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組織社会化とは?新入社員だけのためではない、効果的なプロセスと注意点

2020年11月04日更新

仕事の進め方や職場環境は、企業による差が大きいものです。入社や異動により新しく入ってきた社員が組織になじむまでには、相応の時間を要するでしょう。しかし時間がかかりすぎてしまうと、その社員への精神的な負担は大きくなってしまいます。場合によっては、早期退職にもつながるリスクをはらんでいることを認識しておく必要があるでしょう。
そういったリスクに対処するために不可欠な考え方である「組織社会化」とは、一体どのようなものなのでしょうか? 組織社会化の基本や具体的なプロセスなどについて解説します。

目次

組織社会化とは?

組織社会化とは、新しく入ってきた社員が組織に適応するプロセスを示す言葉です。社員の組織社会化にしっかり取り組めている組織は、社員がより職場になじみやすい環境だといえます。一方で、組織社会化がうまくいっていない組織は、組織に順応できない社員が早期退職やメンタルヘルスの不調に陥るといったリスクをはらんでいます。

組織社会化のプロセスでは、仕事の進め方を中心とした組織独自の文化を社員に伝えることが必要です。たとえば、申請書類のフォームや提出締め日などの運用ルール、「こんな時は誰に連絡すればよいのか」といった情報は、組織独自の文化の一部として挙げられます。

組織社会化というと、新入社員に向けたものとイメージされることが多いですが、対象は新入社員だけではありません。上層部や管理職の入れ替わりなどによって組織の方針が変化すると、すべての社員に対してあらためて組織社会化を促す必要が生じる場合もあります。たとえ長期間同じ組織で働いている社員であっても、組織社会化に終わりはないのです。組織社会化は、いつの時代も環境の変化に伴って必要となるものだと認識しておきましょう。

組織社会化が求められる場面

新卒社員や中途社員が入社する場面

組織社会化が求められる場面としてもっともイメージしやすいのが、新卒社員や中途社員といった新しい人材が組織に入ってくる場面ではないでしょうか。この場合、メンターや先輩社員による指導によって組織社会化を進める方法が考えられます。組織社会化のプロセスで新入社員に伝えることは、社内独自のルールやツールの使い方に始まり、社内外の人とのコミュニケーション方法を含めた暗黙的な仕事の進め方にもおよびます。

社員が異動してくる場面

異動に伴い部署や担当業務が変わった社員に対しても、組織社会化が必要な場合があります。とくに大企業では、部署ごとに独自のルールが存在しているケースも少なくありません。新入社員に比べるとなじむまでの期間は短く済むことが多いですが、同じ企業の中だからこそ違いがある部分に気付きにくいため、慎重に意識合わせをしながら業務を進めることが求められます。

そのためには、異動してきた社員と受け入れ側の社員の双方が、業務に取り組む際のコミュニケーションを密にとることが不可欠です。一つ一つの業務に対して、「全社共通のルールなのか」「部署独自のルールなのか」を切り分けて考え、全社共通ではない場合は、念のため確認をするようにします。

上司が代わる場面

管理職の異動などによって上司が代わった場合、部署のメンバーは変わらずとも、仕事の進め方に変化が生じることがあります。この場合に必要なのは、上司とメンバーの間での意識の擦り合わせです。業務の進め方などを互いに伝えあい、新たな文化を作り上げていくプロセスも組織社会化の一種といえます。

組織社会化に効果的なプロセス

導入研修を実施する

組織に新しく入った人へ伝える情報のうち、日常的に必要な手続きや基本的なルールは、マニュアル化して導入研修として実施するのがおすすめです。マニュアル化ができるものとしては、たとえば勤怠入力の仕方や休暇申請の方法、備品の利用方法などが挙げられます。

導入研修は、新しい人が入ってきた当日または、できるだけ早いうちに実施しましょう。社員が導入研修において「大切に扱われている」「十分にサポートされている」と感じるほど、帰属意識や職務への満足度が高まります。

