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リモートワークではマネジメントが重要!課題解決のポイントを解説

2021年04月14日更新

働き方改革や新型コロナウイルス感染症の対策として、政府はリモートワークを推進していますが、リモートワークにはさまざまな課題があることも事実です。HR Trend Labが独自に行った調査によると、リモートワークにおける課題のひとつとして「マネジメントの難しさ」を痛感しているマネージャーが多いことが分わかりました。

本記事では、リモートワークにおけるマネジメントの課題と、それを解決するためのポイントについて解説します。

目次 【表示】

そもそもリモートワークの目的とはなにか

オフィスに出勤せずに、自宅やサテライトオフィスなどで仕事をおこなう「リモートワーク」は、働き方改革の一環として推進されており、大企業を中心に導入が進んでいます。場所にとらわれない働き方を実現することにより、時間を有効に活用できるほか、子育てや介護に携わる従業員にとっても働きやすい環境が実現できます。

さらに、2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の影響によって、リモートワークの導入に踏み切る企業が増加しました。オフィス以外でできる仕事は極力リモートワークに移行し、少しでも出勤者を減らすことで、感染リスクの低下に努めることが求められたためです。

このように災害やテロ、そして新型コロナウイルスのような感染症の流行時など、何らかの理由によって出社が難しくなってしまう場合においても事業を継続するための対策は、「BCP(事業継続計画)対策」と呼ばれるものの一つです。BCP対策とは、自然災害や大火災などの緊急事態が起こった際に、資産の損害を最小限にし、事業の継続、早期復旧を実現するための方法や手段をまとめた計画のことです。新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、BCP対策はこれまで以上にその重要性が認識されるようになりました。

つまりリモートワークに対応した業務フローを構築することは、BCP対策にもつながるのです。

リモートワークにおけるマネジメントの課題

リモートワークにおけるマネジメントにはどのような課題があるのでしょうか?
4つのポイントに沿って解説します。

コミュニケーションがとりづらい

物理的にメンバーの状況が見えないリモートワークでは、メンバーが悩んでいる様子など細かな変化に気付きにくいものです。その結果、メンバーは1人で悩みを抱え込み、モチベーションや生産性の低下にも結びつくおそれもあります。

HR Trend Labの調査結果によると、「とくに入社から日の浅い新入社員や中途入社社員にとっては、相手の状況が見えないため、相談しにくくなる」ことを懸念しているマネージャーが多いようです。
また「メールやテキストのコミュニケーションが中心になると、意図していた通りに指示が伝わらない」といった課題も挙げられています。

加えて「他部署とのコミュニケーションが少なくなり他部署から刺激を受ける機会が減る」、「コミュニケーションをとるメンバーがマンネリ化する」といった課題を抱えるマネージャーもいることがわかりました。

労務管理が難しい

リモートワークでは、出退勤の状況がリアルタイムで見えづらいという特徴があります。
「業務開始時刻になっても出勤しているかどうかがわからない」、「定時が過ぎて誰が残業しているのかがわからない」など、労務管理に悩むマネージャーも少なくありません。

適切な労務管理ができていないと、業務量に偏りが生じて特定のメンバーに負担が集中するほか、慢性的な長時間労働を見逃してしまう可能性も考えられます。

評価やフィードバックが難しい

リモートワークは、オフィスに出勤する働き方とは異なり、メンバーの仕事ぶりが見えづらいという特徴があります。そのため、従来の評価方法のうち「普段の働きぶり」や「仕事に対するやる気」など、数字では表せない「定性評価」の部分において、リモートワーク下では評価が難しくなります。

実際に、HR Trend Labの調査では、「行動が見えないため、どのように評価すればよいかわからない」、「KPIなどの見えている数字のみでしか判断がつかない」といった悩みを抱えるマネージャーが多いことがわかりました。

適切な評価ができないと、メンバーのモチベーションを維持することが難しくなる可能性があります。また適切なフィードバックができない場合は、メンバーが自身の課題を正しく把握できず、成長につながらないことも考えられます。

しかし、定性的な部分が見えづらいからといって、数値で表すことができる定量評価に偏ってしまうと、数値に直接結びつかない行動や情意などが軽視されてしまう可能性もあります。

