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ロジカルライティングとは?書き方・鍛え方や身につけるメリットを解説

2023年07月28日更新

メールやチャットなど、文章によるコミュニケーションはビジネスに欠かせないものです。しかし、適切でない文章の構成や言葉選びをしてしまうと、誤解を招いたり伝えたいことがうまく伝わらなかったりすることも少なくありません。

そこで重要なのが、簡潔・明瞭な文章を書くためのロジカルライティングというスキルです。ロジカルライティングとはなにか、企業にとってのメリット、社員にスキルを身につけてもらうための方法もあわせて紹介します。

目次 【表示】

ロジカルライティングとは

ロジカルライティングとは、「論理的に構成された、簡潔明瞭でわかりやすい文章を書くスキル」のことを指します。簡潔とは「表現が簡単で要領を得ていること」、明瞭とは「意味が明らかであり、曖昧さがないこと」を意味します。

企業にとってロジカルライティングが必要な理由

ロジカルライティングが企業において重要視されるようになったのには、どういった理由があるのでしょうか。

大きな要因のひとつとして、業務のデジタル化が進み、ビジネスにおいてメールやチャットなどで文章を書く機会が、過去に比べて大幅に増えてきていることが挙げられます。

顔の見えない相手に対し、正確に状況や結果を報告したり、意見を伝えたりするためには、ロジカルライティングのスキルが不可欠です。社内はもちろん、取引先や顧客といった社外の人と文章でコミュニケーションをとる場面も少なくありません。

社内では当たり前の共通認識として捉えていることも、社外の人にとっては認識が根本から異なっているケースも多く、認識の違いや誤りを未然に防ぐためにもロジカルライティングのスキルが求められるのです。

昨今では、テレワークの普及によって、メールやチャットといった文章でコミュニケーションをとる機会が増加したことも一つの要因に挙げられます。

ロジカルライティングを社員に身につけてもらうメリット

ロジカルライティングのスキルを社員に身につけてもらうことで、企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。

業務の効率化につながる

文章でのコミュニケーションにあたっては正確な情報伝達ができていないと、お互いの認識に齟齬が生じ、ミスが発生しやすくなります。ロジカルライティングのスキルが備わっていれば、簡潔で要領を得た文章によって正確な情報伝達ができ、認識の齟齬をなくすことができるでしょう。

文章上でのコミュニケーションがスムーズになることで連携も取りやすくなり、業務を円滑に進められ業務効率化につながっていきます。

提案力が向上する

取引先や顧客と商談を進める際、説明用の資料を作成することも多いものです。

ロジカルライティングのスキルが身についていれば、要領を得たシンプルな表現の文章によって相手に内容が伝わりやすい資料になります。納得してもらいやすい資料を作成することで商談を有利に進められる可能性があります。

取引先や顧客に対して納得感の高い提案ができれば、自社に対する信頼性が向上し、提案を受け入れてもらえる可能性が高まるでしょう。

ロジカルライティングを実践する5つのステップ

ロジカルライティングを実践するには、以下の5つのステップに分けて取り組む方法があります。

1.目的と内容を明確にする

文章を書く前に、目的と内容を明確にしておきましょう。

目的を明確にするとは、なぜその文章を書くのか、なにのために書くのかを整理することを指します。また、内容を明確にするとは、なにについて文章を書くのかを整理することを指します。

これにより、書き手の伝えたいことが読み手に正確に伝わり、書き手と読み手の間で文章の捉え方が大きくずれることがなくなるでしょう。

2.情報収集をおこなう

次に、文章を書くうえで必要な情報を集めます。

文章を読む人の立場に立って、どういった情報を求めているのかを考えることが大切です。情報量が多い場合には収集した情報をグルーピングして整理しておきましょう。

3.論理構成を考える

必要な情報が集まったら、伝えたい結論や主張はなにかを明確にし、そのための根拠を示します。

論理構成は文章のアウトラインを決める際の重要なステップであり、読み手を意識しながら考えることが大切です。論理構成が決まった後には、どの情報をどの順番で伝えるかアウトラインを考えます。

