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Z世代の特徴│Z世代の力を引き出すために企業が取り組むべきこと

2021年09月01日更新

「Z世代」と呼ばれる人々が社会進出をはじめ、若手社員として企業の今後を担う重要な世代となってきています。世代ごとに持っている価値観は異なるため、企業側も従来の対応のみならず、Z世代の力を引き出せるような取り組みが求められます。本記事では、Z世代の特徴や仕事に対する価値観、Z世代の力を引き出すために企業がすべき取り組みについてそれぞれ解説します。

目次 【表示】

Z世代とは

Z世代とは主に、1990年代の後半から2012年頃までに生まれた世代を指す言葉です。カナダ統計局では1993年生まれ以降を指すなど明確な定義はありませんが、2021年現在、Z世代の年齢はおよそ9~25歳とされています。

Z世代は、生まれたときにはすでにインターネットや携帯電話などのデジタル環境があったことで、「ITリテラシーが高い」「世界中のさまざまな情報にアクセスできるためグローバル意識が高い」といった傾向があるようです。

Z世代の語源

「Z世代」の語源は、アメリカにおける世代ごとの呼び方に由来しています。アメリカでは、1965~1980年頃に生まれた世代は「ジェネレーションX(X世代)」と呼ばれます。この呼び方は、カナダの作家であるダグラス・クープランドの著書『ジェネレーションX』によって広まりました。

ジェネレーションの後ろに次ぐアルファベット順がX→Yであることから、この後の世代が「Y世代(1981年〜1990年代の後半頃までに生まれた世代)」と呼ばれ、さらにその後の世代が「Z世代」と呼ばれるようになったとされています。

Z世代の特徴

Z世代にはどのような特徴があるのでしょうか?

デジタル(ソーシャル)ネイティブ

生まれたときにはすでにインターネットやデジタル機器が身近に存在し、日常で当たり前にデジタルを活用してきたZ世代は、「デジタルネイティブ」と呼ばれます。
また、スマートフォンやSNSが生活に浸透し、それらを活用して複数のコミュニティへ参加したり、SNSを自在に使いこなしたりといったことから、「ソーシャルネイティブ」と呼ばれることもあります。

ITリテラシーが高い

「ITリテラシー」とは、IT技術やそれに紐づく要素への理解力、適応力などを指す言葉です。パソコンやスマートフォンなどが学生の頃から身近にあり、インターネットやSNSなどでの調べ物や発信に慣れているZ世代は、ITリテラシーが高いという見方もできるでしょう。

多様性を尊重する価値観を持つ

Z世代は学生の頃から膨大な情報を得られたり、数あるコミュニティへの参加を選択できたりする環境におかれているため、他者の多様性を認め、尊重する価値観を持つ傾向にあります。とくに、SNSや検索エンジンによる情報へアクセシビリティによる視野の広さは、「多様性を尊重する価値観」にも大きく影響しているといえます。

また、さまざまな価値観から自分に合ったものを選ぶ傾向があり、他の世代に比べて「自分らしさ」を強く追求することも特徴です。他者の多様性と自身の個性の両方を尊重し、さまざまな価値観を受け入れる姿勢がうかがえます。

グローバルな問題への意識・関心が高い

インターネットやSNSなどでは、毎日国内外のニュースがリアルタイムで流れています。Z世代は学生の頃から世界中のさまざまな情報へとアクセスできる環境が整っていることから、社会課題や環境問題などといったグローバルな問題への意識、関心が高い傾向にあります。

仕事とプライベートの両立を求める

Z世代は、仕事とプライベートの両立を求める傾向があります。マイナビが調査した「2021年卒 マイナビ大学生就職意識調査」(※1)によると、学生の持つ「就職観」の項目では「個人の生活と仕事を両立させたい」が24.3%と、トップの「楽しく働きたい」の35.8%に次ぐ結果となりました。

近年では、政府による働き方改革の推進などの影響もあり、労働者を取り巻く労働環境や仕事に対する価値観が変化しつつあります。そのようなこともあり、Z世代は「楽しく働き、プライベートも充実させる」という考え方が広く浸透しているといえるでしょう。

Z世代の働き方とは

Z世代が得意とする働き方、苦手とする働き方とは、どういったものなのでしょうか?

