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HRテクノロジーとは?(後編)導入時に読みたい書籍5選

2019年11月27日更新

HRテクノロジー導入時に知っておきたい知識

人事が抱える問題を解決するために重要な手段となる「HRテクノロジー」。HRテクノロジーを導入する上で必要な知識はどう身につければいいのでしょうか。日々の業務における経験や関連したニュースの収集など、方法は多岐にわたりますが、初学者が体系的に学習できる手段として、本によるインプットもおすすめです。本コラムでは、知識習得に役立つおすすめ書籍5冊をご紹介します。

>>「HRテクノロジーとは?(前編)活用の目的と知っておきたいポイント」 はこちら

おすすめ書籍

◆HRテクノロジーで人事が変わる
著者:労務行政研究所
出版社: 労務行政
発行年月:2018年8月30日

本書は、これからHRテクノロジーを学習しようとしている方にまず読んでいただきたい「教科書」のような内容になっています。HRテクノロジーを導入する人事現場について、経済や政治、法律、国際情勢などさまざまな視点から考察した本書。HRテクノロジーを利用する事で生まれるメリットや、導入した後の世界観について具体的な企業例をあげて記載していることに加え、導入する事で生まれる懸念や想定される問題点も事細かに書き出して解説しています。各方面から分析するために、本書は経済産業省や厚生労働省、弁護士、大学教授など、各分野の執筆者による共著となっている点も魅力です。
HRテクノロジーが主に利用されるシーンである採用・配置・人材開発・組織開発・安全配慮・退職といった各フェーズで、実際に日本で取り入れられている事業例や技術面、HRM(Human Resource Management)、労働法といった各視点で解説されているため、体系的かつ実践的な知識を得られる中身となっています。また、人事担当者が導入する上で必要となる具体的なステップや、AI導入時のルール作りなども事細かに解説。HRテクノロジーの導入を検討している人事担当者にはぜひ読んでいただきたい一書になっています。

◆人事こそ最強の経営戦略
著者:南 和気
出版社:かんき出版
発行年月:2018年6月13日

本書は、「戦略人事」に関する書籍です。戦略人事とは、米デイビッド・ウルリッチ氏が1990年代に提唱した「従来の管理業務を中心とした人事から、人や組織の専門家としてより事業戦略の実現をサポートする人事に転換すべきである」という考え方です。HRテクノロジーが多くの企業に導入されている背景には、HRテクノロジーによって煩雑なルーティンワークの業務負担を軽減し、戦略人事を推進したいという意向があり、人事担当者としては知っておくべき考え方です。
戦略人事は、外資系グローバル企業において日本企業に先んじて取り組まれており、本書でも、それらの企業の先進的取り組み事例が紹介されています。本書の特徴は、海外で進んでいる戦略人事の取り組みを、日本企業においてどのように実践すべきか、あるいはどのような問題が起き、どのように対処すべきかが指南されている点です。数少ないと思われる日本企業での実践例もインタビュー形式で数社載せられています。
取り扱われている事例は大企業が中心ではありますが、ダイバーシティの実現・リーダーの育成・経営と人事の一体化といった日本のあらゆる企業に当てはまる課題を取り扱っており、規模の大小にかかわらず、自社が戦略人事を取り入れる上で参考に成り得る内容です。

◆経営力を鍛える人事のデータ分析30
著者:林 明文、古川 拓真、佐藤 文
出版社:中央経済社
発行年月:2017年9月1日

本書は、「基本的な人事データの読み解き方」を教えてくれる書籍です。統計など専門的な知識を含まず、四則演算を活用して、現状を把握・分析する内容が書かれています。
基本的な人事データとは、具体的には、平均勤続年・平均給与・適正人員数・人員構成ギャップ・自己都合退職率・人件費伸縮率・労働生産性・リテンション率・将来予測人件費などの指標。人事がデータを基に意思決定する上では、本書に出てくるものはどれも重要な指標です。HRテクノロジーを導入すると、これらの指標の分析をより高度に行えるわけですが、そもそもこれらの指標が示すことが分からなければ、使いこなすことはできません。
本書には、各指標を算出する計算方法、そして算出された数値をどう読み解き、人事施策に落とし込むのかが具体的に書かれています。たとえば自己都合退職率では、「退職率は3%が黄色信号、5%が赤信号」など一般的な基準を知ることができ、「社員の退職に影響を与えるのは、企業・職場・キャリアの魅力度である」など原因分析につながる情報を得ることができます。
また施策立案に関しては、人事目線、従業員目線だけではなく、「経営力を鍛える」というタイトル通り、経営視点でも書かれているので、人事データを経営に活かすやり方を理解することもできます。

◆人事のためのデータサイエンス
著者:入江崇介
出版社:中央経済社
発行年月:2018年6月13日

本書は、「統計解析が求められる人事」に向けて書かれた統計の入門書です。本書を読むことで、自社の人事データを統計解析するための「適切なレベル」の知識が身に付きます。
「適切な」というのは、「人事担当にとって必要な統計知識が多すぎず、少なすぎない」ということ。人事の方が統計解析をおこなう際には、社内外にいる統計知識を有する方とコラボ・協力することや分析ツールを導入することが多いと思います。その場合、人事が身につけるべきは「分析を依頼するのに必要となる知識」「結果レポートを読み解くための知識」であり、本書はそのための知識に絞られて書かれています。回帰分析・因数分析・t検定など統計の専門用語も多く出てきますが、初心者にもわかりやすく記述されています。
また実践的な事例の中で、統計分析の重要性やメリットを理解することができます。たとえば『長時間労働の社員を特定してウォッチする』だけの企業が多いですが、ここから一歩進んで、『長時間労働になる社員と、ならない社員の特徴を捉えて改善に向けてアプローチする』というように、因果関係や相関関係を明らかにすることができるようになるための事例などが書かれています。他にも、高業績者の行動特性を導き出す、研修効果を観察する、職種別の性格特性の差を確認する、活躍人材を予測するなどのテーマを多く含んでいます。

◆AI・HRテック対応 人事労務情報管理の法律実務
著者:松尾 剛行
出版社:弘文堂
発行年月:2019年1月7日

本書は、HRテクノロジーを導入する事で巻き起こる個人情報管理の問題や、人事評価や配置をテクノロジーによっておこなう事の法律的リスクを、QA方式による読みやすい形でまとめた一冊になっています。AIやHRテクノロジーが導入された時の法的リスクはもちろん、一般的な人事労務全般で起こる法律問題もまとめられています。
関連した裁判判例なども紹介しているため、実務レベルでも役に立つことでしょう。たとえば情報漏洩の章では、 6つもの判例を紹介し、関連情報も含めながら解説しています。構成としては、基礎から実践まで各章ごとに解説されるものとなっています。人事担当者がHRテクノロジーを利用する上で、「情報の管理」は重要な責務です。そうした情報管理に関連した代表的な法律を本書はまとめています。人事担当者が配慮すべき「権利」や「法律」を学びたい方におすすめの一書です。

必要な知識を身につけ、効果的な導入を

近年、非常に数多くのHRテクノロジーサービスがリリースされています。その中から自社に必要なHRテクノロジーは何か、どのように導入を検討すればいいのか。導入にあたってはさまざまな知識をもって考えることが必要です。必要な知識を身に着けることで、HRテクノロジーをより効果的に取り入れられるはずです。

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