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段取り力とは?社員の段取り力を高める3つのポイント

2024年03月13日更新

Group of businessperson in office

設定した目標に向かうときや、多くのタスクをこなす必要があるとき、段取りを立てることができれば、短時間で最大の成果を出せるようになります。物事をスムーズかつ正確に進めるために必要な能力が「段取り力」です。

本記事では、段取り力とはなにか、企業にとっての重要性や段取り力が高い人の特徴、段取り力を高める3つのポイントについて解説します。

目次 【表示】

段取り力とは

Business network concept.

「段取り」とは、一般的に「物事を進める順序や手順」を指す言葉です。

物事がスムーズに運ぶように事前に準備することや、手順を整えるスキルのことを「段取り力」といい、ビジネスや日常生活などにおけるさまざまな場面で必要とされます。

社員の段取り力は企業にとっても重要

近年、働き方改革によって労働時間の見直しが進み、社員一人ひとりの生産性向上に向けた取り組みがよりいっそう重要性を増しています。

社員の段取り力を高めることで、時間と人的リソースを最大限活用できるようになり、組織全体の成果にも繋がっていきます。

段取り力を社員に身につけてもらうメリット

社員が段取り力を身につけるメリットは、以下の要素によって、短時間で最大の成果を出せるようになることでしょう。

  • 無駄な時間や労力をかけずに仕事が効率化される
  • 仕事全体が俯瞰でき、ミスが起こりづらくなるため、心理的に安心して仕事を進められる
  • 段取りを組織内のメンバー同士で共有することで、誰が担当しても大きな差が出ずに、仕事を進められる
  • 一方、社員の段取り力が低い場合、どの順序で仕事を進めるかが不明瞭なため「とりあえず目の前の仕事や、やり慣れた仕事からこなしていく」といった仕事の進め方になりがちです。このような進め方では、トラブルが起こった際に仕事全体が滞り、遅れが生じるリスクがあります。

    また、仕事全体を俯瞰できていないために細かい抜け漏れなどのミスが発生することや、トラブルへ適切に対処できないためにさらなるトラブルを招く可能性もあります。

    進捗に滞りなく仕事を進めていくためにも、段取り力を高めていくことが欠かせません。

    段取り力が高い人の特徴

    Businessman walking on urban stairs

    段取り力が高い人には特徴があります。ここでは3つの特徴を紹介します。

    目的達成に向けて柔軟に対応できる

    段取り力が高い人は、あらゆる状況を想定し、目的を達成するうえでリスクが高いと思われる状況に対しては、事前に対策を講じています。

    さまざまなトラブルに対する対処法を想定できているため、もし実際にトラブルが起きたとしても、柔軟に対応できる傾向にあります。また、当初立てた段取りに固執しすぎず、目的を達成するためであれば、必要に応じて段取りを立てなおすことができます。

    周囲の状況をよく観察し、気を配れる

    周りの人と協力して仕事を進めるうえで、ヒューマンエラーを完全に避けることは難しいでしょう。思い込みや不注意、焦りやストレスなど、さまざまな要素がミスやトラブルに繋がる可能性があるためです。

    段取り力が高い人は、周囲の状況をよく観察し、気を配ることで、ヒューマンエラーをできるだけ回避しています。困っているチームメイトに声をかけることでミスを未然に防いだり、チームメイトとの信頼関係を構築しておくことで、人間関係に起因するトラブルやコミュニケーションロスを防いだりしているのです。

    また、状況の変化をいち早く捉え、大きなトラブルに発展する前に対処できたり、スムーズに進行できるように周りの人と連携できたりする傾向にあります。

    情報収集を怠らない

    段取り力が高い人は、仕事をうまく進めるための情報収集を怠りません。社内だけでなく、ニュースや書籍、講演会など社外に対してもアンテナを張り、広く情報収集をすることで、さまざまな視点を持ち合わせています。

    そうした情報量を生かして、さまざまなケースを事前に想定しておくことで、リスクを抑える計画を立てることができます。また、不測の事態が発生したとしても適切に対処できる可能性が高いといえるでしょう。

    段取り力を高める3つのポイント

    Businessman with number one sign

    仕事における段取り力を高めるうえでは、「仕事の整理」「優先順位付け」「スケジューリング」を意識し、改善していくことが欠かせません。

    社員の段取り力を高める施策を検討している場合は、以下の要素を身につけられるようにするとよいでしょう。

    1.仕事の整理

    段取りにおいてまずおこなうべきことは、自分がすべき仕事を洗い出し、整理することです。仕事の意味や目的について理解したうえで仕事の整理をおこなうことで、段取りにおける抜け漏れをなくし、優先順位付けを適切におこなえます。