Z世代が得意とする働き方

デジタル(ソーシャル)ネイティブであり、ITリテラシーが高いことからも、社内に新しくIT技術やデジタル機器を導入する際に高い順応性が期待できます。

また、「自分らしさ」を追求する傾向にあるZ世代にとって、「裁量権がない仕事」ではなく「個人の裁量で進められる仕事」は自分自身の成長機会と感じられ、いっそうのモチベーション向上に繋がるでしょう。

社会の課題に対しての意識や関心が高いことからも、仕事を通じて「この仕事にどんな意味があるのか」「社会のどの部分に役立っているのか」などについてしっかりと理解できることで、高いパフォーマンスに繋がる可能性があります。

Z世代が苦手とする働き方

仕事とプライベートのバランスを大切にする傾向があるZ世代では、残業などの長時間勤務は敬遠されがちなようです。Z世代よりも前の世代では「残業をしている人=頑張っている人」という価値観もありましたが、Z世代ではそのような価値観に対して苦手意識を持つ可能性があります。

また、ITリテラシーの高さゆえに、社内で使用しているツールがデジタルではなく「紙媒体のみで印鑑が必須」といった古いタイプのままであると、企業への不満感や仕事のモチベーション低下に繋がることも考えられます。

加えて、個々人の多様性を尊重する価値観を持っていることから、Z世代は、「部下だから」「男性だから」「女性だから」など、属性によって一括りにされることは苦手といえるでしょう。そのため、その人個人を尊重する接し方をすることで、上司と部下における信頼関係を築いていけるでしょう。

Z世代の力を引き出す企業の取り組み

Z世代の力を引き出すために、企業にはどのような取り組みが求められるのでしょうか?

個人の価値観を尊重する

「他者を尊重し、自分らしさを追求する」傾向にあるZ世代は、その一人ひとりが異なる価値観を持っています。「新人」「入社○年目」などのカテゴリーではなく、従業員一人ひとりの個性や価値観を理解し、尊重したうえで仕事を任せることが、Z世代のポテンシャルを引き出すためには必要です。

企業や上司への信頼感を持たせる

デジタル(ソーシャル)ネイティブであるZ世代は、「わからないことは自分で検索して情報収集する」という習慣が根付いています。根拠がない情報に対して、自ら真偽を確かめる傾向があるようです。

社内では、仕事上の疑問点を上司や先輩に聞いて解決できるようにオープンな環境を整え、企業や上司、先輩への信頼感を持たせることで、Z世代の力を引き出せる環境を作りましょう。

企業の理念や仕事の意義を明確に伝える

インターネット上で世界中の情報にアクセスできる環境があり、社会問題への関心が高いといわれているZ世代は、「社会に貢献する活動に取り組みたい」「社会に役立つ仕事がしたい」など、自分の仕事が社会でどのように役立っているのかを重要視する傾向にあります。

企業が、仕事の理念や意義を明確に伝えることで、自分の仕事がどのような社会問題の解決に貢献できるのか、どのような形で社会に役立っているのかを理解でき、仕事に対するモチベーションの向上に繋がります。

IT技術やツールを取り入れる

電子データによる書類の管理や共有、社内SNSの導入によるコミュニケーションの促進など、業務のさまざまな場面でIT技術・ツールを取り入れることは、Z世代の得意分野を活かすことに加え、業務効率や生産性の向上にも繋がります。

まとめ

これからの企業の成長を担うZ世代は、企業にとって非常に大切な人材です。Z世代の持っている価値観をしっかりと理解して尊重することで、Z世代のパフォーマンスを最大限に引き出せます。Z世代の特徴を把握し、それらを活かせる環境を整備することで、さらなる組織の活性化へと繋げましょう。

<出典>
株式会社マイナビ:2021年卒 マイナビ大学生就職意識調査

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