HR Trend Lab
HR Trend Lab

HRテクノロジーとは?(前編)活用の目的と知っておきたいポイント

2019年11月27日更新

最先端のIT技術と人事関連業務の連携

HR(Human Resources)とテクノロジーを合わせた「HRテクノロジー」という用語をご存知の方も多いのではないでしょうか。採用・評価・配置・育成・モチベーション管理・勤怠・経費・労務・給与など、あらゆる人事業務が新たな技術によって見直されている昨今。人事業務に関わる先進技術を総称してHRテクノロジーと呼んでいます。ここ数年ですっかり浸透しつつある「HRテクノロジー」。本記事では、HRテクノロジーの活用目的と導入時に知っておきたいポイントをご紹介します。

HRテクノロジー活用の目的

HRテクノロジーは、採用・勤怠など特定の領域ごとに導入される場面も多い一方で、それぞれの領域のデータを「繋ぐ」ことが重要視されています。採用データと営業成績のデータ、勤怠データと心身の健康度のデータなど、これまでばらばらに管理されていた情報を繋げることで、企業は今まで明らかになっていなかった知見を享受できます。HRテクノロジー活用の目的を大きく3つに分けて見ていきましょう。

1.人事業務の効率化

人材のコスト管理や、採用の選考管理、福利厚生や申請の処理手続きなど、人事担当者に求められる業務は多岐にわたります。人事担当者の業務の大半は定期的かつ煩雑な業務処理を要するものが多く占めており、「旧来の人事制度」の改善や「人材開発に向けた新たな施策」を検討する時間がないことが問題視されることもしばしば。

この煩雑な業務をルール化し、AIにより一部を自動処理化することで、人事担当者の業務の効率化、ひいては大幅な時間短縮に繋げることができます。従来の業務が効率化されると、企業にとっては作業時間の抑制につながり、人事担当者にとっては定期的な業務に加えてより創造的な仕事に時間を使えるようになっていきます。

2.従業員の意思決定のサポート

これまでの人事業務では、現場やマネージャーの勘と経験に頼る部分が多く、部下育成や人事異動の場面で、客観的裏付けなどが欠けていることが課題でした。こうした課題に対して、統計処理されたデータの力を使い、人事業務を合理的におこなう方法が注目されています。

たとえば、人事評価や異動履歴、資格取得履歴などを可視化し一元管理する事で、最適な人材配置や人材開発を計画的におこなう仕組み。また、従業員マネジメントの場面では、従業員の就業時行動や健康状態などをデータから解析することで、離職リスクを可視化し早期の従業員フォローをおこなう企業もあります。現場レベルにとどまらず、自社の人材データをもとに、経営戦略の意思決定のサポートをおこなう、などの場面も増えていくことが考えられます。

3.新たな従業員コミュニケーション手段の獲得

従来の縦割り構造企業では、従業員間の世代や部署、部門の垣根が高く、コミュニケーションが限定されることにより業務生産性や効率化が低下することなどに課題がありました。こうした課題の解決策として、「ビジネスチャットツール」や「ピアボーナスツール」といったツールを活用する企業が増えています。

ビジネスチャットツールでは、手軽く効率的な連絡、ファイルの共有などが任意の相手と素早く行えることが特徴です。部門や世代を超えて、素早く手軽に連絡ができることで社内コミュニケーションが活発になります。ピアボーナスツールとは、従業員同士で良い仕事や会社への貢献に対して報酬を送り合うツール。社員がお互いの仕事の理解を深めたり、結束力の向上、ひいては業務効率の改善が期待できます。
こうしたビジネスコミュニケーショツールを用いることで、社内のコミュニケーションが円滑化し、従業員間の連携スピード向上・従業員の組織への貢献意欲向上など、組織全体の生産性アップが見込めるようになります。

HRテクノロジー導入に向けて身に着けておくべき3つの知識

HRテクノロジーは、人事が抱える問題を解決するための新たな手段となることはご理解いただけたでしょうか。とはいえ、ここまででお伝えしたことは概論にすぎません。次のステップとして、世の中にたくさんあるHRテクノロジーサービスの中から「わが社にふさわしいHRテクノロジーサービスは何なのか」を見極めるために役立つ専門知識をインプットしましょう。

1.戦略人事の知識

近年注目されているHRテクノロジーは、単なる「管理業務」のためのツールとしては効果がうすく、より効果的に活用するためには戦略的な人事施策のためのツールとして捉える必要があります。戦略的な人事施策とは、具体的には「経営戦略に沿った人事施策や連携」、「個人成長と組織目標達成の共存」のこと。近年では「戦略人事」として表現されます。

従来日本企業の人事部が担ってきた「管理業務」とは大きく役割が変化し、経営戦略達成を目的として経営部門と連携する人事部門および人事施策のことを指します。戦略的な人事施策をおこなうという前提で導入することで、HRテクノロジーを「管理業務の効率化のツール」としてだけではなく、従業員や経営の意思決定のサポートとして活用することができるでしょう。

2.データ分析に関する知識

HRテクノロジーを導入することで、人材データベースに集約された情報から、高度な分析をおこなうことが可能になります。たとえば「わが社の幹部に必要な能力と、その能力開発に必要な研修および人事異動」「長時間労働になる社員、ならない社員の特徴」などが導けるかもしれません。これらを導き出すためには、データ分析の基礎知識や一定の統計知識が求められる場合があります。しかし、全員が統計の専門家になる必要はありません。まずは統計処理の基本知識を持ち、HRテクノロジーのサービスを正しく使いこなすことが求められます。

3.HRテクノロジー関連の法律知識

新しいシステムを導入していく事で、当然考慮しなければいけないのは各種法律との折衝です。代表的な所で言えばまず、個人情報保護の観点が挙げられます。社内における人材データや、採用場面における学生データを分析にかけ活用していくうえで、社員や学生の権利侵害となりうる事は細心の注意を払う必要があります。システムを利用する上で、法律的に問題となる行為や権利関係については事前に確認する事が重要です。

HRテクノロジー導入に向けて

人事業務の効率化や経営戦略に沿った人事施策の実現のために必要不可欠なHRテクノロジー。その浸透は今後も加速していくでしょう。HRテクノロジーの活用目的と導入時に身に着けておきたい知識をしっかり押さえ、自社でのより効果的な活用に繋げましょう。


>>「HRテクノロジーとは?(後編)導入時に読みたい書籍5選」 はこちら

キーワードで探す
関連バナー
  • マイナビ エンゲージメント・リサーチ
  • 社会人基礎力診断
  • ムビケーション
→
←