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研修前後の取り組みも重要!研修効果を高めるための5つのポイント

2024年05月15日更新

同僚・スタッフ・仲間

研修担当者であれば、一度は「受講者に研修で学んだことを業務で活かしてもらうのは難しい」と感じたことがあるでしょう。では、できる限り研修効果を高めて、研修での学びを現場でも実践してもらうためにはどうすればよいのでしょうか。

研修効果UPのためには、実は研修内容だけでなく、研修前後の取り組みも重要になります。この記事では研修効果を高めるための5つのポイントを解説します。

目次 【表示】

研修をおこなう目的とは

ゴール

研修をおこなう目的は、自社の発展に寄与する人材を育てることです。そのために、受講者には研修を通して必要な知識・スキルなどを習得してもらいます。

自社の発展に寄与する人材を育てるための研修をおこなうためには、企業の目指すゴールと個々の研修のゴールを連携させることが大切です。たとえば、以下のステップで企業の目指すゴールを研修設計へと落とし込んでいきましょう。

  1. 企業の目指すゴール(経営理念、パーパス)を決める
  2. ゴールを実現できる人材要件を定める
  3. 定めた人材要件に当てはまる人材を育てるための教育体系を整える
  4. 教育体系に合わせて、一つひとつの研修のゴールを設定する

なお、「効果的な研修」とは「企業の目指すゴールにより近づくことができる研修」と言い換えられるでしょう。

研修効果に影響を与える要素とは?

研修効果に影響を与える要素とは

研修効果に影響を及ぼす要素を考える上で参考になるのが、2007年にウエストミシガン大学のロバート・ブリンカーホフ教授が発表した”研修は研修当日だけでなく、研修前後の取り組みも重要であること”を示す「4:2:4の法則」です。

<「4:2:4の法則」:効果のない研修プログラムの原因>
・受講者の事前準備・環境整備の不足:40%
・研修内容自体の問題:20%
・研修内容実施に対する環境上の障害:40%

 

同法則を参考にすると、上記の通り「受講者の事前準備」や「研修実施後のフォロー」といった「研修前後の環境をいかに整えるか」が研修効果に大きな影響を及ぼすことがわかります。研修前後の環境整備の例としては「研修目的の明確化」や「研修効果測定の実施」などが挙げられます(詳細は研修効果を高める5つのポイントにて)。

一方で、研修内容自体の影響も2割と無視はできません。研修内容のブラッシュアップと研修前後の環境整備、両方に取り組む必要があると考えましょう。

研修効果を高める5つのポイント

研修効果を高める5つのポイント

ここでは研修効果を高める5つのポイントを解説します。

研修の目的を明確化する

研修効果を高めるためには第一に、受講者に当事者意識を持ってもらった上で研修に臨んでもらう必要があります。何事もそうですが、当事者意識がなければ研修に身が入らず、十分な知識・スキルの習得ができないためです。

当事者意識を持ってもらうためには、「なぜこの研修を実施するのか」という研修目的を明確化した上で、受講者に目的を理解・納得してもらうことが大切です。具体的には「この研修を受講したことでどのような状態になって欲しいのか」「研修でなにを持ち帰って欲しいのか」などを研修実施前に受講者にはなるべく具体的に掲示しましょう。

なお、「研修前後にも上司に関わってもらう」でも詳しく紹介しますが、可能であれば受講者の上司に協力を仰ぎ、上司から受講者へ研修の目的を説明してもらうのも有効です。

アウトプットもおこなう研修内容にする

記憶の定着のためにはインプットだけでなく、アウトプットも重要です。「思い出す」というプロセスが必要なアウトプットをすることで、より研修内容が記憶に定着するようになるためです。加えて研修時のアウトプットは、現場における研修内容実践の予行練習にもなるでしょう。

また、受講者としても、適宜アウトプットをおこなった方が、集中力を切らさずに研修を受けられるはずです。

もちろん研修内容によってはインプットが大半を占める場合も考えられますが、グループディスカッションやロールプレイングなど、できる限りアウトプット要素を研修に取り入れることで研修効果の向上が期待できます。

ブレンディッドラーニングを実施する

「ブレンディッドラーニング」とは複数の学習形態を組み合わせる学習方法のことです。具体的には「対面型研修」や「オンライン研修」、「e-ラーニング」などを併用する方法を指します。

たとえば、「e-ラーニングで受講者に事前学習をしてもらった上で、対面型研修にてアウトプットを中心とした研修をおこなう」というケースが一例です。

研修形態それぞれの特徴を活かせるブレンディッドラーニングは、従来の対面型研修やオンライン研修などを単体で実施するよりも、学習効率が高いことが指摘されています。効果的な研修を実施するために、同学習方法の導入を前向きに検討してみましょう。

研修前後にも上司に関わってもらう

先に紹介した、研修当日の内容と比較して研修前後の要因の方が研修効果に大きな影響を及ぼすという「4:2:4の法則」を参考にすると、研修前後にいかに上司が受講者に関わるかもポイントです。

たとえば、研修前に上司が受講者と面談をおこない、研修でどのような知識・スキルを獲得するかのすり合わせをしたり、研修後には受講者が研修内容を実践するための障害を取り除く支援をしたりする、といった関わり方が想定されます。

研修は、研修の場だけで完結するものではありません。現場にいる上司にも積極的に協力してもらうことが大切です。

研修効果測定をおこなう

研修効果測定をおこなうことで、「研修目的をどの程度達成できたのか」「受講者の知識・スキルはどの程度向上し、組織にどのような影響を与えたのか」などの効果を把握できます。

そして、効果測定の結果を踏まえ、研修内容の改善や知識定着・活用の機会の見直しなどをすることで、今後おこなう研修の効果を高めることが可能です。

効果測定方法の一例として反応・学習・行動・成果の4つのレベルにおいて効果を測定する「カークパトリックモデル」があります。効果測定時には同モデルの活用も検討してみましょう。

研修効果を高め、自社に貢献する人材を育てよう

ダッシュボードを見ながら次の戦略を考える

研修効果を高めるためには、研修内容に加え、研修前後の取り組みにも目を向けなければなりません。

研修前後の取り組みでは、受講者に研修目的の理解を促したり、上司と受講者とで面談を行ったりする取り組みが効果的です。また、研修内容についてはアウトプットもおこなう構成にしたり、複数の学習形態を組み合わせる「ブレンディッドラーニング」を導入したりする方法も有効でしょう。

研修効果を高めることで、「自社に貢献する人材を育てる」という研修の目的をより効率的に達成することができます。本記事で紹介した研修効果を高める5つのポイントを自社の状況に応じて、アレンジしながら取り入れてみてはいかがでしょうか。

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