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ビジネスに必要な「発想力」とは?発想力の向上で生まれるメリットや高め方を解説

2024年10月02日更新

パソコンや資料を広げて会議をおこなっている様子
発想力は、ビジネスにおいて重要な位置にあるスキルの一つです。新たなアイデアの創出は新規事業や新製品の開発などに役立つだけでなく、課題解決にも有用といえます。予測困難なVUCA時代の今、市場の変化が激しい中で、多様なニーズに対応しながら事業を推進する人材を育成するためにも、発想力に着目した教育が必要です。

そこで本記事では、ビジネスにおける発想力とはなにか、必要とされている背景や発想力の高め方を解説します。

目次 【表示】

ビジネスにおける発想力とは

本の上に電球と疑問符が描かれた写真ビジネスにおける発想力とは、「多様で効果的なアイデアを生み出すために必要な力」のことです。「発想力」ときくと、先天的に持っている才能と考えられがちですが、実はスキルの一つです。そのため、発想力は学習によって身につけ、意識して磨くこともできます。

多様で効果的なアイデアは、多くの場面で物事を改善できる力を持ちます。発想力を高めることで、課題解決に向けた画期的な解決策を思いついたり、新たな商品・サービスや事業が生まれたりと経営にも好影響が表れるでしょう。

また、アイデアが活発に生まれる職場では、イノベーションが生まれやすくなる効果も期待できるでしょう。

発想力の2つのタイプ

発想力には、大きく分けて「知識型」と「思考型」の2タイプがあります。知識型の発想力は、過去の知識や経験にもとづいたもので、思考型の発想力は、想像や経験していないことからアイデアを生み出すという特徴があります。

ビジネスにおいては、知識型と思考型どちらの発想力も重要です。しかし、これからのビジネスパーソンは、思考型の発想力を磨くことが重要になってくるでしょう。不確実で予測困難なVUCA時代の今、市場やニーズ・価値観が激しく変化していることから成功体験や成功事例など、過去の知識や経験にもとづく知識型の発想で生まれたアイデアが通用しないケースも増えてきています。

また、知識の蓄積は人間よりもコンピューターの方が得意であること、また、知識をもとにした発想はAIがすでに人間を凌駕していることから、AIを用いることでよりよいアイデアが出る可能性が高くなります。

思考型の発想力を身につけることで、AIでは出せない新たなアイデアや、これまでになかった課題の改善策を生み出せるようになるでしょう。

ビジネスにおいて発想力が必要な理由

スーツを着た女性が考え事をしている様子ビジネスにおいて発想力が必要な理由には、主に次の2つがあります。

ビジネスを取り巻く環境の変化

グローバル化やIT技術の進展、ニーズの多様化など、ビジネスを取り巻く環境の変化によってこれまでにないさまざまな課題が生まれています。これらの課題を解決するためには、過去に効果のあった改善策や事例を参考にしながら、それと並行して新たな解決策を生み出す必要もあります。

競争力の強化

自社の競争力の強化のためには、ニーズの多様化、市場変化の迅速化に対応する製品やサービスを生む企画力が必要となります。ただし、ビジネスシーンで求められる発想力には、多様で効果的なアイデアである必要があることから、その域を超えて、空想や絵空事のアイデアとならないように「実現可能であること」も重要です。

また、社員それぞれが発想力を向上させることで、イノベーション創出の活性化を促進できる可能性があります。人口減少や少子高齢化の進行、国際競争の激化など、ビジネスを継続するためには今後もさまざまな課題と向き合っていくことになります。課題解決から一歩踏み込み、新たな可能性を見いだしていくためにも、イノベーションを創出し続けられる環境の構築が大切です。

社員それぞれの発想力を向上させると、話し合い、コミュニケーションを取りながらイノベーションを生み続けられる体制を作れる可能性があるでしょう。

ビジネスにおいて発想力を高めるメリット

パソコンや資料を広げて会議をおこなう様子思考型発想力が身につくと、これまでになかった問題が生じた際にも新たなアイデアによって改善解決を図れるようになる、既存とは異なる新製品やサービスを生み出せるようになるなどのメリットが生まれます。

さまざまな課題を解決できる

社員それぞれが思考型発想力で課題解決方法を模索していくことで、いくつもの異なる新たなアイデアが生まれていくでしょう。それぞれが出した課題解決策を試したり、よりよいと思われる方法を取捨選択したりしながら、迅速に課題を解決できる可能性があります。

新たなアイデアで競争優位性を高められる

社員の発想力の向上によって、競合他社とは異なる角度の製品やサービスをつくり出せる可能性が高まります。新たな製品やサービスが、認知の拡大や市場における地位の獲得などにつながることも考えられます。これらによって競争優位性が高まり、経営への好影響が期待できます。

アイデアの創出に重要な6つのポイント

商談をする男性の様子これまでに説明した「多様で効果的なアイデア」を生むために、次の6つのポイントを意識して思考をしてみましょう。

自信を持つ

新たなアイデアの創出を、「自分にはできない」と思わず取り組むことが大切です。自信の源となるものは、過去の成功体験です。過去の成功体験で得た知識は、思考のための土台となり、アイデアを生むための発想力の一つでもあります。つまり、発想力は誰にでも備わっているものといえます。

自分は発想力の土台である知識があること、発想力が備わっていることを理解して、自信を持ってアイデア出しに取り組んでみましょう。

思いっきり楽しむ

緊張や焦りがあるときには、なかなか柔軟な発想ができないことがあります。重苦しい雰囲気の会議や、時間がない中でアイデアを求められてもうまくいくことは少ないでしょう。リラックスしてポジティブな状態にあるときには、アイデアを生み出しやすいものです。前向きな気持ちでアイデア出しに取り組みましょう。