セキュリティリスク

オフィスから離れた場所で仕事をすることによって、個人情報や機密情報などが漏えいするリスクを避けるためにも、適切なセキュリティ管理が求められます。

企業のセキュリティポリシーによっては、個人情報を扱う業務はリモートワークではなくオフィスに出社して業務をおこなうというルールにしているケースも多いです。不正アクセスによるものだけでなく、パソコンの紛失や盗難などによって情報漏えいが起こるケースも考えられるため、従業員一人ひとりに対し適切なセキュリティ管理を求めることもマネジメント課題のひとつです。

リモートワークのマネジメント課題を解決するためのポイント

リモートワークにおけるマネジメント課題を解決するためには、具体的にどのような対策が有効なのでしょうか。それぞれの課題に対応するポイントを紹介します。

「コミュニケーションツール」を使い分ける

コミュニケーションの課題を解決するためには、メールやチャット、電話などコミュニケーションツールを効果的に使い分けることが重要です。
単純な業務内容の共有や指示はメールやチャットでも可能ですが、細かく説明する必要がある内容であれば個別に電話やWeb会議システムなどでフォローしましょう。

また仕事を進めるうえで、コミュニケーションに関する問題を感じている場合には、細かなことでも部署内で話し合い、解決に向けて検討しましょう。たとえば、カレンダーやスケジュール管理ツールに自由に相談できる時間を入れておくなど、部署内でルールを設けることでコミュニケーションロスが削減できます。

新入社員や中途入社社員の受け入れ時のコミュニケーション課題に対しては、1on1などによる相談の時間を設け、新入社員、中途入社社員と話す機会を作るのも一つの方法です。

さらに、人間関係を円滑にしてチームワークを維持するためには、雑談の場を作ることも有効と考えられます。マネージャーが積極的にコミュニケーションを図ることで、組織全体がコミュニケーションをとりやすい雰囲気になり、連携不足の解消につながります。

コミュニケーションが希薄になりがちなリモートワークでは、マネージャーが率先してコミュニケーションをとるように心がけましょう。

「勤怠管理システム」を活用した労務管理

リモートワークにおける労務管理の課題を解決するためには、クラウド上で利用できる勤怠管理システムが便利です。インターネット環境があれば勤怠打刻が可能なほか、管理者はリアルタイムで部署やチーム内の勤怠状況を把握できます。また、個人ごと、チーム単位での残業時間も把握できるため、業務負荷が集中している場合は仕事を適切に割り振るなどの対策も講じやすくなります。

タイムカードの打刻に慣れている従業員の場合は、勤怠管理システムでの打刻を忘れることもあるため、リモートワークに慣れるまでの間はマネージャーがフォローすることも必要です。

また、勤怠管理システムの導入が難しく、他の方法で勤怠の管理をおこなう場合には、業務開始時や終了時にチャットまたはメールを送り合うといった対策も有効です。

「目標管理制度の導入・見直し」で適切な評価をおこなう

リモートワークではなにを評価の対象とするのか、具体的な評価基準を目標管理制度として明確化することが重要です。すでに目標管理制度を導入している企業も多いと思いますが、リモートワークにも対応できる適切な内容に見直すことも検討してみましょう。目標管理制度はメンバー一人ひとりが成果を振り返るためにも活用できるため、生産性の向上にも貢献します。

業務のプロセスなど定性的な項目をもとに評価する際には、日頃からフィードバック面談などを行い、マネージャーとメンバーがコミュニケーションを図りながら信頼関係を構築していくことで、業務の進め方や仕事ぶりを確認でき、定性的な項目も適切に評価できるようになります。

「情報管理のルール化」によるセキュリティ対策

リモートワークの実施にあたっては、個人情報や機密情報を含む業務をどのようにおこなうか、情報管理についてルール化しておく必要があります。企業が定めるセキュリティポリシーに沿ってルール化するのが一般的ですが、もし社内に明確なルールがない場合には、経済産業省が公開している「リモートワーク時における秘密情報管理のポイント」を参考にしてみるのも一つの方法です。

セキュリティ対策におけるマネジメントでは、メンバー一人ひとりにセキュリティ対策の重要性を説明し、理解してもらうことがもっとも重要です。

まとめ

マネジメントの課題を理由にリモートワークの導入を見送る企業や、リモートワークは実施しているもののマネジメントに課題を抱えている企業は少なくありません。

今回ご紹介したような課題を解決するためにマネージャーができることは、メンバーに対して積極的にコミュニケーションをとることや、ITツールの適切な活用などさまざまです。

まずはリモートワークにおける社内の課題を精査し、解決方法のひとつとしてマネジメントの具体的な改善方法を模索してみてはいかがでしょうか。

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