なお、実際に業務を進める上では、職場の人間関係や、誰がどんな役割を担っているかといった情報を、最初に伝えておくのも有益です。

メンターをつける

組織に新しい人が入った時、「疑問点を誰に質問すべきかわからない」というストレスを感じることがあります。「誰でもいいからいつでも聞いてね」という言葉は好意的に聞こえますが、まだ職場になじめていない人にとっては、「質問しにくい」と思われてしまうでしょう。

そこで効果的なのが、相談役として「メンター」をつけることです。業務に関わることから日常生活まで、困ったことがあったらまず相談できる先輩社員を明確にします。メンターは、できる限り新入社員と同じ業務を担当する社員で、すでに組織になじんでいる人材が担当すると、より組織社会化が促進されるでしょう。ただし、すべての相談にメンターひとりが対応する必要はなく、適切な質問先への橋渡しの役割を果たせれば十分です。

新入社員へのヒアリング

組織社会化の過程で、定期的に新入社員へのヒアリングを実施することも有効です。職場で困っていることや、仕事の進め方で違和感がある点はないかなどを確認し、組織になじめるようにサポートしましょう。

場合によっては、現状のルールを見直したり、今後の導入研修に反映したりすることも視野に入れて取り組みます。ヒアリングを通じて、新入社員だからこそ感じる新鮮な視点を既存社員が認識することにより、後に続く新入社員がより早くなじめる環境作りにも繋げられます。

組織社会化に向けた受け入れる側の注意点

暗黙的なルールを認識する

受け入れる側の立場で注意しておくべきは、その組織にある暗黙的なルールを認識することです。新しく入った人には、組織の雰囲気や価値観、既存社員が何気なく行っている行動やルールを受け入れて、職場になじんでもらう必要があります。しかし、既存社員にとっては意識すらしていない暗黙的なルールであることも多く、新しく入った人がそれを認識することは容易ではありません。

効果的に組織社会化を進めるためには、受け入れる側が暗黙的なルールの存在を認識し、言語化して伝える努力も必要となります。新しく入った人が職場になじむためのサポートをする意識を持つことが大切です。

業務遂行に必要な能力・スキルが身につく環境作り

新しく組織に入った人がまず取り組むのは、業務遂行に必要な能力・スキルを身につけることでしょう。業務遂行に必要な能力・スキルには大きく分けて2種類あります。

一つは、体系化されている技術や一般的な知識であり、研修や書籍から習得することになります。これらはOff-JTといわれる方法を用いて、業務から離れている時間でも習得できるものです。もう一つは、業務特有のルールや顧客との関係性など業務固有のスキルです。こちらは、OJTなど実務を通じて体感することで習得します。

受け入れる側は、新しく入った人がこれらを効率的に習得できるよう、必要な教材や、業務遂行の機会を計画的に提供する必要があります。「いつごろまでにどんな経験をしてもらうのか」といった教育プログラムができていると安心です。

■OJTの効果的な運用や、Off-JTとの違いはこちらの記事で解説しています。
「OJTとは?意味や目的を分かりやすく解説」/HR Trend Lab

 

組織における役割を明確に伝える

受け入れる側の意識として重要なのが、新しく入った人を不安な気持ちにさせないことです。新しく入った人が「自分は役に立てているのだろうか」と不安に感じたままでは、職場になじむスピードも遅くなってしまいます。

早期に職場になじむためには、新しく入った人が自身の存在意義を感じられることが大切です。「なんのためにその組織の一員になったのか」を理解できていると、それに沿った意識や行動を起こしやすくなります。そのためメンターや上司は、対話の中で期待や役割を明確に伝えるようにしましょう。

まとめ

組織社会化は、人材が早期に活躍できるために不可欠なプロセスです。新しく入った人へ適切なフォローを継続することで、モチベーションの維持・向上にも繋がります。組織主体で組織社会化を促す取り組みをすることも大切ですが、同時に社員自身が積極的になじむ努力をおこなうことも欠かせません。最初の段階で、なじむために必要な行動やプロセスについて合意をしておくと、スムーズに組織社会化が進められるのではないでしょうか。

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