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VUCA時代に求められる「シェアドリーダーシップ」型組織とは

2021年07月21日更新


立教大学 経営学部 経営学科 准教授 舘野 泰一氏(左)
株式会社マイナビ 教育研修事業部 事業開発統括部 統括部長/HR Trend Lab 所長 土屋 裕介(右)

想定外の出来事が多発するVUCA時代をあおるように、コロナ禍によるテレワーク整備への緊急対応など、企業内での混乱も続いています。そのような状況において、組織を維持しながら成果を創出するリーダーシップのあり方も変化が求められています。そうした中、注目したいのが「シェアドリーダーシップ」です。

今回は、シェアドリーダーシップとはなにか、その有用性や活用法について、HR Trend Lab 所長の土屋裕介が、リーダーシップ開発などの研究をおこなっている立教大学経営学部経営学科准教授 舘野泰一さんにお話を伺いました。

目次 【表示】

「シェアドリーダーシップ」とはなにか?

土屋:先の見えない時代の組織づくりにおいて、「シェアドリーダーシップ」が有効だとお聞きしました。まずはシェアドリーダーシップとは、どのようなものなのかをお伺いできますでしょうか。

舘野:一般的にリーダーシップといえば、職場の中のリーダー1人がリーダーシップを発揮して、他の人たちはそれに従うイメージがあるかと思います。ですが、シェアドリーダーシップは、組織やチームに所属する全員がリーダーシップを発揮している状態です。「シェアド(shared)」とは、共有されている、分散されているという意味があります。

つまりシェアドリーダーシップは、リーダーの役割をチーム内で共有しながら、それぞれがリーダーシップを発揮し、時に従うといった双方向のやり取りが行われている状態といえます。

土屋:全員がリーダーシップを発揮できるし、フォロワーにもなるとのことですが、リーダーがいない、というわけではないのですね。

舘野:そうです。シェアドリーダーシップの話をすると、「権限としてのリーダーは不要ではないか」と飛躍することもあるのですが、そんなことはありません。役職についている公式のリーダーも、それ以外のチームメンバーもリーダーシップを発揮しながら、それぞれがイニシアティブをとって、主体的に動いている状態を目指しましょうというものです。

土屋:チームメンバーの主体性を尊重し、導いていくサーバントリーダーシップ(先んじてチームメンバーへの奉仕をおこない、その後、相手を導いていく支援型リーダーのこと)の働きかけと似た印象があるのですが、シェアドリーダーシップとはどう違うのでしょうか。

舘野:まずサーバントリーダーシップは、個人のスタイルの話であって、組織の状態を示すシェアドリーダーシップとは異なります。リーダーとなる個人が「シェアドリーダーシップを発揮する」のではなく、あくまで組織として発揮するものです。

もちろんチームの公式のリーダーが、サーバントリーダーシップを発揮して、組織の指針を示しながら、チームメンバーの話を聞き、サポート体制を強化すれば、信頼関係も高まります。結果として、周囲が発言しやすい環境になれば、メンバーがリーダーシップを発揮しやすい状況(シェアドリーダーシップといえる状況)がつくれると思います。

シェアドリーダーシップのメリットを享受しやすい組織

土屋:組織がシェアドリーダーシップの状態をつくると、どのような効果があるのでしょうか。

舘野:組織としては緊急時や判断に迷った時の対応力が向上するという点、そして、個人レベルではコミットメントや業績が上がるという、2つの効果があると思います。

まず組織としては、素早い意思決定が必要な時や、これまで対応したことがない業務をおこなう時など、その答えが明確に決まっていない状況で有効です。答えがわからない時に、「じゃあ、こういう視点で考えよう」という個々の多様な提案が出やすく、新たなアイデアや視点を考えたり、困った時に現場で素早い判断をしたりできるようになるわけです。

個人に対しては、チームメンバーも仕事に主体的に関わっているという意識が強くなるので、コミットメントが高くなると言われています。

土屋:シェアドリーダーシップを効果的に取り入れやすい状況はあるのでしょうか。たとえば、向いている組織の単位はありますか? 

舘野:現場レベルのリーダーやチームが取り組むことでシェアドリーダーシップの状態を実現しやすくなります。たとえば、会議の中でリーダー以外のメンバーが、率先して議事録をとって共有するなどの行動もシェアドリーダーシップの定着に大きな影響を与えます。

土屋:組織によっても、シェアドリーダーシップの向き不向きがあるように感じます。研究職やIT関連など、それぞれが高いスキルや強みを持った集団で、かつ目標が明確なチームの方が、効果を発揮するのではないでしょうか。一方で営業職のように、ある程度マニュアルにそった対応が求められる組織では、実務的に難しいように感じますが、いかがでしょうか。

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