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Z世代の働く価値観とは?

2021年09月30日更新

「ジェネレーションZ」と呼ばれる世代の社会進出が始まりました。IT技術が確立された時代に生まれ、子供の頃からコンピューターをはじめとするデジタル機器に親しんできたこの世代には、個性の尊重や安定性重視といった共通点があるようです。そんなZ世代は働き方にどのような価値観を持っているのか。マイナビが2020年卒業見込みの大学生を対象におこなった就職意識調査のデータを参考にしながら、傾向を探ってみます。

目次 【表示】

Z世代とは?特徴は?

Z世代はミレニアル世代に次ぐ新しい世代、1990年代後半以降に生まれた世代を指します。特徴としてはIT能力が高く、グローバル意識が高いことなどが挙げられています。社会環境が不安定な時代を生きている親世代を見ていることもあってか、リスクを回避する安定志向でもあるようです。

生粋のデジタルネイティブ

Z世代は物心ついたときからIT技術が確立された状態にあり、スマートフォンやSNSに当たり前のように親しんできた、生粋のデジタルネイティブです。IT製品を利用した作業を苦にしないことに加えて、情報リテラシーも高く、便利なデジタル機器に潜むセキュリティ問題などの危険性も比較的理解している傾向があるようです。

グローバル意識が高い

グローバル意識が高いのもZ世代の特徴の一つ。これは子供の頃から世界中の情報にアクセスして、国際的な社会問題に触れているから。SNSなどを通じて海外との接点をつくることも、Z世代にとってはハードルが低いようです。また多様な個性を受け入れる考え方を持ち合わせていることから、人種や性別などに対する不平等さには敏感で、さまざまな場面で平等性を求めます。

リスクを回避し安定を求める傾向も

Z世代はリスクを避けて、安定を求める傾向にあります。彼らの親世代は、終身雇用が危うくなるなどシビアな社会環境に置かれている世代です。Z世代の安定志向は親を見て育っているからという見方もできるでしょう。

また、デジタル機器を通してさまざまな価値観に触れているので、目立つポジションに立つことだけが人生の成功ではないことも肌で感じており、人生における価値観も多様化しています。

Z世代が求める働き方とは

「楽しく働きたい」が約4割でトップ

マイナビが調査した「2021年卒 マイナビ大学生就職意識調査」(※1)によると、学生の「就職観」は「楽しく働きたい」が35.8%(前年比2.8pt減)でトップとなっています。2位は「個人の生活と仕事を両立させたい」の24.3%(前年比0.1pt減)という結果に。「人のためになる仕事をしたい」「社会に貢献したい」などといった、社会的意義を求めるものに関しては3年連続で減少しています。

この結果からも、Z世代は会社や社会のために身を削るというタイプは少ないかもしれません。職場は雰囲気の良さを重視し、プライベートも充実させたいというのが、Z世代が仕事に取り組む上でのスタイルなのです。

企業選択は「安定している会社」

「企業選択のポイント」については「安定している会社」が38.3%(前年比1.3pt減)。2001年から前年まで同様の調査でトップだった「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」を抜き、前述した安定志向が色濃く出ている結果になりました。ただ、「企業志向」は大手志向が52.7%で前年より1.8%減少し、中堅、中小企業志向が41.1%と前年から2.3%減少しました。

安定志向の傾向があるZ世代ですが、だからといって大手に集中しないことから、自分がフィットできる会社や、これから伸びそうな産業などをしっかり見極めてようとしている姿勢がうかがえます。

行きたくないのは「ノルマのきつそうな会社」

「行きたくない会社」では、「ノルマのきつそうな会社」が34.5%(前年比0.2pt減)がトップ。同様の調査において19年連続で1位だった「暗い雰囲気の会社」は29.5%(前年比0.2pt減)で2位となりました。また、「海外勤務に関する志向」では「海外勤務はしたくない」という答えも増えています。仕事とプライベートを両立させたいのがZ世代。厳しいノルマや転勤の多さなど、個人の生活に直接影響が出る仕事は敬遠されがちなようです。

こちらの記事では2022年度新入社員の意識調査を紹介しています。

Z世代が活躍できる組織づくりは

Z世代は、デジタル化が進む時代の中で、企業にとっても貴重な戦力となるはずです。新世代の特徴を踏まえ、組織の環境を整えていくのも重要になるでしょう。

個別のコミュニケーションが重要

Z世代はSNSなどを通じ、多様な価値観に触れながら成長しているので、個性や自分らしさを大切にしています。Z世代を育成するには、一方的に指示を出すなどのやり方ではなく、個々の能力を伸ばして一人ひとりが主体的に行動する環境をつくることが大切です。

個性を見極めて能力を最大限に生かすには、個別のコミュニケーションも効果があります。仕事の目的や評価の基準などを事細かに伝え、適切なタイミングでフィードバック。教育する側が教育される一人ひとりと向き合える環境であれば、自分の個性をどう生かすかを重視しているZ世代にとっても受け入れやすいはずです。

デジタルに強い側面を生かす

Z世代はSNSやデジタルデバイスを使いこなし、あふれるほどの情報の中で成長してきました。近年の日本ではITの進化に対応できる人材が少ないのが課題とも言われています。各企業が今後も発展を続けるためにも、デジタルデバイスに慣れ親しんできたZ世代の活躍は不可欠になるはず。また、どのようなことに対しても効率性を重んじる傾向にあるようです。デジタルに強いことや、効率性重視というスタイルは、企業にとっても貴重な戦力となりうるでしょう。

個人主義と捉えられることもあるようですが、SNSなどのツールで他人と日常をシェアするのも生活の一部であり、決して個人主義とは言い切れません。信頼できる人物に対しては忠誠心を抱きやすい特徴もあります。

こちらの記事では新入社員向けのフォローアップ研修について紹介しています。

Z世代の価値観を把握して能力を引き出す

企業活動の活性化のためには、若い力が欠かせません。デジタルデバイスを難なく使いこなすZ世代は、今後、IT化がさらに進むであろう社会環境の中で、頼もしい存在になっていくはずです。組織への帰属意識が薄い傾向もあるようですが、基本は「楽しく働きたい」。決して扱いづらい世代ではありません。Z世代を採用する企業は、その特徴をしっかりと把握して、能力を最大限に引き出す環境づくりを心がけましょう。

<出典>
※1 新卒採用サポネット「2021年卒 マイナビ大学生就職意識調査

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