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テレワークで働き方改革!導入する際の手順・ポイント・課題を徹底解説

2020年09月23日更新

近年、テレワークの注目度が急速に高まっています。テレワークとは、時間や場所にとらわれない柔軟な勤務スタイルの総称です。育児や介護で時間に制限がある人や、個人的な事情で外出が難しい人にも就業機会を提供することができ、企業にとっては固定費の削減や事業継続性の確保にも役立ちます。ここでは、テレワークを導入する際の手順や人事が考慮するべきポイントを解説します。

目次

テレワークからはじめる働き方改革

ICT(情報通信技術)の発達や、政府の「働き方改革」の後押しもあり、近年テレワークの導入率は上昇しています。そのようななか、2020年は新型コロナウイルス拡大の影響を受け、大企業を中心にテレワークの導入率が飛躍的に高まりました。東京都が実施した都内企業への調査(※1)では、3月には24%だったテレワークの導入率が、4月には60%超えと急増しています。

総務省が行った調査(※2)で2019年は19.1%だったことを考えると、テレワークを導入した企業が大幅に増えたといえます。緊急事態宣言の解除後は全面テレワークという状況は落ち着きオフィスへの出社も再開されましたが、今後もテレワークは継続的に実施されていくでしょう。

テレワークは、時間や場所にとらわれない働き方

テレワークとは、時間や場所にとらわれずに働ける勤務スタイルを指します。移動中に端末を利用して仕事をする「モバイルワーク」や自宅で勤務する「在宅ワーク」なども、テレワークの一つです。
別の呼び名として、「リモートワーク」が使われることもあります。

テレワークを導入するメリットと課題

テレワークの導入により企業・社員が得られるメリットと、導入にあたって想定される課題を見てみましょう。

企業のメリット:企業の採用力や信頼性を強化する

1.多様な人材に適した働き方で採用力を強化
テレワークは人材を採用する際に、通勤圏内を指定する必要がありません。国外からの採用も可能です。採用難易度が高い職種では、広い対象から応募を募れるため、優秀な人材を採用するチャンスが広がります。

2.固定費削減により、資金に余裕が生まれる
テレワークの導入は「オフィス」の考え方に変化が生まれます。都心にオフィスを構える必要性がなくなるかもしれません。オフィス面積を縮小することもできるでしょう。こうした人々の意識の変化は、固定費の削減をもたらします。発生した余剰資金で、新たな事業や設備投資をする余裕がうまれます。

3.事業継続性の安定化で信頼が高まる
自然災害においても、テレワークは効果を発揮します。遠隔地からでも仕事ができる体制は、非常時下でも事業を継続できます。緊急事態宣言が発令され、企業に対して在宅勤務が推奨されたコロナ禍では、全社テレワーク移行を早期決断し、業務に支障をきたすことなく事業を継続させた会社が、社会からの信頼性を高めました。

社員のメリット:ワーク・ライフ・バランスを維持して多様な働き方が可能に

1.育児、介護などワーク・ライフ・バランスを維持した働き方ができる
テレワークは、業務内容と個人の意向にあわせ就業時間を柔軟に調整できます。また通勤時間がないため、育児や介護で自由になる時間が限られる人にとっても、1日の時間を調整しながら働くことが可能です。家族の転勤などで地方への引っ越しが必要な場合でも、テレワーク体制が整っていれば退職せずに仕事を続けられます。

2.生涯を通じてスキルを磨きキャリアを形成できる
結婚や出産、パートナーの転勤、子供の進学など、ライフイベントによって退職を選択する人は少なくありません。その理由は、「仕事と家庭の両立が難しい」、「仕事時間の確保が困難」、「物理的にオフィスに通えない」などさまざまです。テレワークで仕事を継続できれば、生涯を通じたキャリアの見通しを持つことができます。

課題1:テレワーク用の適切な労務管理が必要

テレワークであっても、勤務時間の計算はオフィスに出勤する場合と同様です。所定労働時間を超過した場合は、就業規則・個別の労働契約に従い割増賃金が加算されます。

テレワークはひとりで働く環境であるがゆえに、就業時間を明確にせず、働きすぎてしまうケースもあります。部下の状況が目に見えないからこそ、勤務時間をツールで可視化するなど、管理職はマネジメントにいっそう気を配らなければいけません。過重労働になって社員に負荷がかかりすぎないよう、仕事の指示の出し方や業務量の割り振りに注意しましょう。

課題2:情報セキュリティ対策の強化が必須

オフィス外で仕事をするテレワークでは、情報漏洩のリスクが高まります。情報セキュリティ対策では、「技術面」と「人の意識」の両方への施策が重要です。

デバイスの紛失や盗難、マルウェアなどのウイルス感染を防ぐため、端末には二段階認証を設定したり、セキュリティソフトをインストールしたりします。社員に対しては、「社用端末で公共のフリーWi-Fiを利用しない」、「差出人不明のメールは開かない」といったセキュリティ対策の啓もうが必須です。また、外部への情報漏洩を防止するため、業務委託などでのテレワークを実施する場合は、秘密保持契約書を忘れずに交わしましょう。

