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週休3日制はどのようなメリットがある?注意点も解説

2022年01月12日更新

働き方改革の実現へ向けておこなわれているさまざまな施策の中で、今後大きな注目を集める可能性が高い「週休3日制」。しかし、休日を増やすことで業務への影響は出ないのか、生産性が低下しないのかなど、懸念があることも事実です。

そこで今回は、週休3日制を実現することで企業や社員に対してどのようなメリットがあるのか、同時に注意すべきポイントについても詳しく解説します。

目次 【表示】

週休3日制とは

週休3日制とは、その名の通り、1週間のなかで3日間を休日とする勤務体系のことを指します。

日本国内では働き方改革の一環として、注目されている施策のひとつです。欧州の一部の国では、労働時間削減を目的として試験的に週休3日制を導入した結果、生産性や業務の質を維持・向上することにも成功しています。

日本においても、一部の企業で週休3日制を導入するケースが登場しており、今後、働き方改革を実現するため週休3日制は注目度の大きい施策といえます。

週休3日制の種類

週休3日制には大きく分けると「給与減額型」、「給与維持型」、「総労働時間維持型」の3つのパターンが存在します。

「給与減額型」とは、勤務日数、勤務時間数に応じて給与が減額されるパターンです。たとえば、週5日勤務から週4日勤務へと変更した場合、元の給与の80%相当など企業が定めた割合の給与が支給されます。

「給与維持型」は、週休3日制によって勤務日数や勤務時間が減っても、給与は減額されることなく従来通り支払われるパターンです。

そして「総労働時間維持型」は、勤務日数は減るものの、減った分に合わせて1日あたりの所定労働時間を増やすパターンです。たとえば、1日あたりの所定労働時間が8時間で週休2日であった場合、週休3日にすることで1日あたり10時間の所定労働時間となります。そのため、総労働時間維持型では週や月単位での所定労働時間は変わりません。

「給与減額型」の場合、給与を減らしたくないと考える社員にとっては不向きですが、プライベートの時間を多く確保したいと考える社員にとっては魅力的です。また、「総労働時間維持型」の場合も同様に、1日あたりの所定労働時間が増えるのは避けたいと考える社員もいる一方で、休日を増やしたいと考える社員もいるでしょう。

それぞれの企業にマッチした働き方に合わせて、導入パターンを検討する必要があります。

政府が提言している「選択的週休3日制」とは

社員が希望した場合に週3日を休日にできるのが「選択的週休3日制」となります。

2021年4月、政府は重要課題の方向性を示す「骨太の方針」のなかに選択的週休3日制の普及を盛り込みました。この背景には、少子高齢化の社会に対応するため、多様な働き方を推進し、働き手を確保することが大きな狙いとしてあります。

上記で紹介したように、週休3日制の導入パターンによっては社員ごとにニーズや考え方が異なり、全社一律で導入するにはハードルが高いと感じる企業も少なくありません。そこで、週休3日制を選択制にすることで、社員のライフスタイルに合わせた多様な働き方を実現することにつながります。

企業にとっての週休3日制のメリット

企業が選択的週休3日制を導入することで、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。3つのポイントを詳しく解説します。

人材の採用促進と離職防止につながる

選択的週休3日制の導入は多様な働き方の推進につながり、人材の採用促進や離職の防止に効果が期待できます。

社員自身が希望する働き方を選択できることは、就職や転職を検討している求職者の方に対してポジティブな印象を与えることにつながります。働き方改革に積極的に取り組んでいる企業であることをアピールでき、入社を希望する求職者の方が増えるでしょう。

また、子育てや介護と仕事の両立が厳しいと感じている社員に対しても、週休3日という選択肢があることで離職防止につなげられます。

社員のモチベーション向上

従来よりも休みが1日増えることは、社員にとっては趣味やスキルアップに費やす時間を確保しやすくなることも意味します。

たとえば、資格の取得に向けた学習時間に充てることができれば、専門的なスキルを身につけられ、普段の業務にも還元できるでしょう。また、業務とは直接的に関連のない趣味や資格であっても、それらのスキルを新規事業に活かせる可能性もあります。

週2日の休日だけでは十分に休息がとれなかった社員は、週に3日の休みがあればリフレッシュでき、仕事のモチベーションが向上することも期待できます。その結果、労働日数や労働時間が短くなったとしても高いパフォーマンスを発揮し、生産性を維持できると考えられます。

コストの削減

週休3日を選択する社員が増えれば、執務スペース内に確保しておく座席の数が削減できるため、オフィスの縮小化が進み賃貸料が削減できるでしょう。また、「給与減額型」および「給与維持型」の週休3日制のもとでは、光熱費や通信費なども削減できると期待されます。

さらに、リモートワークなども併用することで、通勤にかかる交通費といったコストも削減できるでしょう。

選択的週休3日制を導入するときの注意点

選択的週休3日制は企業にとってメリットばかりではなく、注意しなければならない点もあります。選択的週休3日制の導入にあたって注意すべき3つのポイントを解説します。

残業時間の増加

勤務日数が減ったとしても、業務量は従来のままである場合は、勤務日にしわ寄せがでることが考えられます。その結果、休日は増えたものの残業時間も増加し、慢性的な長時間労働に陥るケースもあるでしょう。

さらに、週休3日制を導入したことにより、従来の人員だけでは業務が回らなくなり、新たに人員を増強しなければならなくなる可能性もあります。

業務への支障

休日が1日増えた分、従来は休みでなかった日に顧客や取引先企業からの問い合わせが来ることが想定されます。担当者間で適切に業務の引き継ぎがおこなわれていないと、業務に支障をきたすことが想定されるほか、ビジネスチャンスを逃がす場合もあるでしょう。

問い合わせが来ることが予想される取引先などに対しては、可能であれば前もって休日を伝えておき、別の日に連絡をもらうように依頼しておくなどの工夫が必要です

もしも、そのような依頼が難しい場合には、部署やチーム内でフォローできるよう業務内容や進捗を共有しておく必要があるでしょう。

社内コミュニケーションの低下

週休3日になることで社員同士が顔を合わせる機会が減り、社内コミュニケーションの低下を招くことが懸念されます。また、リモートワークも併用するとなると、対面で顔を合わせる機会はさらに減少するでしょう。

連携不足が起こると業務のミスが発生することが予想されるため、緊密なコミュニケーションをとれるような工夫が求められます。具体的な対策例としては、業務の引き継ぎに関するルールを明確化しておくことや、緊急時の連絡手段を確保しておくことなどが挙げられるでしょう。

週休3日制のメリットと注意点を正しく理解しておこう

週休3日制は、働き方改革の一環として本格的に議論が始まったばかりの段階です。日本政府が「骨太の方針」のなかに選択的週休3日制の普及を盛り込んだことから、今後導入する企業が増える可能性は大いにあるでしょう。

企業にとって週休3日制は、人材採用の促進や離職防止につながるほか、社員のモチベーション向上などさまざまなメリットがあります。その一方で、顧客や取引先対応など業務への支障が出てくることも懸念されます。

自社で今後週休3日制を導入する際には、メリットばかりではなく注意点や懸念点を整理しながら、その解決手段も合わせて理解しておくことが重要です。

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