作成する文書の種類によって、結論や主張を先に示す場合もあれば、前提や根拠から示し結論を最後に述べる場合もあります。たとえば、報告書は結果を迅速に伝える必要があるため、結論→根拠の順番で構成するのが理想的とされています。

4.簡潔・明瞭な文章を作成する

構成が決まったら、文章の作成に入ります。

文章表現は簡潔・明瞭であることがなによりも重要です。文章表現のコツは“ロジカルライティングを鍛える方法”の章で詳しく解説します。

5.文章を推敲する

最後に、作成した文章に、誤字脱字や誤った表現、誤解されやすい表現などがないかを見直します。

また、目的や内容に沿った文章になっているか、結論や主張に対して根拠が明確であるか、読みやすい文章になっているかなどもあらためて見直しましょう。

ロジカルライティングを鍛える方法

論理的で簡潔・明瞭な文章を作成するためには、文章表現のコツを押さえておく必要があります。ロジカルライティングを鍛える方法として覚えておきたい3つのポイントを紹介しましょう。

・簡潔で明瞭な文章を心がける
まずは、日頃から簡潔で明瞭な文章を書くことを意識し実践することが大切です。簡潔で明瞭な文章を書くためには、以下のポイントを心がけてみましょう。

・できるだけ一文を短くする(40字以下を目安に)
ポイントを押さえた簡潔な文にするために、1文に2つ以上の情報がある場合には2文に分けましょう。また、不要な情報や表現があれば削除することも大切なポイントです。

・2つの意味で解釈できないように書く
読み手の誤解を招かないようにするためにも、2つの意味で解釈できる文章は避けましょう。2つの意味で解釈できる文章として、以下の例文が挙げられます。

例「AさんはBさんとCさんに相談した」

→「AさんがBさん・Cさんにそれぞれ相談した」という意味以外にも、「AさんとBさんが一緒になってCさんに相談した」という意味で捉えることもできます。曖昧な表現は避け、明瞭な文章を心がけましょう。

・主語と述語を近づける
主語と述語をできるだけ近づけ、「誰が主語」で「どの述語」にかかるのかを明確にすることで明瞭な文章に仕上がります。

例「社長は、全社員が努力したこととコロナ禍からの回復もあって、今年度の売上が過去最高に達する見込みであると発表した。」

→「社長は、今年度の売上が過去最高に達する見込みであると発表した。また、この理由として、全社員の努力とコロナ禍からの回復が大きな要因であったと述べた。」

「社長は」という主語に対して、「発表した」が述語にあたります。そのため、この2つを近づけることではじめに結果を述べ、主題をはっきりさせることができます。それにより、その後の「全社員の努力」「コロナ禍からの回復」が結果に対する要因であるということが伝わりやすくなります。

・読み手を意識する
文章を書くときにはつねに読み手を意識することが大切です。

否定的な内容を伝える際には、肯定的な表現に替えるとよいでしょう。たとえば、「◯◯でなければ対応できません」ではなく、「◯◯をいただければ対応が可能です」などに置き換えてみることが有効です。

また、「恐れ入りますが」や「申し訳ございませんが」、「お手数をおかけしますが」といったクッション言葉を使用することでやわらかい印象になります。

・研修を受講する
ロジカルライティングを学べる研修を受講することも一つの方法です。

研修のなかでは、練習問題の演習を通してロジカルライティングを実践的に学べるほか、グループ内でのディスカッションや事例の共有などを通して、簡潔・明瞭な文章を書くための考える力を身につけることもできます。

業務の効率化や提案力の向上に役立つロジカルライティング

ビジネス文書の作成はもちろん、メールやチャットといった文章でのコミュニケーションを実践する際にも、ロジカルライティングは重要なスキルの一つです。

社員一人ひとりにロジカルライティングを身につけてもらうことで、業務の効率化や提案力の向上が期待でき、企業にとっても大きなメリットが得られます。社員にロジカルライティングを実践してもらうためには、今回紹介した5つのステップを参考にしつつ、研修の実施も検討してみましょう。

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