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従業員エンゲージメントが上がらない…何を見直す?

2019年10月30日更新

「従業員エンゲージメント」というキーワードは、このところビジネスリーダーの間で随分と定着してきました。人材確保や企業の成長への効果を期待して取り入れている企業も多いでしょう。しかし、従業員エンゲージメントの考え方を正しく理解していなければ、せっかく従業員エンゲージメントの向上に取り組んでも運用しても現状打開につながらない場合もあります。会社の雰囲気を明るくしたり、人材流出を防ぐためには従業員エンゲージメントは不可欠。見直すところは見直し、しっかりとした経営理念を持って従業員エンゲージメントを高めていきましょう。

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満足度と同じではないエンゲージメント

まず、従業員エンゲージメントの意義はしっかりと理解できているでしょうか。従業員エンゲージメントが高い状態とは、従業員が組織に貢献する意図をもって業務に打ち込んでいる、つまり従業員がいきいきと前向きに働いている状態です。従業員エンゲージメントの向上によって業務のパフォーマンス向上、離職抑制、業績向上などが期待できます。

類似する言葉に「従業員満足度」がありますが、従業員満足度は個人が職場環境・給与・人間関係といった働く組織の環境に満足しているかどうかを表すものです。従業員エンゲージメントは、個人に組織や仕事に向かう意欲があるか。従業員満足度は、個人が働く環境に満足しているか。とそれぞれ測定する目的が違っていると言えます。

2017年に日経新聞が発表した、世界各国の企業を対象とした従業員エンゲージメントの調査結果によれば、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%で、調査した139カ国の中で132位と最下位クラス。そして周囲に不満をまき散らしている無気力な社員の割合は24%で、「やる気のない社員」は70%に達している、という結果となっています。

従業員エンゲージメントを意識した企業が増えているのも、このような背景に危機感を持っているからと言えるでしょう。

防ぎたい優秀な従業員の流出

終身雇用から成果主義による報酬体系が進んでいく中、今後企業と従業員の関係は、報酬を含めた待遇のみという傾向が強まっていくかもしれません。しかし、それでは優秀な従業員は、キャリアアップのためにつぎつぎと職場を去っていくでしょう。企業にとっては常に人材流出の危険にさらされているも同然です。

従業員エンゲージメントは、報酬や待遇以外の面でも絆を深めようとする考え方です。エンゲージメントが上位50%のビジネスユニットは、下位50%と比べて生産性が7割、定着率も7割高い(離職率が低い)というデータもあります。エンゲージメント向上のための施策がうまくいかなくても途中でやめたり、無視したりするのは今の時代にはふさわしくありません。

企業と従業員の価値観が噛み合っているか

漠然とした経営理念では社員も賛同できない

従業員エンゲージメントがうまくいかない理由のひとつとして挙げられるのが、経営理念が経営者や従業員の価値観に沿っていないこと。「~を通じて社会貢献する」などといった漠然としたものでは、従業員もその職場で働く価値を見い出すことが難しく賛同も得られません。

経営者自身がどうありたいのか。理念と少しでも差異があるようであればそれを再構築する必要があります。そして、従業員にはそれを理解し共有してもらうための努力をすること。経営者層と従業員が理念について議論を交わす場を設けるのも一つの策です。

新興国の従業員エンゲージメント

インドは従業員エンゲージメント指数が高いことで知られています。「従業員は全人格的に会社に関わり、会社は組織をあげて個人に関わる」というのがインド企業における一般的な概念。これも従業員エンゲージメントを見直す重要なヒントになります。

インドをはじめとする世界の新興国は従業員エンゲージメントが高い傾向にあり、経済成長を支える要因の一つとなっているのです。

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