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ポテンシャル採用とキャリア採用の違いは?メリットと注意点を理解して使い分けよう

2021年11月17日更新

企業が新たに人材を採用する場合、さまざまな採用方法を比較・検討し、自社の状況に応じて選択する必要があります。人手不足が深刻化している現在、「ポテンシャル採用」と「キャリア採用」が注目されていますが、両者の違いがあいまいな担当者の方もいるのではないでしょうか。

今回の記事は、ポテンシャル採用とキャリア採用の違いを解説するとともに、両者のメリットや注意点についても紹介します。

目次 【表示】

ポテンシャル採用とキャリア採用の違い

ポテンシャル採用とキャリア採用の大きな違いは、求職者の方を評価する際のポイントが異なる点です。具体的にどのようなポイントが評価対象となるのか、それぞれの採用方法について詳しく解説しましょう。

ポテンシャル採用とは

ポテンシャル採用とは、求職者の方の人柄や潜在的な能力・可能性(ポテンシャル)を評価し、将来的に大きな成長が見込める人材を採用する手法です。自社において即戦力となるような実務経験やスキルがなくても、他社において経験してきたことや、学生時代に経験してきたことが自社の業務に活かせるかを見極めて採用します。

たとえば、学生時代に新しいサークルの立ち上げに関わったり、サークル運営において中心的な役割を担ったりした経験がある求職者の方は、プロジェクトマネジメントに関する資質があると期待できるでしょう。また、前職において接客経験がある求職者の方は、接遇やマナーなどのスキルを営業に活かせる可能性もあります。

ただしポテンシャル採用は、業種や職種が同じ企業で働いた経験がなくても採用する場合があるため、あくまでも採用後に自社で能力開発や育成をおこなうことが前提となります。そのため、新卒も含めた20~30代の若手人材を採用候補の対象としている企業が多いのが特徴といえるでしょう。

キャリア採用とは

キャリア採用とは、求職者の方のスキルや実務経験を評価し、即戦力となる人材を採用する手法です。求職者の方の経歴をもとに、どのような実務経験があるのか、資格やスキルなどを客観的に評価します。

キャリア採用をおこなう場合は、募集要項に明確な条件を記載するケースが多く、たとえば営業職の即戦力を確保したい場合には、「営業経験◯年以上」という条件を設定します。ちなみに日本では、企業によってキャリア採用と中途採用をほとんど同じ意味として捉えている場合もあります。

ポテンシャル採用は若手人材を対象とすることが多いのに対し、キャリア採用はスキルや実務経験を重視して30代以上の中堅人材を対象に募集する企業もあります。

企業にとってのポテンシャル採用のメリットと注意点

ポテンシャル採用とキャリア採用は、企業にとってそれぞれのメリットと注意すべきポイントがあります。まずはポテンシャル採用のメリットと注意点について解説します。

ポテンシャル採用のメリット

自社の方針に沿った人材を育成できる

社会人経験の浅い若手人材は、社会人としての基礎は身についているものの、実務に関する能力や経験が十分ではないことも少なくありません。そのため、即戦力として活躍してもらうことは難しいものの、自社の方針に沿った人材として入社後に育成できることも意味します。

社員の年齢層の偏りを是正できる

幅広い年齢層の社員が組織を構成し、長期的な視点から企業を成長させていくためにも、新卒も含めた若手人材を対象の中心とするポテンシャル採用は、幹部候補を採用するための有効な手段といえます。

キャリア採用に偏った結果、中堅以上の即戦力人材ばかりを採用してしまうと、将来企業を支える若手の幹部候補が不足する問題も生じるでしょう。

採用の間口が広がる

未経験者も対象となるポテンシャル採用は、求職者の方の対象も多くなるため採用の間口が広がります。キャリア採用よりも多くの若年層に対してアプローチができ、若手人材の確保に向けて有効な採用方法といえるでしょう。

ポテンシャル採用の注意点

早期退職のリスク

たとえば新卒で入社後、数年で退職した求職者の方の場合、前職の退職理由によっては、自社で採用したとしても早い段階で再び退職に至る可能性も否定できません。

ポテンシャル採用の際には、前職をなぜ退職したのか、退職に至るまでの経緯や理由を含めて採用の可否を検討することが重要といえるでしょう。

戦力として育成するまでに時間を要する

社会人経験のある人材を対象にポテンシャル採用をおこなう場合には、社会人としての最低限のスキルや能力が身についていることはあります。しかし入社後は、実務に関する研修や教育をおこなう必要があるため、採用後に戦力として活躍してもらうまでには時間を要するでしょう。

企業にとってのキャリア採用のメリットと注意点

次に、キャリア採用におけるメリットと注意点について解説します。

キャリア採用のメリット

即戦力人材が確保できる

キャリア採用の場合、他社で経験を積んできた人材を採用するため、入社して間もない段階から即戦力として活躍が期待できます。

ある部署の担当者が退職または休職した場合なども、キャリア採用によって即戦力人材が確保できれば、事業への影響を最小限に留めることができるでしょう。

自社にはないノウハウや知見を得られる

求職者の方が他社で積み重ねてきた経験のなかには、自社がもっていない貴重なノウハウや知見も存在するでしょう。それらを活かして、新規事業の開発や業務プロセスの見直し、生産性の向上および業務効率化などに役立てることも可能です。

キャリア採用の注意点

人件費の増大

実務経験やスキルを持ち合わせた人材を採用するためには、新卒採用やポテンシャル採用と比べて給与などの条件を高く設定しなければならないことも考えられます。

人材紹介会社を通じて募集をかける場合には、採用決定者の想定年収に一定の料率の紹介手数料を支払うことが一般的です。そのため、採用後の人件費が増大するだけでなく、採用時のコストも高くなる懸念もあります。

募集要項に合致する人材が見つかりにくい

募集要項を詳細に定義すればするほど、求職者の方の対象は少なくなり、エントリー数も減少する傾向にあります。そのため、実務経験を必須条件ではなく歓迎条件としたり、必須資格やスキルの条件を緩和したりするケースもあるでしょう。

ポテンシャル採用とキャリア採用はどのように使い分ける?

採用活動にあたって、ポテンシャル採用とキャリア採用のそれぞれメリットは、どのように活かせるでしょうか。

ポテンシャル採用が適しているケース

新卒採用や第二新卒採用などによって若手社員を確保するためには、ポテンシャル採用が適しています。企業の中長期的な成長を実現するうえで、20代の若手社員は欠かせない存在です。採用直後から即戦力として活躍することは難しくても、長い目で見たときに組織の中核的な人材として育成していくためには、ポテンシャル採用によって適性や人柄を評価することが重要といえるでしょう。

キャリア採用が適しているケース

主力となる社員がなんらかの理由によって退職してしまい、業務がうまく回らず困っている場合にはキャリア採用が適しています。とくに、求められるスキルや実務経験が明確に定義できる場合には、ポテンシャル採用よりもキャリア採用のほうが理想的な人材に巡り会えるでしょう。

まとめ

優秀な若手人材の確保を目的として、新卒採用以外にもポテンシャル採用が注目されています。一方で、即戦力人材を第一優先として確保しておきたい企業では、キャリア採用に注力するケースもあるでしょう。

ポテンシャル採用とキャリア採用は、一概にどちらが良い・悪いといえるものではなく、双方の特徴を理解したうえで採用方法を検討することが重要です。

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