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AIの基礎知識として覚えておきたい機械学習とディープラーニング

2020年09月11日更新

データをもとに特徴を割り出し、過去の傾向や経験にもとづいて予測をおこなうAI(人工知能)は、私たちの生活においてすでに定着しつつあります。しかし、「AIとはなにか?」を正確に理解している方は少ないのではないでしょうか。今回は、AIの基礎知識はもちろん、AIと混同されることの多い機械学習やディープラーニングとの関連性などについても詳しく解説します。

目次

AI・機械学習・ディープラーニングの関係性

AIに関連する技術要素として「機械学習」や「ディープラーニング」があります。混同しがちなこれらの技術要素について、整理しながら解説します。

機械学習はAIを構成する技術要素のひとつ

機械学習とは、ビッグデータをもとにコンピュータに対して一定の法則を与え、処理を自動化する技術です。ビッグデータとは「大量かつ多様な種類のデータ」のこと。機械学習では膨大なデータをもとに処理をおこなうため、ビッグデータは不可欠で、学習のベースとなる存在といえるのです。
よく「AI=機械学習」と認識されがちですが、あくまでもAIを構成するなかの中核となる技術が機械学習と位置付けられます。

ディープラーニングは機械学習の技術要素のひとつ

AIを学習するうえで、機械学習と並んでよく出てくる言葉が「ディープラーニング」とよばれるものです。ディープラーニングとは機械学習をさらに発展させ、コンピュータが自ら特徴や法則を導き出し、処理を自動化する技術のことを指します。従来の機械学習をベースとしており、ディープラーニングは機械学習の技術要素のひとつとして位置づけられています。

ディープラーニングの特徴は、4層以上のニューラルネットワークと呼ばれる人間の神経回路をモデルに構築されたネットワークのから構築されています。ニューラルネットワークは層が多くなればなるほど複雑な処理が可能になります。4層以上から成るディープラーニングは、画像認識や音声認識、自然言語処理など、現在のAIに欠かせない機能を実現するための、極めて重要な役割を担っています。

弱いAIと強いAI

現在世の中で実用段階にあるAIは、機械学習およびディープラーニングの技術によって成り立っており、「弱いAI」と「強いAI」とよばれる概念が存在します。それぞれのAIはなにが異なるのか、概念の違いについて詳しく紹介します。

弱いAIとは

弱いAIは別名「特化型AI」ともよばれ、特定の目的のために開発されたAIのことを指します。2015年に囲碁のプロ棋士を破った「Alpha Go」というAIは、囲碁の対局のために開発された「弱いAI」のひとつといえます。

このほか、スマートスピーカーに搭載されている音声認識と自然言語処理や、スマートフォンの顔認証に搭載されている画像認識なども、ディープラーニングの技術を応用して特定の目的のために開発されているため、弱いAIに分類されます。

強いAIとは

特化型AIではない強いAIは「汎用型AI」ともよばれ、コンピュータ自身が意思をもった存在のことを指します。アニメや映画に出てくるような、従来私たちがイメージしていた近未来のロボットをイメージするとわかりやすいでしょう。

しかし、強いAIは現時点でクリアすべき技術的なハードルが高く、実現にいたっていないのが現状です。また、仮に技術的な問題がクリアでき、強いAIの開発が可能になったとしても、人間以外に高度な知能をもった存在を誕生させてよいものなのか、倫理的、法的な問題も懸念されているのです。

AIでできること・できないこと

現在のAIは一定の目的のために開発された「弱いAI」であるため、決して万能な存在とはいえません。AIでできること、できないことを整理しながら紹介します。

AIでできること

AIがおこなう処理は、学習データをもとに傾向を分析し、答えを導き出せるものでなければなりません。典型的な事例として、以下のような項目が挙げられます。

・人間の言葉を聞き取りテキスト化する(自然言語処理・音声認識)
・カメラに写った画像から物体を認識する(画像認識)
・顔や指紋、静脈などの生体認証(パターン認識)

自然言語処理や音声認識のAIに多くのビッグデータが集まると、人間の問いかけに対して最適な回答を用意して会話することも可能になります。また、画像認識やパターン認識技術を医療分野に応用すれば、X線画像やCT画像などをもとにAIが診断することも可能になるでしょう。

AIでできないこと

強いAIは実現できていないと紹介した通り、AIが自ら意思をもつことは現時点では不可能です。こちらも事例として、以下のような項目が挙げられます。

・新たな発想で新商品やアイデアを生み出すこと
・人間の感情を推し量りコミュニケーションをとること
・イレギュラーな対応が求められる仕事や作業

人の感情や気持ちは複雑で、同じ表情や言葉をしていても意味が変わってくることがあるため、きめ細かい対応が求められる高度な接客や、イレギュラーな対応が求められる仕事や作業にも不向きといえます。またクリエイティブな発想は、人間だからこその強みといえるでしょう。

AIの歴史から予測する今後の進化


AIは今後、どのように変化していくのでしょうか。これまでの歴史を振り返りながら、AIの未来について予測してみます。

AIは過去にブームと衰退を繰り返してきた

2010年代後半からAIという言葉が頻繁に飛び交うようになりましたが、実はこれまでの歴史のなかで、AIは何度かにわたってブームと衰退を繰り返してきたのです。

1950年代から1960年代にかけて第一次AIブームが到来したとき、現実社会のさまざまな課題を解決するシステムとして期待されました。しかし、当時のAIでは簡単なゲームのようなものにしか対応できないことがわかり、あえなく衰退していきました。

1980年代には第二次AIブームが巻き起こり、第一次ブームのときに課題とされた複雑な処理を可能にする「エキスパートシステム」とよばれるプログラムが誕生しました。しかしこれを実用するためには、あらゆる知識や知見を人間の手でコンピュータに学習させる必要があり、極めて膨大な時間と労力が求められることから現実的ではなく、再び衰退していったのです。

テクノロジーとの融合が可能になった第三次AIブーム

2010年代から現在にかけてのAIブームは、第三次AIブームにあたります。第一次AIブームおよび第二次AIブームと決定的に異なるのは、コンピュータの基本性能の飛躍的な向上と、ビッグデータによってディープラーニングが用いられるようになったことです。

また人の手によるデータ収集ではなく、IoT技術の活用によってAI自身が効率的にビッグデータから必要な情報を収集できるようになったことも、AIが普及した大きな要因といえるでしょう。
今や、さまざまな業種、自治体などでAIの活用が進んでおり、社会実装が本格化していくと考えられます。

たとえば、人事領域でも活用されている「タレントマネジメントシステム」には、人材情報をAIが分析し、人材の特徴や共通点を見つけ出す機能が搭載されたものもあります。複数の人材を比較しながら分析することで、より優秀な人材発掘に役立てたり、従業員の能力を伸ばすための人材育成計画にも活用したりすることが期待されています。

まとめ

AIはあらゆる問題や課題を解決してくれる万能ツールではなく、得意な分野もあれば不得意な分野もあります。過去のAIブームと衰退の歴史を見てもわかるように、AIはこれまで少しずつ、しかし着実に進化してきました。AIを有効活用していくためには、まずAIの特性を理解し、できることとできないことを明確に把握しておく必要があるといえるでしょう。

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