    具体的には、以下を順に実施していきます。

    (1)仕事を細分化してリストアップする

    現在どのような仕事を抱えているのかをすべて把握することで、仕事を完了するためにかかる時間を見積もることができ、全体の段取りを整えられます。

    「MECE(ミーシー)」と呼ばれるロジカルシンキングの手法を用いて仕事を細分化することで、漏れやダブりがなくなり、適切に整理できます。

    (2)仕事を分類して関連づける

    仕事をリストアップしたら、分類して関連付け、整理していきます。たとえば、「確認する」「検索する・調べる」「連絡する」といった共通のアクションを含む仕事をまとめることで、効率化を図れます。

    (3)各仕事の所要時間を見積もる

    リストアップした仕事を整理できたら、過去の傾向をもとに、仕事ごとに所要時間を見積もります。しかし、いざ実行してみると予想よりも時間がかかるケースもあるでしょう。

    所要時間の見積もりにおける誤差を減らすためには、仕事に取り組むときに時間を測り、何度か計測した時間をもとに所要時間の平均を割り出すことが効果的です。

    2.優先順位づけ

    正しく優先順位をつけることは、限られた時間内で重要な仕事を終わらせるための段取りを立てるうえで欠かせないプロセスです。

    適切な判断軸を持っていない場合、そのときの気分で優先度が変わったり、着手しやすいものから順にこなしたりしていく傾向にあります。しかし、それでは本当に優先すべき仕事が後回しになる可能性があります。

    俯瞰的に考えるための基本の方法として、下記のマトリクスを活用した優先順位付けを紹介します。
    優先順位付けのマトリクス

    このマトリクスは、「緊急度」「重要度」の判断軸からなり、以下の順に優先度が高くなります。

    【優先順位の原則】
    A:右上(緊急度・重要度ともに高い)
    B:右下(緊急度は高いが、重要度は低い)
    C:左上(重要度は高いが、緊急度は低い)
    D:左下(緊急度・重要度ともに低い)

    ただし、上記はあくまで原則であり、例外も多くあります。また、「緊急度/優先度」の2軸だけでなく、「実現の可能性/売上」や「所要時間/売上」といった2軸が判断軸となるケースもあります。成果を上げることを目的に据えて、最適な判断軸を選びましょう。

    優先度の低い仕事は手放すことも必要

    自分の仕事で手いっぱいのとき、重要度・緊急度ともに低い仕事は優先順位が下がるため、「ひと段落したらやろう」と先延ばしにされがちです。しかし、このように先延ばしの状態が続いた仕事は、着手のタイミングが遅れることにより成果が出にくくなる傾向にあります。

    さらに、対応期限が近づくことで「やらなければ」と気持ちの負担にも繋がり、判断力を鈍らせてしまう傾向にもあります。

    仕事を整理したときに、先延ばしになっている仕事があれば、「少しでも仕事に余裕がある人に譲れないか」を考えます。譲る必要性が感じられない場合は、「本当にやらなければいけない仕事なのか」をあらためて考え、思い切って捨ててみることも重要です。

    仕事を手放すことによって、より重要な仕事に注力できるようになり、限られた時間のなかで成果を高めることができます。

    3.スケジューリング

    いま抱えている仕事を洗い出し、優先順位を付けたら、カレンダーや手帳などのツールを活用して時間管理をおこないます。

    スケジュールが可視化されることで、段取りが計画通りに進んでいるかどうかをチェックできるようになり、段取りが崩れることを早めに防いだり、段取りを修正したりすることができるようになります。

    具体的には、以下の3つの方法を用います。

    To Doリスト

    その日にやるべき仕事をリスト化した「To Doリスト」は、スケジューリングの基本です。To Doリストを作成することで、すべき作業が可視化され、手順や期限を守りやすくなることでスムーズな段取りに繋がります。

    そのために、作業項目だけでなく「着手予定日・完了予定日」「期限」「優先度」などを併記するとよいでしょう。

    ガントチャート

    横軸に時間、縦軸に作業項目を並べた「ガントチャート」を作成することで、複数のプロセスを含むプロジェクトを一目で管理できるようになります。進捗度をチェックしたときに、遅れが出ている場合はその都度チャートを修正します。

    作業日誌

    毎日の終業時に、その日の仕事の進め方や成果を振り返る時間をつくることが大切です。「所要時間の見積もり」「仕事を進める順序」などが適切だったかを振り返り、改善点を明日以降に生かしていくことで、段取り力が高まります。

    まとめ

    Young businesspersons working in an office

    社員に段取り力を高めてもらうことで、社員一人ひとりの生産性向上だけでなく、組織全体でより高い成果を生み出すことに繋がります。やるべきことが多く、時間が限られている現代こそ、段取り力は重視される能力のひとつです。

    社員の段取り力を高める施策として研修の実施も検討してみてはいかがでしょうか。

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