実践的な学びを提供できることが特徴です。

しかし、対面型研修は受講者が一度に同じ場所に集まる必要があり、場所や時間の調整も求められるため、コストがe-ラーニングと比べて高くなることがほとんどです。一度に受講できる人数にも限りがあるため、研修を数回に分けて実施することも少なくありません。

同期型オンライン研修の特徴

オンライン研修には、同じ時間に受講者がインターネット上に集まって受講する「同期型オンライン研修」があります。同期型オンライン研修でも、グループワークなどの研修スタイルの実施が可能ですが、対面研修とは異なりリアルで同じ場所に集まる必要はありません。

ただし、「臨場感や、他の受講生と一緒に学んでいる感覚が得づらい」「ノンバーバルコミュニケーション(言語以外の情報を用いたコミュニケーション)が伝わりづらい」といった課題もあります。

e-ラーニングの特徴

e-ラーニング(非同期型オンライン研修)は、インターネット環境とスマートフォン、パソコンなどのデジタル機器を整えることで、受講者の好きな時間や場所で学習できることが特徴です。

e-ラーニングを研修として導入する場合、企業側は教材の配布や内容の修正などを簡単に行え、研修開催にかかる会場費や受講者の移動にかかる費用、人件費などのコストを削減できます。加えてLMS(学習管理システム)を搭載している場合には、受講者の学習成績や進捗状況などを一括して管理することも可能です。

その一方で、e-ラーニングは基本的には個人学習となるため、「受講者のモチベーション維持が難しい」「インターネット環境がないと学習できない」などの課題が挙げられます。学習内容が難しい場合、疑問点や不明点を受講者がその場で質問できず、受講者間で学習理解度に差が出る可能性もあります。また、ロールプレイなどの実技研修や、グループワークが求められる研修などはe-ラーニングでは対応が難しいとされています。

研修の組み合わせと効果

ブレンディッドラーニングは、さまざまな研修形態の組み合わせが可能です。ブレンディッドラーニングによる学習効果を最大化するためには、研修の目的と、それに適した学習方法を検討することが大切です。

e-ラーニング → 対面型研修・同期型オンライン研修
e-ラーニングにて事前学習をした後、複数人が集まった研修でしか実施できない内容を研修に取り入れることで、学習内容のインプットとアウトプットの流れを作り、効率的な知識定着を目指せます。

対面型研修 → e-ラーニング・同期型オンライン研修
はじめに、対面型研修を行って実践的な学びを深めます。その後に、オンライン上で受講者の学習のフォローアップや受講者の自己研鑽の機会を提供することで、学習内容を実践で活用できるレベルになるまで落とし込めるようにサポートできます。

企業研修でブレンディッドラーニングを実施するメリット

企業研修にブレンディッドラーニングを導入することは、どのようなメリットがあるのでしょうか?

企業側のメリット

研修の前後でe-ラーニングによる個人学習を実施し、対面型研修でディスカッションやグループワーク、質疑応答をおこなうなど、それぞれの研修をうまく組み合わせることで学習効率を上げることにつながります。

また受講者の学習データを応用し、一律の研修だけではなく、一人ひとりに合わせた研修を提供することにも役立ちます。

受講者側のメリット

e-ラーニングによって受講者は自分のペースで学習を進められ、学んだ知識をアウトプットする場として対面型研修や同期型オンライン研修を活用することで、知識の定着へとつながります。対面型研修や同期型オンライン研修では、講師へリアルタイムで質問ができます。

また、他の受講者とコミュニケーションをとることで、学習に対するモチベーションの維持や実践的なスキルの習得を目指すことが可能となります。

ブレンディッドラーニングを導入する際のポイント

ブレンディッドラーニングを導入する際には、どのようなポイントを意識すればいいのでしょうか?

研修の設計や準備は念入りにおこなう

複数の学習形態や研修形態を単に組み合わせるだけでは、ブレンディッドラーニングによる効果が得られるわけではありません。学習効果の高い研修を実施するには、研修内容とそれに適した研修形態の組み合わせを検討することが欠かせません。

ブレンディッドラーニングの設計段階では、研修全体の目的や研修内容を整理し、e-ラーニングや対面型研修、同期型オンライン研修などの研修形態のうち、どの研修を、どのタイミングで活用すべきかを念入りに検討することが重要です。

学習の進捗管理を徹底する

「e-ラーニングで基礎知識を学び、対面型研修や同期型オンライン研修で実践する」という流れは、ブレンディッドラーニングで多く活用されていますが、事前の準備が不足している受講者がいると学習効果が思うように得られなかったり、受講者全体の知識レベルにもばらつきが表れたりと、ブレンディッドラーニングの効果を十分に得られないことも考えられます。

事前学習としてe-ラーニングを活用する場合、学習進捗が遅れてしまっている受講者には個別で連絡を入れるなど、受講者の学習の進捗状況は徹底して管理することが望ましいでしょう。

まとめ

複数の研修形態を組み合わせるブレンディッドラーニングを実践することで、効果的な学習機会の提供につながり、企業の人材育成としても有効に活用できます。ブレンディッドラーニングによる研修をおこなう際には、研修の目的とゴールを明確に定めて、研修形態の組み合わせを検討していくことが大切です。今まで以上に研修の効果を高めるためにも、ブレンディッドラーニングをぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

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