HR Trend Lab
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HRはテクノロジーから“エクスペリエンス”へ。HR Technology Conference&Expo 2019報告会レポート

2020年01月08日更新

2019年11月18日新宿ミライナタワーにて、HR Trend Lab主催の『HR Technology Conference&Expo 2019報告会』が開催されました。

『HR Tech Conference & Expo 2019』はHRテクノロジー市場のトレンドをテーマとした世界最大級のイベント。毎年ラスベガスで開催される同イベントは今年で第22回を迎え、カンファレンスには188名が登壇しました。40カ国以上から1万人が参加したイベントには、HR Trend Lab研究員も参加。この記事では、同イベントに視察に向かった日本企業のゲストとともに、HRの最新トレンドを報告します。
>>2019年 HR Technology Conference&Expo ラスベガス現地レポートはこちら

これからのHRは「エクスペリエンス」がキーワードになる

開会の挨拶を務めるのは、株式会社マイナビ 教育研修事業部 開発部部長/HR Trend Lab 所長の土屋裕介。2年前にも同イベントに足を運んでいた土屋は、イベントを振り返ってこう話します。

土屋:今回の視察で感じたキーワードは「エクスペリエンス(体験)」。基調講演やカンファレンスを聞くと、「従業員個人の仕事体験」を重視する機運が高まっていました。

従来、従業員個人のデータは企業側の会社全体を管理するという目的のために収集され、活用されてきました。そのため従業員には、企業が主導してデータを収集し、制度など組織全体の改善をおこなう、という受動的な意識があったように思います。

しかしこれからは、従業員個人が主体となって自身の業務や環境をよりよくすることを念頭に、自身のデータをどのように集め、どこに貯めて、どう扱っていくか。自身のデータや、組織に対してより能動的な意識を抱くことが必要となるでしょう。

個人が主体となっていく時代においてはテクノロジーの後押しも重要な要素となるはずです。たとえば、1on1をより効果的に受けるためのツールや、従業員一人ひとりが必要だと考える研修の受講が実現できるようになります。

この従業員個人が主体となっていく潮流は近い将来日本に上陸するはず。1〜2年後には人事担当者が「エクスペリエンス」と口に出す機会も多くなるのではないでしょうか。

この未来を私は好意的に捉えています。テクノロジーの時代とは言え、人同士の関係性が存在しないと技術は使えませんし、イノベーションも生まれません。
ゆえに今後は、人と組織との関係性を良くすることが、組織・個人両方によい結果をもたらすでしょう。

今回登壇していただく方々はイベント会場で出会った方々です。「エクスペリエンス」をキーワードに、各々の視点からHRテクノロジーの未来についてお話していただきます。

HR の未来を示す5つのキーワード
レジェンダ・コーポレーション才藤孔敬氏

最初の登壇者は、レジェンダ・コーポレーション株式会社 HRイノベーション研究所所長の才藤孔敬(さいとうよしひろ)氏。同社は激動の時代を生き抜く企業の価値向上を、人事の側面から支援。中堅から大手まで550社以上に採用、人事労務のアウトソーシングを行っています。
才藤氏は『HR Tech Conference & Expo 2019』で行われたJosh Bersin氏の基調講演をもとに、今後のHR テクノロジーを示す5つのキーワードを紹介しました。

才藤:昨年のエキスポではAI・VR・ブロックチェーンなど尖ったテック企業の出展がありましたが、今年は、先進的なテックはあまり目立たず、寧ろ「エンプロイー エクスペリエンスの改善が重要」「従業員のためのツール、テック」「従業員が主役」などの考え方を基にした講演や出展が多く見られ、HRテック分野の変化を感じました。

私のセミナーでは、Josh Bersin氏が基調講演で話した「HRの未来を予想する5つのキーワード」についてお話しします。

1:フィードバックの活用

従業員同士、上司・部下間のフィードバックは関係性構築の一助となり従業員のエンゲージメントを向上させます。同様に「レコグニション」も重要であり、褒め合い賞賛することがエクスペリエンスの改善、エンゲージメントの向上に貢献します。今回のイベントでも、フィードバックを促進するツールが多数出展されていました。

2:学習機会の提供

従業員に学習機会を提供することは、業務効率だけでなくエンゲージメントも向上させます。また、学習機会の提供は求職者の方に好印象を与え、企業の採用活動にもプラスに働きます。

3:タレントモビリティの向上

内部人材の流動性を高め、他部署への異動や登用をおこなうことにより従業員のエンゲージメントは向上します。不足人員を社内調達できる上、コスト面でもプラスの場合が多いです。
また、社会・企業・個人の3つのニーズが重なる業務でキャリアモデルを形成できれば、従業員のエンゲージメントが向上します。

4:新たな労働力の活用

採用が困難な現状に対応するために代替的労働者(派遣社員、フリーランス/個人事業主、ギグワーカーなど)の活用が必要になってきています。現在、代替的労働者の増加により、アメリカでは2020年に個人事業主が4000万人超まで拡大するとの試算が出ています。
今後は、従来のような現場主導で足りないポジションを補充するという考えではなく、全社的な戦略として代替的労働者の活用を考えることが重要になってきます。

5:アクションプラットフォームの創造

HRテクノロジーの分野では、すでに「パフォーマンスマネージメント(成績管理)」「レコグニション、リワード(実績評価)」「ラーニング・キャリア(学習とキャリア形成)」「エンゲージメントアナリティクス(満足度分析)」など、数多くのツールが提供されています。
そのため、これからはこれらのツールを横断的に統合・融合するプラットフォームの登場が求められます。それは決してプロセス主導ではなく、フィードバックや評価、データ、エクスペリエンスなどが主導して構成されるツールでなければなりません。

「HR テック」の新しいテーマ

1990年代からこの数年前までは、タレントマネジメントやピープルマネジメントなど、HRのマネジメントを中心にデータやテック、ツールを活用してきました。しかしこれからは、「ワークエクスペリエンスの改善による生産性の向上」がHRテックの大きなテーマになります。

次に、エキスポ出展企業を4社ご紹介します。

・hitch
社内外の従業員スキルや思考特性をプロファイルし、社内プロジェクトに必要な人材を一覧表示するツール。LinkedInと連携可能で、アメリカで行われている「社外に社員を出して成長させる施策」にも活用されている。

・enboarder
オンボーディングプラットフォーム。内定から入社6ヶ月まで、人事側の行動を提案し、エンゲージメント向上やカルチャーフィットに役立つ。

・Bullseye Engagement
クラウドの人的資本管理システム。人材開発や、エンゲージメントの360度評価、退職リスク判断や後継者育成など、15機能を提供。ダッシュボードで視覚化でき、従業員同士のレビューも可能なので、コミュニケーションの活性化も期待できる。

・Broadleaf
従業員管理システム。正規社員、派遣社員、アルバイト、個人事業主の管理が可能でプロジェクトの進捗管理や費用支払いまで対応可能。代替的労働者の増加により利用企業が増えている。

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