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タレントマネジメント運用のポイントとシステム活用

2020年07月30日更新


労働者不足や労働者の価値観の変化、市場競争の激化などさまざまな背景から昨今、人事領域で注目されているタレントマネジメント。「自社にも導入してみたいけど、具体的にどのような意味なのかよくわからない」「どのようなメリットがあり、どう運用すればいいのかわからない」という人事担当者や経営者も多いことでしょう。そこで本記事では、タレントマネジメントの概要から運用のポイント、システム活用の方法までを解説します。

目次

タレントマネジメントとは
タレントマネジメントの運用
タレントマネジメント成功のポイント
タレントマネジメントを支援するシステムの活用
タレントマネジメントシステム導入時に気をつけたいこと
情報の正確な収集と活用がタレントマネジメント成功のカギ

タレントマネジメントとは

タレントマネジメントとは、自社のタレント(従業員や従業員の持つ能力そのもの)に着目し、適切な人事施策をおこなうことで、従業員のパフォーマンスを最大化させる人事管理の考え方のひとつです。

■タレントマネジメントの目的や効果についてはこちらの記事で詳しく解説しています
「タレントマネジメントとは?その目的と効果、事例を紹介」/HR Trend Lab

タレントマネジメントの運用

ここからは、タレントマネジメントの運用に必要な4つのステップをご紹介します。

ステップ1:理想を描き、方針を決める

タレントマネジメントの導入を決めたら、まず理想を描き、計画を立てましょう。

・自社にとってのキーポジション(重要視する職務)はどこか?
・自社に必要なのはどのようなタレントか?

自社の現状や戦略を見据えてどのような従業員がどの部署にどのくらい欲しいのか、現在と将来の人材ニーズを考えます。またこのニーズの予測に適した人材の評価手法と基準を確立することも必要です。

ステップ2:従業員の情報を収集・可視化し、組織の現状を知る

理想を描き、方針を決めたら、従業員の情報を可視化しましょう。可視化する従業員の情報には、業績や資格、評価履歴などの顕在的なものに加え、熱意や興味、価値観、キャリア志向などの潜在的なものも含まれます。

あわせて、どの部署に・どのくらい・どのような従業員がいて、どの部署に・どのくらい・どのような人材が不足しているのか、情報収集をして組織の状況を把握することも大切です。

従業員と組織双方の現状を可視化することで、ステップ1で定めた方針に適した人材を迅速に探せるようになります。

ステップ3:理想と現実にもとづき施策を実施する

組織と従業員の状況を把握した後は、理想(ステップ1)と現実(ステップ2)のギャップを解消するために、採用・配置・教育・評価などの人事施策を実施します。

たとえば、特定の人材が常に不足している部署があれば、短期施策として人材要件に適した採用をおこなう。中長期施策としては計画的に要件に即した人材の教育をおこない、配置を実施、配置後も人材が納得感をもって継続的に業務に臨めるよう公正な評価を実施します。

詳細は本文下部のタレントマネジメント成功のポイントで解説しますが、施策は設定したゴールに向けて一貫性をもって統括的に実行していくことが重要です。

ステップ4:施策を都度振り返り、PDCAを回す

施策は実行しながらも、その施策が順調に走っているか・組織にどういう影響を与えているか都度検証することが大切です。当初描いた理想や計画からずれていないか、確認しながら進めましょう。

施策の実施後には、施策の状況・結果を評価します。評価は、採用や教育など施策個々の振り返りはもちろん、「自社全体のタレントの比率」や「タレントマネジメントへの投資とタレントから得られた収益とのバランス」、「組織のエンゲージメント状態」など組織全体の視点で実施することがポイント。

振り返りの結果、過去のステップに課題が見つかった場合は、施策の改善をおこなうことも大切です。このように施策のPDCAを回し続けることが、タレントマネジメントの継続的に実行と効果の最大化につながります。

タレントマネジメント成功のポイント


ここからは上記のステップに加え、タレントマネジメントを成功させるために押さえておきたいポイント3つをご紹介します。

ポイント1:人事施策に一貫性を持たせる

上記、タレントマネジメントの運用でご紹介したように、タレントマネジメントでは理想からゴールを設定し、現実を可視化したうえで、適切な人事施策を実行していきます。ここで実施する具体的な施策は、採用・配置・教育・評価…とさまざまありますが、施策一つひとつは従来のものと変わりません。

ここでポイントになるのが、施策単体を実施するのではなく、設定したゴールに向かって「タレントマネジメント」という文脈で一貫性を持って展開できるか、ということです。

タレントマネジメントの運用のステップ3でも挙げた例のように、課題に対して「採用」だけで解決しようとするのではなく、「配置」「教育」などさまざまな施策を統括的に実行することで改善を図りましょう。

ポイント2:従業員の情報を正確かつ常に収集できる状態にしておく

タレントマネジメントの運用のステップ3の人事施策を実行する際にポイントとなるのは、ステップ2の情報収集。正しい情報から適切な施策を実施するためには、従業員の情報を正確かつタイムリーに収集することが欠かせません。そこで大切になるのが、質問設計と回答協力。

質問設計のポイントは回答後のデータを想定した適切な内容の質問を設計すること。回答の際、従業員の行動心理をも想定した精緻な質問設計ができていないと、現状に即した正確なデータの収集ができなくなってしまいます。収集後のデータ分析も考えると、学術的な知見にもとづき設計された質問から収集できる状態がベストでしょう。