課題3:テレワークで個人の生産性が下がる可能性がある

通勤時間を必要としないため時間を効率的に利用できるテレワークですが、自宅で仕事をする場はダラダラしてしまい、オフィスよりも生産性が下がってしまう場合があります。

テレワークでは、規則正しい生活サイクルが重要です。社員のモチベーションを低下させないために、適度な休憩時間を挟みメリハリのある働き方を周知しましょう。また人事にできることとして、通勤の代わりに家の周りを散歩する・家事をするなど仕事前のルーティーンを決めるといった、気持ちよくテレワークをおこなうTipsを発信することも大切です。

集中力が途切れてしまう場合は、スマホは遠ざける、テレビの電源は抜いておくなど、気が散る事柄へアクセスしにくい環境を提案しましょう。自宅にいても生産性を低下させないよう、テレワークならではの工夫を社員に伝えましょう。

課題4:一人で抱え込みやすい社員へのフォロー体制の構築

オフィスであれば、表情から先輩や上司が声をかけてくれます。しかしテレワークでは、ちょっとした相談をするのにもハードルが高くなります。また、文章のコミュニケーションでは、相手の感情まではわからないという声もあります。孤独感から不安や質問を社員が抱え込まないために、意識的に接触機会を増やすことが大切です。

朝会などを開催し、短時間でも定期的にテレビ会議システムなどで顔を合わせる機会をつくりましょう。また、「わからないことを聞くための場」として、社内SNSのチャンネルを用意しておいたり、上司からのフォローアップ面談を定期的に設定したりすることも、社員の話を聞くよい機会になります。

テレワークの導入方法

では実際に、どのような手順でテレワークを導入すればよいのでしょうか。導入のポイントをご紹介します。

導入プロセスを参考にスモールステップで計画を立てる

総務省では、テレワークを実際に導入する際のプロセス(※3)を公開しています。

計画を立てる時点で重要なのは、スモールステップで進めていくことです。なかにはテレワークが向かない業務もあります。また情報セキュリティの観点から、移行に時間を要する部署もあるでしょう。導入目的を関連部署と共有し、現実的に対象範囲を設定してから計画を進めましょう。

テレワークのための社内規定を整備する

導入にむけた環境整備では、テレワークを円滑におこなうための運用体制の構築が重要です。社内端末の貸し出しや、利用規約といった情報セキュリティポリシーを作成しましょう。

また、テレワークの就業時間や就業場所を明記した就業規則も作成します。労務管理を適切に行えるよう、各社員の労働時間やマネジメント方法を確認しましょう。職種によってはテレワークの形態にあわせて人事評価制度を再構築するケースもあります。

テレワークのための社内システム・ネットワークを整備する

実際の導入にあたっては、社内のシステム・ネットワークの整備が必要です。情報システム担当者と連携して進めましょう。テレワークで利用する端末は、ハードディスクにデータを保存するかしないかなど、テレワークに従事する職種の作業方法を考慮しながら、セキュリティ対策を決定します。

また個人の情報漏洩に対する危機意識を高めるため、情報セキュリティ対策の研修もおこなう必要があります。

テレワークにふさわしい就業環境を整える

人事として、対象となる社員がテレワークを行える環境かどうかを確認することも重要です。仕事に集中できる空間や、机・椅子があるかなど、ハード面に気を配りましょう。

自宅での作業が難しい場合は、シェアオフィスの利用を許可するのも解決策のひとつです。なかには、オフィスで利用している椅子と机を社員に貸し出す会社もあります。

なお、快適なビデオ通話のための回線強化、マイクやヘッドホンといった備品の購入、作業効率をあげるための大型ディスプレイの手配など、テレワークの環境整備にかかった費用を会社が負担するのも、テレワークに従事する社員のサポートになります。

まとめ:適切なテレワークの導入は企業力の強化につながる

テレワークは、人々の就業機会を拡大し、ワーク・ライフ・バランスの実現に貢献する働き方です。企業にとっては、固定費の削減や事業の持続性の確保など、企業力を高めることにもつながります。情報セキュリティ対策や労務管理といった導入のポイントを押さえたうえで、テレワークの環境を整備することが、将来的に企業力を強化していくでしょう。

<出典>
※1.東京都防災ホームページ:テレワーク導入率緊急調査結果
※2.総務省ホームページ:テレワークの導入やその効果に関する調査結果
※3.総務省ホームページ:情報システム担当者のためのテレワーク導入手順書

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