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【意識調査結果から紐解く】2024年度新入社員の特徴&教育のポイント

2024年07月10日更新

【意識調査結果から紐解く】2024年度新入社員の特徴&教育のポイント

マイナビ研修サービスでは、2024年度入社の新入社員6,692名を対象とした意識調査を実施しました。本調査では、新入社員の「仕事に対する価値観」や「社会人生活に対する期待・不安」などについて、18の設問を通じて明らかにしています。

学生時代の大半をコロナ禍で過ごした2024年4月の新入社員は、働くこと・キャリアに対してどのような考え方・価値観を持っているのでしょうか。過去の同調査結果と比較しながら、2024年度新入社員の傾向や考え方などを紐解いていきましょう。

<調査概要>
・調査期間/2024/3/21~2024/4/12
・調査方法/記入選択式アンケート
・調査対象/弊社が提供する新入社員研修に参加した新入社員
・有効回答数/6,692名
※今回の調査と2019年~2023年4月調査を一部比較(2020年は調査実施なし)
※構成比の数値は、四捨五入しているため、100%にならないことがあります。
※未回答を含まないグラフもあります。
>>2024年度新入社員意識調査のダウンロードはこちら

 

目次 【表示】

2024年度新入社員意識調査結果の傾向

最初に2024年度新入社員意識調査結果の傾向を確認しましょう。

「プライベートを優先したい」と考えている新入社員が年々増加

問5「社会人生活の中でどのようなことに不安を感じていますか」では、31.5%の人が「私生活とのバランスがとれるか」と回答。この割合は2022年から少しずつ増加しています。

また問9「仕事とプライベートについて、お聞かせください」についても「プライベート優先の生活を送りたい(16.1%)」「どちらかといえばプライベート優先の生活を送りたい(56.0%)」と、72.1%がプライベート優先の生活を送りたいと考えている結果に。

ワークライフバランスを実現した上で、仕事よりプライベートを重視したい新入社員が相対的に多いことがわかりました。

問5.社会人生活の中でどのようなことに不安を感じていますかの回答

ストレス耐性に課題が感じられる回答が多い

2024年度新入社員意識調査では、ストレス耐性に課題を感じられる回答結果が目立ちました。具体的には、以下の回答結果があります。

  • ・問2「これから自分に必要だと思う力は何ですか」→過去2年で最高の11.6%が「ストレスの発生源に対応する力」と回答
  • ・問16「社会人になることに対してストレスを感じたことはありますか」→過去3年で最高の49.7%が「ある」と回答
  • ・問17「ストレス耐性(ストレスへの抵抗力)の有無について、お聞かせください」→「ある」「どちらかといえばある」の回答(71.2%)が2021年(72.9%)・2022年(73.3%)と比べて低下
    ※2023年調査と2024年調査は同程度

このように2024年度新入社員は少なくともストレス耐性に対して自信がない人が増えている傾向にあるようです。

人間関係を重視する新入社員が多い

問6「社会人として仕事をしていく上で重要だと思うことは何ですか」でもっとも多い回答が「良好な人間関係(60.9%)」でした。また、問5「社会人生活の中でどのようなことに不安を感じていますか」で2番目に多かった回答は「上司・先輩・同僚との人間関係(56.5%)」です。

これらの結果から、2024年度新入社員は社会人生活において人間関係をより重要視していることが示唆されます。

問6.社会人として仕事をしていく上で重要だと思うことは何ですかの回答

2024年度新入社員の3つの特徴

続いて、調査からわかる2024年度新入社員の特徴を3点解説します。

収入に対する意識が強い

問4「社会人生活の中でどのようなことに期待をもっていますか」に対して「収入が得られる」と答えた人の割合は、直近2年と比べて最高の39.4%でした。また問15「30歳時点での理想の年収を教えてください」へは、過半数以上が600万円台以上と回答。この割合も直近5年で最高です。

昨今の賃上げ傾向も影響していると思われますが、「高い収入を得ること」に対する意識が強くなっている傾向にあることがわかります。

「成長できること」「スキルを身につけること」に期待している

問4「社会人生活の中でどのようなことに期待をもっていますか」では「自分が成長できる」がもっとも多く回答されました。回答割合も58.8%と2023年よりも0.8ポイント増えています。

さらに同質問に対して「必要なスキルを身につけることができる(24.6%)」という回答も2023年よりも2.2ポイント増加しています。2024年度新入社員はスキル習得や成長に対して意識が高い傾向にあることがわかります。