好奇心を持つ

さまざまなことに好奇心を持つことがアイデアの創出につながります。自分の中にある当たり前や常識、過去の経験などにとらわれず、「なぜそうなるのか」をあらためて考えていくことが重要です。

勇気を持つ

新たなアイデアの発表には、思ったよりも勇気がいるものです。自分のアイデアについて他人からどう思われるのか、笑われることはないかなどの恐怖心に打ち勝ち、勇気を持ってアイデアを発表してみましょう。自分の発表に対する反応は、アイデアをよりよいものにするためにも重要な要素です。反応をヒントに、アイデアを磨きます。

目的をイメージする

なぜアイデアを出すのか、その理由をはっきりと具体的に持ちながらアイデア出しに取り組むことが大切です。課題の改善のためのアイデアであれば、どのような課題かを明確にしたうえでアイデア出しをスタートします。これにより、目的に沿ったアイデアを出せるようになるだけでなく、高いモチベーションを持ってアイデア出しに取り組めます。

数も重要

はじめから質のいいアイデアを出すことは難しいものです。まずは質よりも量を重視して、より多くのアイデアを出すように意識してみましょう。

発想力の高め方

電球が光っているイラスト
発想力を高める方法はいくつかあります。それらのうち、とにかく考えを外へと広げてより多くのアイデアを考え出すための思考法が「発散思考」です。

発散思考を用いて発想力を高める際には、発散思考の中の「自由連想法」と「強制連想法」の2つそれぞれを活用する方法があります。自由連想法と強制連想法では、アイデアを出す方法が異なります。ここからは、それぞれを用いて発想力を高める方法について見ていきましょう。

自由連想法

自由連想法とは、条件を定めず、思いついたものを自由に挙げていく方法のことです。自由連想法の代表例には、ブレインストーミングなどがあります。自由連想法は、アイデアの出し始めの段階など、アイデアの種をより多く出したいときに有効です。

自由連想法でアイデアを出す方法には、主に次のようなものがあります。


ブレインライティング
ブレインストーミングが思いついたアイデアを「言う」のに対し、思いついたアイデアを「書き」出していく方法がブレインライティング。発言が苦手な人でも取り組みやすく、他のメンバーの発言に左右されず平等にアイデアを提示できる特徴がある。
欠点・希望点列挙法
テーマを決め、欠点や短所、不満を出していく方法。それに対する改善策を考え、さらに実現可能性を考慮しアイデアを絞り込んでいく。欠点列挙法は現状を出発点とした「改善型のアプローチ」、希望点列挙法は先に理想となるゴールを決める「改良型のアプローチ」といえる。
9マス発想法
9マスの中央にテーマを書き、他のマスに連想するキーワードを入れていく方法。「テーマA」から連想されるキーワードの中から気になるものを選択し、さらに中央に「テーマB」として記入し連想するキーワードを書き出していく、というようにしてアイデアを出していく。



 
まずはこれら3つそれぞれの方法を試し、数多くのアイデアを出してみましょう。

強制連想法

強制連想法では、条件を定めてそれに従い考えアイデアを出していきます。強制連想法は、「決まった条件」という刺激を与えることで、頭の奥底に眠るアイデアを揺り起こしアイデアを出す方法といえます。アイデア出しの中盤以降で、ある範囲の中からアイデアの数や種類を増やしていきたい場合に有効です。

強制連想法によるアイデア出しには、主に次のような方法があります。


SCAMPER(スキャンパー)
チェックリストを用いてアイデアを出す方法。次の7つの切り口を使って異なる角度からアイデア出しに取り組む。

・Substitute(代える、代用する)
・Combine(組み合わせる)
・Adapt(適応させる)
・Modify(修正する)
・Put to other uses(他の使い道)
・Eliminate(省略する、除去する)
・Rearrange(再調整する)

シックスハット発想法
6つの視点を設定して、それぞれの視点でアイデアを出す方法。6色の帽子を用いることから「シックスハット」と呼ばれている。次のように視点を定め、メンバー全員で異なる色の帽子を同じタイミングでかぶり、意見を出しあっていく。

・白:中立的な立場で考える
・赤:好き/嫌いなど直感で判断する
・黒:マイナス面について考える
・黄:プラス面について考える
・緑:新しいアイデアや別案を考える
・青:意見をまとめる

カラーバス発想法
決められた色に注目して発想のヒントを探す方法。注目する色を一つ定め、フィールドワークをおこない、該当する色のものを発見した際にはメモをするなどして記録する。さらに収集したメモなどを切り口に、思いつくことを書き出し、それらとテーマを結び付けてアイデアを膨らませていく。



 

アイデア出しの当初は自由連想法で、自由連想法でのアイデア出しに行き詰ったときには強制連想法でアイデアを出し、詰めていくことで数多くのアイデアを出せるようになるでしょう。

発想力を高め困難をチャンスに変えられるビジネスパーソンに

スキルの一つである発想力は、意識的に磨き、高めることでよりよいアイデアを創出できるようになっていきます。

過去の経験や成功体験をもとにアイデアを生む「知識型」の発想力と、過去の事例や成功体験では通用しないケースにも対応できるようになる可能性のある「思考型」の発想力、それぞれを用いてアイデア出しをおこない続けることが大切です。

これまでになかった課題の解決策や、新規事業や商品・サービスを生み出せる人材づくりを意識し、社員の発想力の向上に取り組んでみましょう。

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