HR Trend Lab

MENU

HR Trend Lab

人材アセスメントとは?代表的な3つの種類と活用時のポイント

2024年08月07日更新

人がグラフを指さしている様子
客観的・定量的に人物やものごとなどを評価すること、という意味で使われる「アセスメント」。アセスメントはさまざまな業界・領域で使われており、人事領域では「人材アセスメント」が活用されています。人材アセスメントは、公平な昇進・昇格のための判断に役立てられる重要な手法です。そこで、今回はアセスメントの中でも「人材アセスメント」に焦点を当て、具体的な方法や活用のポイントなどを解説します。

目次 【表示】

アセスメントとは?3つの種類も紹介

パソコンのキーボードとグラフ
アセスメントとは人物やものごとなどを客観的・定量的に評価することを指します。アセスメントはビジネスシーン以外にも教育や医療・福祉の現場など、幅広い領域で使われる言葉です。ただ、どの業界・分野においても、「客観的な情報・根拠をもとに、対象者(物)の状態・能力などを評価する」という意味で使われています。ここでは3つの種類のアセスメントを解説します。

人材アセスメント

人材アセスメントとは「人材の能力・適正などを客観的に評価すること」です。採用活動や人材配置、昇進・昇格などのシーンでよく活用されます。たとえば人材アセスメントの結果は昇進・昇格の客観的かつ公平な判断材料になり得ます。なお、人材アセスメントはアセスメントツールを利用したり、社外の第三者機関へ依頼したりすることで、より客観的な評価を下すことも可能です。

組織アセスメント

人材アセスメントが「人材」を対象とする一方で、組織アセスメントとは部署やチームといった「組織」を対象に現状や特徴などを評価します。組織アセスメントにより、自社で成績を残している従業員の共通点や自社に合う人材の特徴などを可視化し、適切な組織改編や人材配置につなげられます。

リスクアセスメント

リスクアセスメントとは、会社・事業におけるリスクの事前評価を指します。リスクアセスメントの実施により、トラブル・事故などを未然に防ぐための対策を立てることが可能です。たとえば、情報漏えいリスクを事前に見積もっておくことで、社員にセキュリティ研修を受講してもらったり、より効果の見込めるセキュリティソフトを導入したりできるようになります。

人材アセスメントが重要な理由

人材アセスメントは、従業員の昇進・昇格に寄与します。なぜなら、人材アセスメントで従業員のスキル・性格などを分析することで、その人材がより能力を発揮できる部署・分野を特定できる可能性が高まるためです。

自身の能力・スキルをより活かせる環境で業務をおこなえるようになった従業員は、パフォーマンスが向上し、昇進・昇格がより近づくことでしょう。これは人事担当者目線で考えると、昇進・昇格に適した人材の見極めや、次世代リーダーの発掘・選抜に人材アセスメントを活用することができるということ。

従業員のパフォーマンス向上による昇進・昇格は結果的に組織全体の活性化にもつながることでしょう。人材アセスメントは適材適所を見極めて、結果的に従業員の昇進・昇格に寄与する点で重要であるといえます。

代表的な人材アセスメントの方法

椅子に座って会話をする様子

適性検査

適性検査とはテスト形式の問題に回答してもらうことで、その人材の性格・特性・関心などを定量的に評価する方法です。「はい」「いいえ」で答える方式と選択式の方式、2種類の方式があります。

適性検査の活用シーンにはたとえば、昇進・昇格に際しての「管理職候補の能力把握」が挙げられます。管理職候補に適性検査を受けてもらうことで、リーダーシップを含む管理職として必要な能力を現時点でどの程度持っているのか可視化し、昇進・昇格の参考材料とすることが可能です。

多面評価(360度評価)

多面評価(360度評価)とは、多様な立場の従業員が1人の従業員を評価する方法です。対象者は直属の上司、同僚、部下などから評価を受けるほか、自己評価もおこないます。

直属の上司からの評価のみの場合、仕事に対する熱意やコミュニケーション能力といった定性的な部分は、上司の主観で評価されてしまいがちです。一方、多面評価(360度評価)では、上司以外の人間も評価に加わるため、定性的な部分もより客観的な評価が可能になります。

そのほか、多角的な人間からの評価であるため、評価を受けた対象者は納得感を得やすいというメリットもあります。

アセスメント研修

アセスメント研修では、実際の業務を想定した演習をおこない、参加者の言動・反応を踏まえて評価を下します。評価は、アセッサー(評価者)と呼ばれる専門家がおこないます。第三者のアセッサーによる評価のため客観性・公平性が担保されるほか、実践シーンでの評価のため実務との親和性が高い点がメリットです。そのほか、マネジメント能力・特性を見極めるために、管理職候補者に対して実施するケースも多い点が特徴です。

人材アセスメント活用のポイント

電球にPOINTと書かれたイラスト

導入目的を明確にしておく

人材アセスメントを導入してどのような状態になりたいのか、導入目的を明確にすることが大切です。導入目的を明確にしなければ、人材アセスメントの導入自体が目的化しかねないためです。導入目的にはたとえば「管理職としての課題解決スキルを強化したい(強化させたい)」「管理職に必要なマネジメントスキルが備わっているか確認したい」などが挙げられます。

なお、導入目的を明確にすることで、より適切な人材アセスメント方法を選定することにもつなげられます。

効果測定を継続的に実施する

人材アセスメントは1度実施して終わらせるのではなく、定期的におこなうことが大切です。なぜなら、継続的に効果を測定することで、前回からの変化(成長)を可視化できるほか、たとえば成績と評価との乖離が著しい場合などは方式や評価項目の変更もおこなえるためです。組織や人材は時間によって常に変化します。そのため、継続的な評価は必須と考えましょう。

人材アセスメントの結果のみで人事評価を下さない

人材アセスメントの結果はあくまで、従業員の能力・特性などを示す1つの材料として捉えましょう。従業員を適性・公平に評価するのは人事担当者に課せられる業績目標であり、研修内での指標でなく、業績で評価することが前提だからです。

チームへの貢献度やコミュニケーション能力といった要因を軽視して、人材アセスメントの結果のみで人事評価を下してしまうと、期待した効果を得られない可能性が高まってしまいます。

人材アセスメントを人事業務に活かそう

手の上に縦の棒グラフが乗っている様子
人材アセスメントを実施することで、客観的かつ公正に従業員の能力・特性などを評価することができます。人材アセスメントの結果だけを見て人事評価をするべきではありませんが、昇進・昇格の判断や配置転換などのシーンで大いに役立てられます。

「昇進・昇格を客観的に判断したい」「適材適所な人材配置を通して組織の生産性向上を実現したい」という場合には、人材アセスメントの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

人気記事ランキング
注目キーワード
研修・診断サービス
  • マイナビ エンゲージメント・リサーチ
  • 社会人基礎力診断
  • ムビケーション
→
←
Career Research Lab マイナビ研修サービス ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会 外国人採用サポネット 日本エンゲージメント協会 HUMAN CAPITAL サポネット ナレビ マイナビキャリアサポート