一方、回答協力を得るポイントは、従業員の理解を得ること。目的なく情報を集めてしまうと、現場の協力を得ることが難しくなり、人事施策に移すための情報の精度も低くなってしまいます。適切な情報をスムーズに集めるためには、日頃から現場の従業員と連携しながら情報を集めやすい風土を醸成することも必要です。

ポイント3:情報をどのように活用するか明確にしておく

人事施策を展開する際にもう一つ大切なのが、収集した情報をどのように活用するかを明確にしておくこと。情報活用のイメージを描けていないと、せっかく情報を集めてもデータが使われない・使いにくいといった状況に陥ったり、いつの間にかデータを集めること自体が目的となってしまう恐れがあります。

また現場において人事施策を精緻に行っていくためには、人事担当者だけでなく経営者や場合によっては現場の管理職、従業員とも方針と目的を継続的に共有することも必要でしょう。

■情報を組織や従業員の発展に活用する取り組みをヤフー株式会社に取材しました
「ヤフー流のピープルアナリティクスで一人ひとりの才能と情熱を解き放つ」/HR Trend Lab

タレントマネジメントを支援するシステムの活用


ここまででお伝えしたようにタレントマネジメントの運用には、組織のあるべき姿を描き、現実と照らし合わせ、全体感を見据えたうえで実行していくことが大切です。
しかし、すべてを人事担当者だけで実行するのは難しい現実もあるでしょう。そこでタレントマネジメントの運用を支援する目的で提供されているのがタレントマネジメントシステムです。

タレントマネジメントシステムは、組織や人材の情報を可視化するシステム、と捉えられていることも多いですが、現在では、情報を収集し可視化する機能に加えて、情報を活用し、人材配置や人材教育など実際の人事施策に役立てることを前提とした機能を盛り込んだものが登場しています。

そこでここからは、タレントマネジメントシステムの代表的な機能をいくつかご紹介します。

従業員情報を管理する

一般的なのが、ばらばらになっている人材情報を集約・蓄積できるデータベース機能をもつシステムです。情報の項目を自由に設定でき、自社の状況に合わせた情報の整理や、分析したい情報を登録することができます。情報の投入はExcel・CSVファイルを用いる、顔写真を掲載する機能や従業員検索機能がある、など組織にどのような人材がいるか簡単に把握できるケースが多いようです。

組織の状態を把握する

組織の状態の可視化を目的として、従業員対象の組織診断機能をもつシステムがあります。たとえばエンゲージメント状態を測る機能では、学術的・統計的な観点から設計された設問への回答から、組織のエンゲージメントがよい状態なのか・悪い状態なのか、さらにはその状態に至るには職場環境や上司との関係など、どのようなことが関係しているのか、を明らかにします。自社の組織開発に示唆を与えてくれるのです。

■エンゲージメント状態を把握するサーベイについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています
「エンゲージメント・サーベイとは?従業員満足度調査との違いと活用のポイント」/HR Trend Lab

 

従業員の状態を把握する

組織の状態を測る機能に加えて、個人の状態を測る機能を搭載しているシステムもあります。たとえば、「職務に関係するパーソナリティ」を測定することで、経営や人事や管理職といったマネジメント者が従業員の特性を把握でき、受検者である従業員は自身の強み弱みを把握できる、というものです。特性を把握することで、従業員個人に着目し配置や教育といった施策を実行することが可能になるでしょう。

人材の配置を可視化する

なかには異動候補者の配置を考える際に、異動前後の組織の変化をシミュレートできる機能を持つシステムもあります。自社の組織情報・人材情報を用い、各組織の人材・スキルの過不足や人件費の変化など移動前後の変化を詳細にイメージできるものです。視覚的にわかりやすく人材の配置を検討できます。

タレントマネジメントシステム導入時に気をつけたいこと

タレントマネジメントシステムを活用すれば、タレントマネジメントに欠かせない情報収集や情報活用をはじめとする活動がスムーズになるでしょう。ただし、気をつけたいのはタレントマネジメントシステムを導入するだけで、タレントマネジメントが実践できるわけではないということです。

タレントマネジメントシステムはあくまで、タレントマネジメントの実施や運用をサポートするものであり、目的を持って活用しなければその効果は発揮されません。「なぜ、導入するのか」といった理由や、「どのように活用するのか」といったシステム導入後のタレントマネジメントの運用イメージを明確にしたうえで検討・導入することが大切です。

情報の正確な収集と活用がタレントマネジメント成功のカギ

昨今さまざまな背景から注目を集めているタレントマネジメント。自社にどのような人材がどのくらい必要か計画を立て、従業員と組織の状態を可視化し、人事施策を打ち、振り返りをおこなうことで自社にあった適切な運用がかなえられるでしょう。

運用のポイントは、正確で恒常的な情報収集と収集した情報の活用と検証。そしてこの情報の収集と活用をサポートするべく、提供されているのがタレントマネジメントシステムです。

昨今の市場には、特徴的な機能を持ったさまざまなタレントマネジメントシステムがありますが、ただシステムを導入するだけではタレントマネジメントが実現されるわけではないことを念頭に、導入後の活用イメージが描ける自社に適したサービスを選ぶことが大切です。

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