問4.社会人生活の中でどのようなことに期待を持っていますがの回答

「出世したい」と考える人が増加している

問12「出世したいと思いますか」では「出世したい」と答えた人の割合は47.2%と、2022年(46.8%)・2023年(44.9%)より増えています。また問8「上司や先輩から特に指導してほしいことはどのようなことですか」に対して「リーダーシップのとり方」と答えた人の割合も11.0%と、直近2年と比較して増加しています。

このように2024年度新入社員は上昇志向が増加傾向にあります。「若者=出世したくない人が多い」という先入観を持たず、一人ひとりの個性・特性に合わせた教育が求められるでしょう。

2024年度新入社員への新人教育3つのポイント

最後に、2024年度新入社員を教育する際に押さえておくべき3つのポイントを紹介します。

リアリティショックは必ず起きることを伝え、適切なサポートをする

リアリティショックとは「入社前に抱いていた期待や理想が、入社後の現実で裏切られて受けるショック」を指します。たとえば「自分は仕事ができると思っていたが全然できない」「希望していた配属が叶わなかった」などがリアリティショックの原因となり得ます。

その上で、問7「先輩にはどのように接してほしいですか」には、半数以上が「優しく接してほしい」と回答しています。

2024年度新入社員を含むZ世代は、学校で「優しく育てる」という基本方針の下で教育を受けてきた人が多くいます。一方で、社会人生活は学生時代と比べると競争社会であり、そこにリアリティショックを受ける新入社員もいるでしょう。そのため、企業は新入社員をリアリティショックに備えさせ、社会に適応させていく必要があります。

問7.先輩にはどのように接してほしいですかの回答

リアリティショックをうまく乗り越えられないと早期離職のリスクが高まってしまいますが、逆に企業による適切なサポートで乗り越えられた場合には成長や組織定着に寄与します。

企業には「リアリティショックは必ず起きること」を新入社員に伝えることで事前にショックを緩和させるとともに、組織としてリアリティショックを乗り越えられるように適切なサポートをすることが求められます。

人事と現場が連携して教育をおこなう

問5「社会人生活の中でどのようなことに不安を感じていますか」にもっとも多く回答されたのが「仕事をうまくこなせるか(68.9%)」であることや、問8「上司や先輩から特に指導してほしいことはどのようなことですか」に1番多く回答されたのが「仕事の進め方や基本(79.4%)」であることから、新入社員は仕事に対して不安を感じ、指導を受けたいと考えていることがわかります。

そんな2024年度新入社員へ指導をおこなう側としては、新入社員の組織社会化(新入社員が組織に適応すること)のために、人事と現場が連携をしながら新入社員に教育・指導をおこなう必要があります。

たとえば、人事から新入社員へ「分からないことがあったらすぐに上司や先輩社員に質問する」ように伝えている場合は、それに対して現場も対応できるようにしておかなければなりません。そのため、「新入社員から質問があった場合には、その言動を頭ごなしに否定せずに対応する」ように事前に現場へ伝えておくことが大切です。

これはあくまで一例ですが、このように新入社員の組織社会化をスムーズに実現するためには、人事と現場の協力は不可欠であると認識しましょう。

キャリア自律の支援を強化する

先述したように、2024年度の新入社員は成長意欲が高いことがアンケートから明らかになっています。そんな向上心のある2024年度新入社員へは、自身のキャリアを主体的・自律的に形成する「キャリア自律の支援」も有効です。

支援内容としては、たとえば希望する部門への異動が実現し得る「社内公募制度」や、マルチスキル化が可能な「ジョブローテーション実施」といった社内制度の導入、キャリア自律をテーマにした研修の実施などが挙げられます。

まとめ

今回は2024年度新人社員のキャリア意識調査の結果をもとに、2024年度新入社員の特徴や新人教育のポイントを解説してきました。

「プライベートを優先したい」「人間関係を重視する」など過去の調査結果と似た傾向が見られる一方で、2024年度新入社員は収入に対する意識が高く、直近2年の新入社員より出世したいと考えている人が多いという特徴も浮き彫りになりました。

受け入れ側としては、こうした意識調査の全体傾向を踏まえつつ、目の前の新入社員一人ひとりの性格・志向を踏まえたアプローチが求められます。本記事で述べた新人教育のポイント「新入社員の組織社会化」や「キャリア自律の支援」などを念頭に、適切なサポートをしていきましょう。

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