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人事異動の果たす役割を紹介!目的や適切な人事異動のポイントを解説

2021年02月08日更新

多くの企業でおこなわれている人事異動には、従業員の育成や適材適所の実現など、企業経営を活性化させるためのさまざまな目的があります。

また、昨今の「働き方改革」をはじめとした人事課題の解決に向けて人事異動を有効活用することで、限られた人材の中で成果の最大化を図り、適材適所に人事配置をおこなうなどの効率のよい企業経営へと繋げることも可能になります。

今回は、人事異動の概要や人事異動を行う目的、適切な人事異動をおこなうためのポイントについて解説します。

目次 【表示】

人事異動とは

「人事異動」とは、企業や組織の命令によって、従業員の部署や配属先、勤務形態、地位などが変更されることです。転勤や部署変更など、人事上のあらゆる変更のことを指します。

従業員は入社後、一般的には特定の部署に配属されます。その部署での本人の適性や能力が仕事内容とマッチすれば、労働意欲や生産性が向上し、企業経営においてもプラスの効果が期待できます。しかし、はじめからすべての従業員が個々の適性に合った部署へ配属されるとは限りません。また退職や休職などの理由から、特定の部署において従業員が不足することもあります。

そこで従業員の業務変更や適正な配置について、定期的に検討し、必要に応じて異動を実施することで、適材適所の人材配置に近づくことができます。

人事異動の種類

人事異動は大きく6種類に分けられます。

転勤:同じ企業内で異なる勤務地に配置されること。
出向:同じ企業に在籍したまま、親会社や子会社などの関連会社へ勤務すること。
転籍:在籍している企業との雇用契約を解除し、転籍先の企業と雇用契約を締結して勤務すること。
部署異動:同じ企業内で、所属する部署が変わること。
昇進:社内での職位(役職)が上がること。
降格:社内での職位(役職)が下がること。

このように、人事異動と一言でいってもさまざまな種類があり、目的に合った方法が用いられます。

人事異動の時期

人事異動の時期に決まりはなく、企業によって実施時期が異なります。日本では新卒一括採用を導入している企業も多いため、新年度が始まる4月や、半期決算期に合わせて人事異動をおこなう企業が多い傾向にあります。

従業員は人事異動を原則拒否できない

日本では、従業員を簡単に解雇できないように、法規制が厳しくなっています。その一方で、会社や組織が持つ人事権も強く、どこかの会社に勤めるということは、従業員はその会社の就業規則に合意したことを意味します。

多くの会社では、人事異動は業務命令の一つとして就業規則に定めているため、従業員は人事異動を原則的には拒否できないものと考えられています。しかし、中には「例外的に拒否できるケース」も存在します。

・入社時に企業と交わした雇用契約書の内容と、人事異動の内容が異なっている場合
・やむを得ない事情があり、本人・家族への転勤などの負担が大きすぎる場合など(ただし企業側の判断による)
・不当な理由で従業員を、閑職や慣れない仕事に異動させる場合

ただし、例外的に拒否できるケースが起こることは多くないため、「従業員は人事異動を原則拒否できない」という認識で、慎重に人事異動を検討しましょう。

人事異動の目的

企業の人事異動には、どのような目的があるのでしょうか?

従業員の成長促進・人材育成

日本には「職能型」と呼ばれる雇用慣行があります。職能型の雇用慣行は、従業員を採用してから仕事を割り振ることが特徴で、多くの場合は職務や勤務地、労働時間が限定されない雇用契約となっています。

職能型の雇用慣行では、定年までの雇用や勤続年数に応じた昇給といった労働環境のなかで仕事に取り組め、従業員が企業に対して愛着を持ちやすいという特徴があります。従業員を社内の異動(ジョブローテーション)によって育成する方法も、この職能型の雇用慣行が大きく影響しています。

異動となった従業員は今までと異なる業務に携わる場合が多いため、新しい知識や技術が身につきます。従業員の仕事の幅が広がることで、さらなる成長が期待できるでしょう。また、優秀な人材を異動させ、業務プロセスや知見を異動先のメンバーと共有してもらうことで、企業全体として従業員の能力やスキルの底上げにもつながります。

人事異動により、従業員の能力が発揮できるようになるケースもあります。適材適所の人員配置は「タレントマネジメント」の手法の一つであり、従業員個々の能力を最大限に活かせるポジションへ配置することで、生産性の向上や離職の防止といったさまざまなメリットを得られます。

今後、企業の競争力を維持していくためには、リモートワークや時短勤務といった柔軟な勤務制度を取り入れ、多様な人材が活躍できる環境を構築していく必要性が増していくと考えられます。働く時間や場所に制約のある従業員が増えるにつれて、同じ人材に一つのポジションを長く担ってもらうことが難しくなる可能性があります。そのような状況において、適材適所の人材配置を実現し、多様な人材がそれぞれの能力を最大限発揮できる組織作りへと繋げることが重要です。

組織の活性化に繋がる

人事異動には、組織の活性化へと繋げる効果も期待できます。新しい発想や考え方が生まれにくくなっている場合、部署内のメンバーが固定化されていることが原因の一つとして考えられます。そこで定期的に人事異動を行い、部署内の流動性を高めることで、組織の活性化につながることが期待できるでしょう。

また異動によって、従業員が今までとは異なる職場環境を知ることは、組織における仕事の流れの理解を深めることにもつながり、生産性向上にも大きく貢献できるでしょう。

適切な人事異動をおこなうためのポイント

適切な人事異動をおこなうためには、どのようなポイントに気をつける必要があるのでしょうか?

人事異動のルールの明確化

人事異動をおこなうためには、人事異動のルールや基準を従業員に対して明確にすることが必要です。多くの企業では、人事異動のルールや基準について、就業規則に規定を設けていることが一般的です。

人事異動のルールなどについて記載する際は「対象者の選定基準」「異動の時期」といった要素を明確に定め、合理性のある人事異動を行わなければなりません。

経営方針・目的に沿った人事異動の実施

人事異動は企業の経営方針に沿ったうえで、経営目標の達成や人材育成などの目的をしっかりと考慮しておこなうことが重要です。

従業員にとって「業務上の必要性・目的が不明瞭」と捉えられる人事異動では、従業員のモチベーションを高めることは難しく、経営目標の達成から遠ざかってしまうことを考慮する必要があります。

人事異動を従業員へ伝える際に注意すべきこと

人事異動を従業員へ伝える際には、異動の理由を具体的に説明し、異動先での業務内容を明確に伝えることが欠かせません。

人事異動を従業員のモチベーション向上につなげてもらうためにも、「なぜ異動になったのか」「どのような理由で異動先に求められているのか」を明確に伝えましょう。また、「異動先での業務と従業員の適性がどのようにマッチしているのか」を伝え、人事異動に納得してもらうためのフォローをおこなうことも大切なポイントです。

まとめ

人事異動には、従業員の育成や適材適所への配置転換など、企業経営を活性化させるためのさまざまな目的があります。人事異動を企業の成長に繋げるためにも、従業員のスキルアップや生産性の向上、組織の活性化といった目的を明確にし、目的に対して人事異動が果たす役割についてきちんと考えることが大切です。

転居などを伴う人事異動は、従業員のライフスタイルにも大きく影響するものであるため、合理性を保つとともに、異動の目的や、異動先で期待される役割などを明確に伝えることを心がけ、効果的な人事異動に取り組みましょう。

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