LMSとは?eラーニングとの違いや活用事例、導入時の注意点を解説

企業の研修としてeラーニングを検討すると、同時に目にすることが多いLMS。eラーニングと同じものだと誤解されがちですが、この2つの定義には違いがあります。LMSやeラーニングの導入を検討している企業のために、LMSとはなにか、eラーニングとの違い、LMSの機能、活用のメリットや活用事例、近年のトレンド、導入時の注意点を解説します。
LMSとは?

LMSとは、「Learning Management System」の略で、eラーニングなどの実施に必要な学習教材の配信や、人事部門が企画する人材育成プログラムのデータを管理できるシステムです。具体的には、従業員ごとの受講履歴や成績、eラーニングの進捗データなどがその一例です。管理できるデータは、eラーニングに関するものだけではなく、オフラインでの集合研修に関するデータも含まれます。データを統合的に管理することで、効果的な人材育成プログラムの実施を支援するツールといえます。
日本語では一般に「学習管理システム」と呼ばれますが、研修管理システム、教育管理システムなど、提供する企業によっても名称が異なります。
LMSの導入が進む背景
もともと企業研修は対面でおこなう集合型が中心でしたが、1990年代頃からCDやDVD教材が登場し、時間や場所の制約が少なくなりました。
2000年頃にはeラーニング(インターネットを通じた学習)が普及し、学習の自由度がさらに高まりました。
しかし、学習内容を指示するだけでは、受講率も低く、実際の学習効果も把握できないという問題も浮上し、管理も難しかったため、集合研修を継続している企業が多くありました。
こうした背景を受け、学習状況の可視化や一元管理を可能にする「LMS」が登場しました。
近年では、リモートワークやDX推進により、柔軟かつ効率的な教育体制の構築が求められるようになっていることも、LMSの導入を加速させている背景といえます。
LMSの種類
LMSの種類は、システムの導入方法の観点から、下記の2つがあります。
⮚ オンプレミス型:LMSを利用する企業が持っているサーバにLMSのソフトウェアを導入する
⮚ クラウド型:LMSのソフトウェアを販売している企業がサーバを管理し、外部からアクセスする
現在は、手軽に導入できコスト効率の高いクラウド型が主流となっていますが、社内でLMSを構築できるノウハウや体制があれば、長期的な視点で見たときに費用対効果が高い「オンプレミス型」も選択肢となるでしょう。
| オンプレミス型 | クラウド型 | |
|---|---|---|
| 導入コスト | ||
| 導入までの期間 | ||
| 運用コスト | ||
| セキュリティ対策 | 自社での構築・管理が前提だが、高度かつ厳格な設定が可能 | ベンダー側でセキュリティが最新状態に保たれるが、カスタマイズには制限あり |
| カスタマイズの幅 |
LMSとeラーニングの違い

| LMS | eラーニング | |
|---|---|---|
| 定義 | ||
| 主な目的 | ||
| 主な機能 | ・進捗状況の管理 ・成績・受講履歴の管理 ・ユーザー間のコミュニケーション など |
(動画、スライド、テキストなど) ・テストの受験 ・学習履歴の保存 など |
LMSと混同されがちなeラーニング。eラーニングという言葉自体は、インターネットを通じて提供される学習コンテンツ・学習方法を示します。eラーニングシステムの中には、研修担当者や管理職の立場から、受講者のeラーニング受講状況を把握できるものもあります。
しかしeラーニングシステムでは、オフラインでの集合研修や社外で受講した研修の受講履歴が把握しづらいという課題がありました。そこで、その課題に対応するべく登場したのがLMSです。
LMSは、受講者と研修担当者、そして管理職と講師の橋渡し役を担います。受講者ごとの受講状況や理解度を総合的に管理することで、より効果的な学習機会の提供につながります。
また LMSを活用することで、たとえば「次世代のリーダーに」と考えている人材に、「現在活躍しているリーダー」がこれまで受けてきた開発プログラムを網羅的に受講させる、といったことが可能になります。
LMSの機能

LMSの機能は大きく分けて4つ。「受講者の管理」、「進捗状況の管理」、「成績・受講履歴の管理」、そして近年活用されている「ユーザー間のコミュニケーション」です。
受講者の管理
システム上で受講者を管理する機能として、主に以下の機能が備わっています。
| アカウントの登録・削除 | 入社・退職などの変動に応じて、受講者の追加や削除をする |
| グループ管理 | 所属先や職位などでグループ化して受講者の管理をする |
| グループ別教材配信 | グループごとに研修を展開する |

